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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-38.無理ゲー

今回もルイザ視点のお話です。




「あ~!もう!

 どうしろってのよ!

 いったい幾つレベル上げたら成体竜なんて倒せるの!?

 こんなの無理ゲーじゃない!」


「きゅぅ……」


 アリア様は荒れていらっしゃいます。

無理もありません。

このままでは私達、この森から出る事が出来ないのです。


 いえ、もしかしたら方法はあるのかもしれません。

必ずしも光の道を辿る必要は無いのですから。

既に森の出口近くまでは辿り着いているのです。

後は広場を迂回すれば問題無いはずです。


 ただし一度でも道を外れれば、ダイスの恩恵を受けることはできなくなるそうです。


 許されているのは引き返す事だけ。

それも道が残っている分だけなのです。


 つまり、今の私達が行動出来るのは先程のダイスが示した六マス分のみ。


 いくらマスが大きいとは言え、これでは中々厳しいものがあります。

生きていくには必要なものが沢山あるのです。


 かと言って、ダイスの恩恵を手放すのはやはり尚早です。

森を出る事が出来ても、町に辿り着くのは難しくなります。

せめて、町でこの世界の地図くらいは手に入れてからにするべきです。


 そもそも、森の外までお母様ドラゴンが追ってこないという保証もありません。

これがゲームである以上、正攻法で突破する方法があるはずです。

少なくとも、アリア様はそのようにお考えのご様子です。



「私だけ外に出て助けを呼びに?

 いえ、そんなの無茶に決まってるわ。

 この世界どんだけ広いと思ってんのよ。

 出会って戻ってなんてやってたら、時間切れになるわ。

 だからって、レベルを上げてどうにかなるものでも……。

 と言うかこの辺りの魔物だけじゃ制限時間内に必要なレベルに達するかも怪しいわ……」


 アリア様は先程から行ったり来たりを繰り返しながら、ブツブツと何やら呟いていらっしゃいます。


 アリア様は討伐する方法をお探しのようです。

ですが、問題はどうやってお母様ドラゴンの目を逸らすかではないでしょうか。


 もしくは交渉するという手もあります。

私がお話すれば、わかって頂けるのではないでしょうか。

あのドラゴンさんは私のお母様なのです。

可能性はありそうな気がします。


 交渉が失敗に終わっても、私一人ならプチッとされてしまう事も無いでしょう。

きっとおそらく。たぶん大丈夫です。


 ここは私一人で向かうべきです。

どのようにその事をお伝えしたら良いのでしょう。

今なら文字でも書けるのでしょうか。

いえ、ダメそうですね。これは……。

もしかしたら、ゲームの制約でもあるのかもしれません。


 絵ならかろうじて?

これで伝わるでしょうか。


 私は前足の爪を使ってせっせと地面にドラゴンを描いていきます。



「ルイザ?」


「きゅい!」


 私の描いた二匹のドラゴンを見たアリア様は、渋い顔をされてしまいました。



「えっと?鳥?

 お腹すいたの?」


「きゅっうう!!」


 首を横に振って抗議致します。

まったく!アリア様ったら!

私を何だと思われているのでしょうか!

ぷんぷんです!



「う~ん?」


 どうやら私に絵心は無かったようです。残念です。



「きゅ!」


 私はアリア様とは直角に向き直って、虚空に言葉を投げかけます。



「きゅ~?」


 それからすかさず正面に移動して振り返り、同じように言葉を放ちます。

今度は心持ち、声を低めにしてみました。


 今度は再び移動して振り返り、同じことを何度も繰り返していきます。



「もしかして、ルイザが話してみるの?

 お母さんドラゴンと?」


「きゅい!」


 私は頷いて同意を示します。

流石はアリア様です!

私の意思を正しく汲み取ってくださいました!



「それは……いけるかもだけど……でもなぁ……」


「きゅぃ?」


「ルイザ一人で立ち向かわせたりしないわ!

 決めた!私も一緒に行く!

 一緒に言って謝ってみる!

 それから娘さんを下さいってお願いしてみる!」


「きゅー!きゅきゅっ!?きゅー!

 (きゃー!それはもしや!?きゃー!)」


「そうと決まれば早速行くわよ!」


 私を抱えて再びお母様ドラゴンの下へ駆け出すアリア様。

流石はアリア様。即断即決です。

ですが、本当に大丈夫なのでしょうか。

やはり私が一人で行くべきな気がします。


 この世界で死んでしまったらどうなるのでしょう。

夢から覚めるだけで済むのでしょうか。


 そう恐ろしい事にはならないと思いますが、それでもやはり不安は湧いてきます。


 アルカ様。

アルカ様がこの世界の神だと言うのなら、どうか無事に乗り越えられるよう見守っていて下さいませ。

私はこれよりアルカ様への信仰に身を捧げたく思います。

ですからどうか、アリア様にお力を。



『あはは~信仰は困るな~。

 アリアならきっと大丈夫よ。

 どうせなら私じゃなくてアリアを信じてあげてね♪』


「きゅっ!?」


「ルイザ?

 どうかしたの?」


『アリアには内緒にしてね♪』


「きゅ~」


「大丈夫?

 何だか顔が赤くない?

 ドラゴンだから分かりづらいけど」


 アルカ様酷いです!

まさか心の中まで覗いてしまわれるなんて!



『ごめんごめん。

 もうしないから』


 私、変な事を考えていなかったでしょうか……。


『大丈夫!

 ルイザちゃんのお父様の目論見なんてとっくにお見通しだから!』


 それは……安心してよろしいのでしょうか……というか!

やめていないのですわ!アルカ様は酷いお方なのですわ!


『ごめんなさい。

 もうこれでお終い。

 後はもう覗かないから。

 じゃ~ね!ルイザちゃん!』


 折角ですからこのまま相談に乗って頂くべきでしたでしょうか。

お母様ドラゴンとの和解方法など、聞いてみるべきだったのかもしれません。


『それは自分達で考えた方が楽しいんじゃない?』


 アルカ様?


『ごめんて』

今回は

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