36-51.下位チーム集結
「レヴィ!いこ!」
「嫌だよ!絶対嫌!
魔神って絶対怖いやつだよ!」
「ママたちいる!きっと!」
「大丈夫だから!
ママの事は放っておこうよ!」
「ダメ!いく!」
「いーやーだぁー!!」
『ほらほら、喧嘩はダメよ。二人とも』
「助けて!お母さん!」
「おかーさん!じゃまダメ!」
『シクシク。ルビィにそんな事言われちゃうなんて。
お母さん悲しいわ』
「あ!ごめなさい!」
『ふふ。大丈夫よ、ルビィ。
でもごめんね。
ルビィのママは魔神の方には向かってないの。
レヴィのママも魔神の下へは辿り着けないかも』
「え~!」
「ママ、どうしたの?
危ないの?」
『違うわ、レヴィ。
そういう意味じゃなくてね。
ちょっと旅が上手くいっていないだけなの』
「たすけ!いく!レヴィママ!」
「う~……」
『まあそうね。
レヴィとルビィが行ってあげたら、セフィ姉もきっと助かるでしょうね。
けれどセレネの方は良いの?
セレネに会いたければ……いえ、今はちょっと会わせられないのだけども』
「?」
『ごめんね。
セレネも色々取り込み中でね』
「それってまさか、ルビィのこと放って他の女の子にちょっかいかけてるって事?」
『……よくわかったわね。レヴィ』
「もう!ママのバカ!」
『あらら。ルビィも意味はわかるのね』
「ママよんで!いますぐ!」
『ここに?
それは可愛そうよ。
たまにはママの好きにさせてあげましょう』
「いや!
さみし!なのに!」
「そうだよ。お母さん。
最近はセレネママ昼間いないんだから。
こんな時くらいルビィと遊んであげても良いじゃん」
『それはまあ、確かに。
ならセレネに聞いてみるわ。
ルビィが恋しがってると知ったら、きっと来てくれるわ。
だからどうか、怒らないであげてね。
約束出来る?』
「うん!やくそく!」
『なら良いわ。
少し待っていてね』
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『という事なんだけど』
「まったく。どうせアルカが余計な事言ったからでしょ。
次のゲームで目一杯遊んであげるつもりだったのに」
『とか言いつつ、そろそろ気になってたんでしょ?
何日も可愛い愛娘に会えなければそうもなるわよね』
「当然よ。
行くのは構わないけど、どうするつもり?
私もラピスも人魚なのよ?」
「これラピスも行く流れなのね……別に良いけど……」
『取り敢えずセレネとラピスには聖獣化と人化を授けるわ。
順番は前後しちゃうけど、ルビィを使徒に任命して二人にはルビィと契約してもらう。
セフィ姉が吸血鬼だから、そっちとも合流したらフィリアスに変えてしまうと良いわ。
それで足りないレベルもどうにかなるでしょ。
急造だけど、十分な戦力を持ったチームを組めるはずよ』
「何勝手に話進めてるのよ。
魔神戦に向かうとまでは言ってないわ」
『でもセフィ姉とレヴィだって、会いたがっているんじゃないかしら?』
「まったく。
とんだ迷惑神ね。
いくら何でも手を出しすぎじゃないかしら?」
『本当は私も避けたいんだけどね。
今のルビィ放って置くと、レヴィが可愛そうだから。
ルビィ、いつの間にあんな強引になったの?
セレネの教育の賜物?』
「アルカだって普段一緒に過ごしているはずじゃない」
『まあそうなんだけど。
姫様体験の影響かしら?』
「知らないわよ。
私の娘にあまり妙な事教え込まないでよ」
『ルビィは私の娘でもあるわ』
「おかーさんとママ、どっちの方が距離が近いかしらね?」
『そんな事言ってられるのも今の内だけよ。
今は私の方が長い時間一緒にいられるんだから』
「誰のせいで小さな娘放って働いてると思ってんのよ!!」
『ごめん……失言でした……』
「まったく」
「あるじ、そういう所どうかと思う。
もっと言葉に気を付けて。
こうしてセレネの楽園が終わってしまうのも、あるじの言葉が原因なんでしょ?」
『はい……すみません……』
「ラピスも惜しいと思ってくれているのね。
アルカ、三時間で支度を済ませるわ。
それからまた迎えに来なさい」
『長すぎよ!
三時間もラピスに何するつもりよ!?』
「色々とあるのよ。
例え仮初の存在だからって、何のお別れもせずにハーレムを放り出したりは出来ないわ」
『つまりラピスだけでなく、全員集めて乱◯パーティーを済ませてから愛娘に会いに行くと?
ルビィにも伝えておくわね。
ママはお楽しみ中だから、もう三時間待っててねって』
「……三十分で支度するわ」
『ラピスだけならそれで十分と?』
「もう!
いい加減にして!二人とも!
ほらセレネ!お別れしに行くんでしょ!
さっさと行くわよ!
あるじ!不安ならずっと見てれば良いでしょ!
だから少し黙ってて!」
「『はい』」




