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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-37.想定外

今回もルイザ視点のお話です。





「ルイザ!とどめ!!」


「きゅぃっ!!」


 私の体当たりで、大きなボアが吹き飛びました。


 ドラゴンは体が小さくとも強力です。

最初はそう、思っていました。


 残念ながら、そう都合良くはいかないようです。

私一人ではボア一体相手でも、手も足も出ませんでした。


 今のはアリア様が十分に弱らせた上で、最後の一撃を放ったに過ぎません。


 アリア様は凄いのです。

敵がどれだけ弱っているのか、正確に見抜いて下さいます。

最適なタイミングで、私に攻撃の指示を下さるのです。


 しかも、私では到底敵わない敵を相手にしながらそれをやってのけるのです。


 アリア様曰く、猫獣人は本能的に弱った相手を見極められるとかなんとか。

それも、げーむの設定というものなのでしょうか。

不思議です。



「ボスまでもうすぐだよ!

 まだルイザのレベルは足りてないけど、この調子なら私が倒しちゃっても大丈夫そうね!」


 アリア様は相変わらず楽しそうです。

かくいう私も、正直楽しくてたまりません。


 アリア様との冒険然り、魔物達をバッタバッタと倒していく爽快感然り。

これがげーむの醍醐味というものなのでしょうか。

アリア様がそのような事を仰っていました。


 それからまた暫く歩いていくと、光の線が途切れる場所まで到着致しました。


 これはもう一度ダイスを振る合図です。

ダイスを振ることで行くべき道を指し示してくれるのです。


 お陰で深い森の中でも迷うことはありません。

森の出口ももう少しです。

ボスとはどのような魔物なのでしょう。

なんだかワクワクしてまいりました。



「ここで六を出せばきっと出口だよ!

 頑張って!ルイザ!」


「きゅい!」


 アリア様の声援を受けながら、私はダイスを放ちます。


 この作業にも随分と慣れてきました。

アリア様曰く、器用度のぱらめーたが上がった影響もあるとの事でした。

どうやら魔物を倒していく事で、体の動かしやすさが増していくようです。

不思議です。



「さっすがルイザね!

 ここまで殆ど五か六じゃない!

 これなら一番もありえるかもね!」


 大喜びで私を抱き上げて、その場でくるくると周り出すアリア様。



「きゅっ!」


 私もそんなアリア様を見て笑みが溢れてきます。

私は今、上手く笑えているのでしょうか?

次に湖を見かけた時は、自分の笑顔を確認してみたいと思います。

ドラゴンの笑顔なんて、そう簡単には見れないのではないでしょうか。

気になります。



 再び私を抱えて歩き出したアリア様。

道中の魔物達を倒しながら進み続けると、遂に森の出口が見えてきました。



「あれ?

 おかしいなぁ。

 確かここに、ボスベアが居るはずなんだけど……」


 アリア様が周囲をキョロキョロと見回します。

この森のボスは、ベア系の魔物だったようです。


 ですが、そこに魔物の姿は見当たりません。

あるのは、ただ広い空間のみです。

未だ森の中だと言うのに、そこだけ不自然に木々の存在しない広場となっているようです。


 近くに人間の町でもあるのでしょうか。


 は!

今になって思い至りました!

私はこのまま町に入る事が出来るのでしょうか!

人間達に見つかっては、討伐されてしまうのでしょうか!

アリア様!どうかお守り下さいませ!



「ルイザ?

 ふふ。大丈夫よ。怯えなくても。

 ボスが居ないのは不思議だけど、このまま突っ切ってしまいましょう。

 森さえ出れば、近くに強い魔物も居ないはずよ。

 さぁ!もう一度ダイスを……!?」


 話を途中で打ち切って、私を抱えたまま茂みの中へ飛び込むアリア様。



「ギィァアアアアアア!!!」


 その直後、広場に空より巨大な影が降り立ちました。

何やら大きな声を放っておいでです。

まさに怒り心頭と言ったところでしょうか。



「ドラゴン!?

 なんで!?

 こんなの私知らないよ!?」


 アリア様は大層困惑されているようです。

このげーむの製作にはアリア様も携わられたというお話でしたので、想定外の事象など起こらないと考えていたご様子です。



「きゅきゅ?」


「不味いわ!ルイザ!

 あんなの今の私達では勝てっこないわ!

 きっとシイナのせいね!

 ほんと!意地悪なんだから!」


『ハロ~♪

 アリア~♪

 ルイザちゃ~ん♪』


 突如脳内に響いたお声。

間違い有りません!このお声は!



「アルカ!?」


「きゅるる!!」


『え~、折角なので今回だけ特別サービスで~す♪

 ちょっとだけ状況を説明しちゃいま~す♪』


 どうやらアルカ様も大層浮かれていらっしゃるご様子。

私達の事を何処からか見ていらしたようです。



「アルカ!

 あなたまさか神なの!?」


『そうよ~♪

 ふっふっふ!

 ここは神様らしく、迷える子羊達に道を示してあげないとね♪』


 神様?

それもげーむの設定というやつなのでしょうか。

まさか本当に神様になられたというわけでもないですよね?



『今のこの状況はね。

 アリアが介入した事でストーリーに変化が生じたの。

 本来ならドラゴンの子供が巣立つだけだったんだけどね。

 アリアがドラゴンの子供、盗っちゃったから。

 お母さん大激怒♪

 盗人から我が子を取り戻そうと追っかけて来たってわけ♪

 さあ!アリア!ルイザちゃん!

 このピンチをどう切り抜けるのかしら!

 二人の活躍には注目しているわ!

 以上!神様チャンネルでお届けしました~!

 次回の放送をお楽しみに!アデュ~♪』


「待って!

 それじゃ何もわかんないって!

 倒し方教えてよ!」


 アリア様は思わず大声を放ちます。



「ギュゥァァアアアア!!!!!」


 アリア様の声に気付いたドラゴンが、私達の潜む茂みへと視線を向けてきました。



「あっ!やっば!!

 撤退よ!ルイザ!

 今は逃げるしかないわ!」


 私を抱えて駆け出すアリア様。

どうやらドラゴンはついてこないようです。

ある程度開けた場所でなければ、入ってこれないのでしょうか。


 それ程までに、あのドラゴンの体は巨大なものでした。

私も成長したら、あのようになるのでしょうか。

その可能性は高そうです。

アルカ様のお言葉によれば、あのドラゴンは私のお母様との事ですから。


 私、お母様を倒さねばならないのでしょうか……。

何だか悲しいお話になってしまいそうです……。

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