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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-41.脱落

『ハルカは出発しないの?』


「う~ん。もうちょっと~」


 ドワーフとして転生したハルカは、外の世界に旅立つ事もなくNPCドワーフに師事して、ひたすら鍛冶師修行に明け暮れていた。


 この世界のドワーフ達の技術は、ヘスティの記憶から抜き出した情報を元に構築されている。


 ヘスティは王族だったにも関わらず、その分野の技術も高いレベルで修めていたようだ。


 凝り性で修行マニアのハルカなら、へパス爺さんすら上回る凄腕鍛冶師も夢ではないのかもしれない。

まあ流石に一週間では無理があるだろうけど。

今回のゲームが終わった後もドワーフで入り直しそうね。


 今度へパス爺さんにもお願いしてみよう。

ハルカを弟子入りさせてくれるかもしれない。


 何ならいっそ爺さんも近所に呼んじゃおうかな。

ルネル達みたいに別で家建てて。

立派な鍛冶場も用意しちゃろう。


 うちは基本男子禁制だけど、爺さんならまあ良いでしょ。

普通に爺さんの方が嫌がりそうだけど。

うちに来たら武器職人辞めて指輪職人に専念しなきゃかもだし。



『チーちゃん飽きてるよ?』


「う~ん」


 ダメだ。生返事しか返ってこない。



「問題ない」

「妹の望み」

「喜んで付き合う」


 チーちゃんはチーちゃんで、お姉ちゃん気分を楽しんでいたようだ。

何やら微笑ましそうにハルカを眺めている。

そうしてたまにハルカの世話を焼く程度でも十分らしい。


 ならまあ、いっか。

この二人はドワーフの国から出ること無く一週間過ごす事になりそうだ。


 ドワーフに転生したのは、ハルカとチハルの二人だけだ。

ここは放っておいて、他の様子を見てみる事にしよう。




----------------------




「エルフの魔法。興味深い」


「良い修行場なのデス!

 後でエリスにも教えるのデス!」


 エルフの国は、ルカとイリスだ。

この二人も、全然国を出る様子が無い。




----------------------




『『『セレネ~♪』』』


 いつの間にか人魚のセレネハーレムが出来上がっていた。

ぎるてぃ。



『ふふ。ふふふ。良い!良いわ!この世界!

 何の憂いなくチヤホヤされるだけ!

 しかも可愛い子ばかりじゃない!』


『ルビィは良いの?』


 セレネと同じく人魚に転生したラピスが見かねて問いかけた。



『問題ないわ。

 ルビィはしっかりしているもの。

 このゲームの事だってちゃんと理解して楽しめるはずよ』


 流石お母さん。よくわかってらっしゃる。

ルビィなら、とある国の姫に転生して好き放題やってるわ。



『後できっとノアに叱られるわよ?』


 ラピスはめげずに言葉を続けた。

これまで何度も窘めているものの、セレネは何処吹く風だ。


 けど、今回ばかりは違ったようだ。



『良いのよ!後で叱られたって!

 どうせ今すぐ止めにくるわけじゃないんだから!

 たまには羽目外してストレス発散したって良いじゃない!

 こちとら色々溜まってんのよ!

 そもそも聖女なんて柄じゃないの!

 というか何が聖女よ!

 毎日毎日おっさんどものご機嫌伺いばっかりじゃない!

 もうとっくに魔王なんて滅びてんのよ!

 教会のマスコット以外の意味なんて何もないの!

 しかもこちとら成長止まってんのに目がいやらしいのよ!

 どいつもこいつもロリコンばっかりじゃない!

 もっと自分達の仕事しなさいよ!

 毎日通ってんじゃないわよ!どんだけ暇なのよ!

 唯でさえ国取りで忙しいってのに!』



 セレネ……そんなに……。


 ごめんね、セレネ。

ノアちゃんに告げ口しようなんて考えて。


 今回だけ見逃してあげる……のはちょっと無理だから、後で私からお説教する事にしましょう。


 ノアちゃんに言いつけるのは可哀想だからね。うん。

情状酌量の余地はあると認めるわ。


 けどまあ、セレネは私の一番だからね。

示しはつけないとね。



『……悪かったわ』


『……いえ。私の方こそごめんなさい。

 ラピスもこっちへいらっしゃい。

 どうせゲームなんだから、好きに楽しみましょう』


『……うん』


 遂にラピスも毒牙にかけるの?

まあ、ラピスなら別に良いけど。

むしろNPC達よりずっと良いわ。

私はハーレム内恋愛には寛容だからね。

それ以外には厳しくあたらせてもらうけど。




----------------------




 これゲームの完成度が高すぎるが故の弊害が出てるわね。

スタート地点の環境が整いすぎていると、わざわざ外の世界に旅立つまでもないのだ。



「目標が漠然としすぎている事にも問題があったようです」


「そうね。

 何でもありだと、逆に何もしないのもありだもんね」


「逆にタイムアタックのような事をしている者もいるようです」


「お姉ちゃんの事ね。

 お姉ちゃんは兎獣人だから、基礎的な戦闘能力はそんなに高くないはずなんだけど」


 だからこそとも言えるわね。

魔力や覚視みたいに外的な干渉で規制出来る能力はともかく、お姉ちゃんの体術はそのまんまなわけだし。


 元々魔力や神力を無力化して戦うお姉ちゃんの戦闘スタイルと、人間よりは高い身体能力や感知能力を持つ兎獣人の能力は相性が良いのだろう。


 あっという間に最初のボスを倒して集落の外に飛び出してしまった。

しかも、既に二体目のボスも目前だ。


 他にレヴィとクルルも兎獣人に転生したけど、二人はまだ最初のエリアのままだ。


 獣人の集落はエルフやドワーフ、人魚達とは違って複数存在するので、この三人は別々のスタート地点になっている。

とはいえ、それぞれに大差は無いはずだ。

最初から出る気の無いレヴィはともかく、クルルはそろそろ最初のボス戦に挑んでいてもおかしくはないんだけど……。



「もう!

 また一じゃん!!

 こんなんじゃ全然進めないよ!!」


 クルルはルイザちゃんとは真逆で運が悪いようだ。



「ダイスの出目に作用するお助けアイテムとか無いの?」


「ありますよ。

 勿論妨害アイテムも存在します。

 これらはツムギの提案です」


 そう言えばマ◯パだけじゃなくて、◯鉄もやり込んだって言ってたわね。



「あんまり変なのはダメよ?

 喧嘩になったら嫌よ?」


「妨害系は現在ロックされています。

 難易度に合わせて解禁されます」


 なるへそ。

イージーモード中は心配ないのか。

今日はルイザちゃんの接待も目的の内だからね。

不快にさせるようなやつは禁止しておこう。



「取り敢えずクルルにお助けアイテムを渡しましょう。

 流石に少し可愛そうになってきたし。

 それにいい実験にもなりそうだわ。

 ゲームバランスを崩さない程度に試してみましょう」


「イエス、マスター」


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