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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
37.白猫少女と異界の侵略者

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37-4.集結

 私がニクス世界に戻ってへーちゃんを回収して皆の所に戻った頃には、既にノアちゃん達も準備を終えていた。



「カノン達も呼び戻しておいてくれたのね」


 商会組と教会組の一部がここに揃っている。

ニクスと例の場所とやらに向かったメンバーと、ムスペル組以外は全員集まったようだ。



「はい。

 ですが、ツムギ達の方は」


「うん。大丈夫。

 ハルちゃんとイロハの分体を送ったから」


「本当にルネルさんに行ってもらわなくて良いのですか?」


「仕方がないのよ。

 ルネルにはどうしても聞かなきゃいけない事があるから」


「……そうですか」


「ごめんね、ノアちゃん。

 詳しい事はまた後で説明するから」


 私はノアちゃんの頭を撫でながら横を通り、その場に集まった家族とルイザちゃんを視界に収めた。



「ルイザちゃん。

 悪いけど続きは会場を移させてもらうわね。

 お母さんドラゴンへのリベンジはまた何れ。

 きっと何時か機会を設けるから」


 私はルイザちゃんの返事も待たず、家族諸共私世界に取り込んだ。


 そうして、この場には私、ノアちゃん、へーちゃん、ルネルだけが残された。



「次は?」


「少々お待ちを。

 ニクスが引き上げてくれるはずです」


 その直後、周囲の光景が切り替わった。


 そこは雑多に物が積まれたあまり広くもない部屋だった。


 まるで私の実家の部屋みたいだ。

漫画や電子機器だけでなく仕事用と思しき書類までごちゃ混ぜに積み上げられている。


 窓は無く、四方に扉がある変な作りの部屋だ。

かと言って別に和室なわけでもない。


 しかもその扉の内、実際に使えそうなのは一つだけだ。

その一つ以外漏れなく扉の中程まで、山のような書類で塞がれている。



「少しは片付けなさい」


「今はそれどころじゃないでしょ!

 というか第一声がそれなの!?」


 やっぱりここが神の座なのね。

どうしよう。もっと予想を外してくるかと思ったのに。

ぶっちゃけちょっと期待外れね。



「ノアちゃん、口ぶり的に来たことあるんでしょ?

 ノアちゃんがこんな部屋を見過ごすなんてありえるの?」


「すみません……その……挑戦はしたのですが……」


 興味を引くものが多すぎて、集中できなかったのかしら?

ノアちゃんもすっかり染まっちゃったのね。



「と言うかアルカだって人のこと言えないじゃん!

 アルカの実家の部屋だって似たようなものじゃん!」


「人って変わるものよ?

 今の私は綺麗好きでしょ?」


「収納空間に全部放り込んでるだけでしょ!?

 それは綺麗好きとは言わないよ!?」


 ここにあるのも全部放り込んでやろうかしら。

流石に不味いんだろうけども。

この部屋の中だけセキュリティが段違いっぽいし。



「いい加減にしたまえ。

 こんな時まで何をやっているんだ君達は」


「まあそう言うなグリア。

 アルカは気持ちを切り替えようとしておるのじゃ。

 少しでも冷静に話し合おうとな」


「む……ルネル氏がそう仰るならば……」


「ルネルでよい。

 今やわしもお主と同じアルカの伴侶じゃ」


「……」


「……」


 グリアとルネルは何故か無言で握手を交わした。

何か通じ合うものがあったらしい。



「はわわ!

 話には聞いておりましたが、まさか本当にルネルを射止めてしまわれるとは!

 流石は我らのアルカです!」


「まだあんたのものじゃないわよ、アムル。

 まったく。愛しの魔王様はどうしたのよ。

 すっかりアルカに惚れ込んでるじゃない」


「ほれ!?

 何を言ってるんですか!セレネ!

 わたっ!わた!私は!!」


「ダメですよ、セレネ。

 アムルの役割は未だ健在です。

 全てを放棄したわけではないのです」


「そうです!ノア!

 もっと言ってやって下さい!」


「そもそも、アムルのアルカへの恋慕は私達の影響です。

 私達の恋心が植え付けられてしまったのですから、アムルが抵抗できなくとも仕方の無いことです」


「ノア!?裏切りましたね!?」


「はいはい。

 私も大好きよ、アムル」


「あっアルカ!?」


「それで?

 先ずは誰が何を話すの」


 この場に集まったのは、八人だ。

ニクス、ノアちゃん、セレネ、アムル、グリア、ルネル。

そして、私、へーちゃん。


 アムルと私以外全員幼女体型とはいえ、流石に少しばかり手狭過ぎる。


 しかもへーちゃん、人見知りパニックを発揮したのか私の背中越しに威嚇し始めちゃったし。



 やっぱり少し片付けた方が良くないかしら……うん?



「誰!」


 私の誰何とほぼ同時に、ルネルが書類の山の中に飛び込んだ。



「痛!何すんのよ!こら!離しなさいよ!」


 なんかやたらと小さな悲鳴が聞こえてきた。



「お母様!?」


 ルネルが摘んで持ち上げたのは、手のひらサイズの混沌ちゃんだった。


 うん?

混沌ちゃん?

本当に?


 いやでも、こんなちっぽけな残りカスみたいな存在……。



「お義母様。

 それ誰にやられたの?」


「……内緒よ」


「そう。なら良いわ。私と契約しなさい。

 そのままでいれば、あなた消えるわよ?」


「……」


 ルネルから開放された混沌ちゃんは、私の指先に飛びつくと躊躇なく噛みついて血を吸い出し始めた。



「ぷはぁ!生き返ったぁ!

 感謝するわ!小春!

 この褒美何をくれてやろうかしら!」


「もちろん情報よ。

 もう一度聞くわ。

 それ、誰にやられたの?」


「言えないわ!!」


「命令よ。だ・れ・に。やられたの?」


「言えないわ!!

 これはどうしようも無い事なのよ小春!

 私は力どころか役割すら奪われたのだから!」


「そう。

 まあ良いわ。

 それでも役立つ事もあるでしょう。

 このままじゃ話し辛いわね。

 もっと力吸って良いから、サイズどうにかならない?」


「半分くらい吸って良いなら」


「良いわよ。それくらい。

 今はどうしてもあなたが欲しいの。

 あなたは奴に繋がる唯一の手がかりなの。

 力を貸して、混沌ちゃん」


「良いわ!交渉成立よ!

 私の全てを小春にあげる!

 だからあいつぶっ飛ばしちゃって!」


 ふふ。最高の手札が舞い込んできたわね♪

まあ、これも奴の仕込みなのでしょうけど。

セキュリティ万全のニクスの部屋に、こんな状態の混沌ちゃんが侵入できるはずがないもの。


 でも良いわ。乗ってあげる。

何でも利用して、必ずあなたを見つけ出してあげる。



「本気モードのアルカは思い切り良すぎだよ……。

 しかもなんか、やたら察しが良いし……」


「ニクスより先に気付いてましたね。

 というか、ルネルさんとほぼ同時だったのでは?」


「当然じゃ。

 素質だけならば、こやつはとうにわしを超えておる。

 なればこそ、伴侶の約束も受け入れたのじゃろうが」


「流石はアルカです!

 思わずドキッ!ってしちゃいました!」


「逆に普段どんだけ緩んでんのよ。

 それとアムル、後で説教」


「何ゆえ!?」


「君等は呑気だな。

 状況がより深刻であると判明したというのに」


「良いじゃないですか、グリアさん。

 アルカが何だか嬉しそうです」


「君は本当にそれで良いのかね……」


「ママは心配性ね。

 大丈夫よ。こういうアルカは頼りになるんだから。

 ママだって知ってるでしょ?」


「ママは止めたまえ。

 確かに頼りにはなるが、ついでにまた嫁が増えたのではないのかね?」


「嫌だよ!?

 私のお母様だよ!?」


「諦めなさい、ニクス。

 私のお母様もアルカの嫁よ」


「ほら、何時までも馬鹿な話してないで。

 いい加減話を始めるわよ」


「アルカに言われるのは何か釈然としない……」


「「「「「同感」」」」」


 まったく。

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