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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-46.勇者

「勇者の噂なら聞いた事あるよ!」


 エリスちゃんから有力な情報を得る事が出来ました。

どうやらこのダンジョンを訪れた、えぬぴーしー?冒険者達が噂をしていたそうです。


 ダンジョンマスターはダンジョン内のあらゆる情報を収集する事が出来るようです。


 今更ですが、エリスちゃんはあくまでダンジョンボスとして生まれたのではなかったのでしょうか。

ダンジョンボスがコアを掌握する事など、現実に起こり得る事なのでしょうか。



『そっちはあるわよ。

 私達がダンジョンコアを回収してる理由もそこにあるの。

 特殊なダンジョンボスが生まれると、逆にコアを掌握しちゃうからね。

 そんなのが解き放たれたら、国なんて簡単に滅びてしまうわ。

 そういう脅威の芽を事前に摘むのも私達の活動の内なの』


 アルカ様は世界の守護者なのですね!



『うん。まあそんなとこ』


 何か歯切れが悪いのですわ。

やましいことでもあるのでしょうか。



『あはは~♪

 気にしないで~』


 まあ良いです。

アルカ様が真っ当なお仕事をされているのだと知れて安心致しました。

強大な力を持つにも関わらず、世の安寧になど目もくれずに趣味の少女集めに奔走されているのかと疑いかけていたところでした。



『うぐっ……』


 アルカ様?



「ルイザ?

 どうしたの?

 最近ボーっとしてる事多いけど、どこか調子悪い?」


「きゅいっ!」


 私はくるりと回ってから、アリア様の肩に飛び乗ります。



「あはは!

 何もう!急に!」


 良かったです。

どうやら安心して下さったようです。



「きゅい!」


「はいはい♪

 元気なのはわかったわ」


 嬉しそうに頬を寄せて下さるアリア様。

ふふ。これぞまさに至福の一時。



「姉ちゃん達、イチャイチャするなら他所でしてね」


「エリスもどう?

 たまにはアルカも見逃してくれるかもよ?」


「ダメだよ!

 私はアルカ様のだもん!」


「きゅいっ!?」


 驚きました!

アルカ様の周りにも、まともな感性の持ち主がいらしたのですね!?



『失敬な!

 エリスは良い子なのよ!天使なのよ!

 私やアリアと一緒にしてはダメよ!』


 ご自分で仰らないで下さいませ!!



『何他人事みたいに言ってるのよ?

 ルイザちゃんはこっち側よ?

 アリアだけでなく、私にも興味があるんでしょ?』


 なっ!?



『あ、またやっちゃった?』


 違うのですわ!

私はただ!……そう!ただアルカ様の偉大なお力に魅了されているだけなのですわ!



『それはそれでどうなの?』


 うるさいのですわ!

そういう事にしておくのですわ!!



「ルイザ?

 何を興奮してるの?」


「ルイザさん発情期?」


「きゅっきゅい!!

 (そんなものありませんわ!!)」


「ま、いっか。

 そろそろお暇するわ。

 エリスも頑張ってね♪」


「きゅきゅきゅきゅ!きゅっきゅ!

 (良くないのですわ!誤解なのですわ!)」


「うん!

 ありがとう!アリア姉ちゃん!

 とっても楽しかった!」


「こちらこそ!

 お陰でレベルも十分よ!

 あとは勇者達と合流するだけね!」


「頑張ってね!姉ちゃん!」


 いえ~いとハイタッチを交わすアリア様とエリスちゃん。

最早私の事などお構い無しです。

本気で発情したなどと思われているのでしょうか……。



『どんまい♪』


 アルカ様のせいなのですわ!!



『ごめんて』


 まったくもう!ですわ!




 エリスちゃんとお別れした私達は、再びダイスを振って町を目指し始めました。



「良かった。

 まっすぐ噂の町に向かってるみたい。

 勇者がダイス放棄してたらどうしようかと思ったわ」


 これまでにお会いしたエルヴィ様とエリスちゃんのお二人は、一度もダイスを振った事が無いご様子でした。

同じように勇者もダイスに興味を示していない可能性もあったのです。

その場合、勇者を見つけるのは難しかった事でしょう。


 今のところ聖女の噂は聞きませんが、そちらはどうなのでしょう。

既にゲームを放棄されている可能性もあります。

無事にお会い出来ると良いのですが。


 それから暫く歩いて、ようやく勇者がいると噂の町に到着致しました。

今回は随分と大きな町のようです。



「取り敢えずギルドに行ってみようか。

 冒険者達が噂してたって事は、ギルドでなら情報も集まるだろうし」


「きゅい!」


 勇者の場合もいくつかのルート分岐が存在するそうです。


 今回は冒険者ルートなのでしょうか。

王様ルートでも噂は広まるそうなので、今の段階で判断する事は出来ません。



「勇者の情報?

 あの人なら、いつもここへ顔を出してるぜ!

 そろそろ来る時間だぜ!」


 アリア様が話しかけた厳つい殿方は、見た目に反して気さくな方だったようです。

あっさりと勇者に繋がる情報を得る事が出来ました。



「少し待ってようか」


「きゅい」


 私はアリア様の呟きに小さく返事をします。

相変わらずドラゴンのままなので、町の中では隠れていなければなりません。



「来たぜ!勇者様だ!」


「今日はどんな大物仕留めて来たんだ!」


「このままじゃ勇者様に狩り尽くされちまうぜ!」


 ワイワイと騒ぎながら勇者を出迎える冒険者達。

あっという間に人の壁となり、ギルドに入ってきたはずの勇者の姿が見えなくなってしまいました。


 なんなんでしょうこの感じ。

勇者ってそういう存在なのですか?

おとぎ話では魔王を打ち倒す者としか聞かされていなかったのですが。


 アリア様は冒険者達の壁をかき分けて、どうにか勇者の下へと近づきます。



「ニクス!?」


「アリア!!!」


 勇者?のニクス様は、アリア様を見つけると心底ホッとしたように飛びつきました。



「うぇぇええええん!!怖かったよぉおお!」


 アリア様の胸に縋り付いて大泣きするニクス様。

もはや周囲の視線もお構いなしです。



「えぇ!?

 どうしたの!?」


 アリア様は戸惑いつつも、ニクス様を抱きしめてギルドから脱出しました。


 ですがギルドの外にも人だかりが出来ています。

先程私達がこの道を通った時とはまるで違います。

私達は人混みをかき分けて、どうにかこうにか抜け出し、そのまま街の外まで駆け抜けました。


 町から離れて落ち着けるところまで来た私達は、泣き止んだニクス様に事情を聞いてみる事にしました。



「一体何があったの?」


「ぐすっ……わかんない……。

 依頼終わらせて帰ってきたらああなってたの……」


『あーあーニクス~おひさ~』


「アルカ!あれなんなの!

 急に囲まれて怖かったんだけど!!」


『ごほん。

 えっと、その、ごめんね?

 なんか勇者の能力が暴走しちゃったの。

 今回は人心掌握の数値が上限突破してるみたいでね。

 シーちゃんが調査してくれてるんだけど、このゲームの設定以外の何かが働いてるっぽいのよ。

 まあつまり、あれよ。

 ニクスの力は私達では抑えきれなかったの。

 だからその一部が漏れ出してるみたい』


「そんなぁ!」


『いや~。

 ちょっと前からマズイかなぁ~とは思ってたんだけどね。

 あはは~ニクスが楽しそうに勇者やってる姿見てたら言い出せなかった♪』


「もう辞める!

 勇者なんて辞めるから!!」


「それは困るわ!

 ルイザを聖獣化させてほしいの!」


「ならアリアと交代!

 アリアに勇者譲る!」


「えぇ~!?」


『アリア、悪いけどお願いしていい?

 折角ニクスが無邪気に遊んでくれてるから、私としてももう少し眺めていたいなぁ~って思うんだけど』


「う~ん。

 別に良いけど……なら代わりに情報教えて!

 聖女は何処にいるの?」


『えっと、ごめん。

 聖女も脱落しちゃってるの。

 最初は何だかんだ付き合ってくれてたんだけどね。

 何か機嫌悪くなってきたからハルカのところに転送しちゃった』


「まさかイロハだったの!?」


『うん』


「それ、またトラウマ踏んだんじゃないの?」


『かもしれない。

 けどイロハは何も教えてくれないから』


「そうよね……」


 何故でしょう。

しんみりされています。

イロハ様は確かアルカ様の側近のお一人だとか。

羨ま、げふんごほん。失礼。

イロハ様も過去に何かを抱えていらっしゃるのでしょうか。



「勇者だけでも聖獣化出来るのよね?」


『ええ。問題ないわ。

 少し時間はかかるけど』


「なんなら私がやろうか?

 私ならチョチョイのちょいだと思うけど」


『ダメよ。

 ニクスが自らの意思で手を出すと、下手をすれば現実の肉体にも影響を与えかねないわ』


「それもそうだね。

 ならせめて、私も仲間として協力するよ」


「やったわ!

 ついに始めての仲間よ!」


「きゅい!」


『取り敢えず教会に来て。

 そこで転職させるから』


「え!?

 ここで出来ないの!?」


『無理なの。ごめんね、ニクス』


「うぅぅ……仕方ない。

 もう一度町の中を突っ切るしかないか……」


「大丈夫!

 私達が守ってみせるわ!」


「きゅい!」

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