表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1042/1421

36-58.vs魔神 - 第一形態

「ノアちゃん!付き合って!」


 私はニクスを拾ってノアちゃん達の下へ転移し、ニクスをその場に残して代わりにノアちゃんを回収した。



「本体に攻撃を仕掛けるわ!」


「了解です!」


 今はただの人間であるニクスより、フィリアスとなったノアちゃんの方が、何かあった時にも対応出来るはずだ。

それにノアちゃんはこういう戦い方に慣れている。

集団の乱戦より、一対一で急所を突く方が得意なのだ。



「ノアちゃん飛べる?」


「無理です!」


「なら最悪着地だけ頑張って!」


「なにを言って!?」


 私はノアちゃんを魔神本体の右上に放り、自身は左上に転移した。


 すぐさま空中で体勢を立て直したノアちゃんと共に、魔神の両目に向かって両側から攻撃を放った。


 私は成果を確認する間も惜しんで再びノアちゃんの下に転移して回収し、更に上空へと転移した。



「アルカ!!!」


 ノアちゃんの緊迫した呼び声に応えて、そこからさらに転移して今度は横向きに大きく距離をとる。


 直後、凄まじい衝撃を伴いながら、魔神の頭が急浮上し、丁度私達が先程居た場所を通過した。



「アルカ!

 あれはヘビです!

 目に頼らずとも、標的の位置を特定出来るはずです!」


 なるほど。

闇雲に振り回してきたわけではないのか。

とは言え、小回りが効くわけでもないようだ。

転移があれば避ける事は難しく無いはずだ。



「けど今度は通じたみたい!

 この調子で攻撃を続けてみましょう!」


「手放すのは無しですよ!

 私だけの時に攻撃されては避けきれません!!」


「がってん!」


 私は小さなノアちゃんを肩車して、再び眼の前の魔神頭部に近づき、転移しながらのヒットアンドアウェイを繰り返した。


 戦闘時の転移使用禁止というルネルとの約束を完全に無視してしまっているけれど、今はそんな事を言っている場合ではない。

こんな化け物、技でどうにかなる範疇ではないのだ。

流石のルネルだって、今くらいは文句を言うまい。

何せノアちゃんが見逃してくれているくらいだし。


 そもそも私自身も全力には程遠いのだ。

神とは言え、所詮ゲームの設定の範疇だ。

本当に何でも有りの現実の方が、今の私にとって遥かに自由度が高いのだ。


 出来るはずの事が出来ないのが、本当にもどかしい。

そもそも今の私の全力なら、例え相手が城サイズだろうと一撃で消し飛ばせるはずなのだ。


 久しぶりに全力を出せるような相手が現れたと言うのに、私自身が全力を出せないのが残念でならない。

ほんと、本気さえ出せればなぁ!



「アルカ!!

 向こうを見て下さい!!」


 ノアちゃんの指す方に視線を向けて、私は自分の目を疑った。


 魔神の首が一本力を失って垂れ下がっている。

その頭は大きく陥没し、遠目にも完全に息絶えている事が見て取れる。



「まさかお姉ちゃん!?」


 兎獣人のお姉ちゃんがどうやってそんな攻撃を!?

神である私にすら出来ないのに!?

本気出せればとかめっちゃ恥ずい事思っちゃったじゃん!



「わかりません!ここからでは確認出来ません!

 ルネルさんの可能性の方が高そうですが!

 何にせよ私達も負けていられません!」


「そうね!

 さっさとこれ倒して次に行きましょう!」


「はい!!」


 一旦あの倒された魔神の辺りに拠点を移すべきかとも思ったが、相変わらずアリアが微動だにしていない。

今はどの道動けないなら、一番近いこの首を落としてここを安全にするべきだ。


 魔神の首さえ落としてしまえば、眷属の出現も止むはずだ!

そうすれば後は皆がどうとでもしてくれるはず!


 私達は再び魔神の首へ攻撃を開始した。


 それから長い時間をかけてようやく一つ落とした頃、既に追加で二つの首が落とされていた。

お姉ちゃんかルネルかは知らないけど、とんでもない力だ。

これで合計四つの首が落とされ、残り三つとなった。


 次の首に向かおうとした所で、更なる異変が発生した。


 残った三つの首が集まり絡まりあって、まるでかの有名な黄金の三つ首竜のように、上空で鎌首をもたげだしたのだ!


 なにこれ!?

第二形態ってこと!?


 三つの口からは大量の涎が湧き出し、それらが当然のように大量の眷属へと姿を変えた。


 三つ首竜は高空で体勢を維持し、自らは攻撃に加わる様子が無い。

このまま眷属達の物量で押し流すつもりのようだ。



「普通に攻略出来ないじゃんあんなの!!」


 どうやってあの高さへ行けと言うのだろう。

私は転移を使えるけど、これはあくまで神の力だ。

勇者はおろか、使徒だって転移は使えない。

使えたら双六が成立しない。当然だ。


 ゲームの参加者達には攻撃手段が存在しないはずなのだ。

先程三つの首を落とした何者かも、今は攻撃していない。

出来ないのかしていないのかはわからないけど、少なくともあの三つの首には近づいていないようだ。



「これはゲームです!

 ならば届く範囲に攻略のヒントがあるはずです!」


 確かに!

要はギミックボスってわけね!


 問題は攻略方法を探すには、溢れんばかりの眷属達を相手にしながらフィールド内を探索しなければならないという所だ。


 無理じゃん……。


 だって本当に溢れそうなんだよ!

上空から見たら完全にグロ画像系のなにかだよ!

家ほどもある巨大なヘビが上空から滝のように降り注いでるんだよ!

こんなの探しようが無いって!



「先ずはお姉ちゃんかルネルを探しましょう。

 一緒に上空に行ってもらうわ。

 直接あの首を落とした方が早いはずよ!」


 もしギミック攻略が必須なら、条件を満たさずに攻撃してもダメージが通らないかもだけど……。



「任せます!

 何にせよ、この状況で悩んでいる余裕はありません!」


 同感!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ