表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1019/1424

36-35.神様体験

 Interspecies Life Simulator。

通称、ILiSアイリス


 異種間人生シミュレーターと名付けられたそのゲームは、ヘルメット型の端末を頭に被る事で、五感全てを使って仮想の現実を体験する事が出来る。


 シミュレーターなのかゲームなのかいまいちハッキリしていないけど、そこはまあ、御愛嬌だ。


 そもそも、納期一週間未満の突貫工事で生み出されたものなのだ。

流石のシーちゃんでも、何もかも完璧に仕上げるのは無理があるだろう。

今回はベータ版的なやつでもありそうだ。



「傷つきました。

 マスターは私の能力をお疑いなのですね」


「そんなわけないじゃない。

 そもそも現状でも驚きの完成度だわ。

 シーちゃんがどれだけ頑張ってくれたのかなんて、私にわからないわけがないでしょ?」


「何やらご不満があるように見受けられるのですが?」


「不満というか、驚いたというか、むしろ驚かなかったというか」


「ハッキリ仰って下さい」


「何で私、ニクスなの?」


 神様体験はあかんのでは?

色んな意味で。


 神化を回避しようとしているのに、自分から神様体験しちゃってたら不味くないだろうか。

今更っちゃあ、今更だけど。


 そして、感覚的に普段とあまり違いが無い。

これもこれで、不味くはないだろうか。

折角のゲームを楽しめないとかじゃなくて、今の私の状況がどうなっているのかを自覚しちゃう的な意味で。

想像以上に神に近づいていたのかもしれない。



「ランダム設定を取り入れたアリアと、一発で引き当てたマスターご自身を恨んで下さい」


「シーちゃん、なんか機嫌悪い?

 ごめんね。文句を言いたかったわけじゃないの」


「……いえ。失礼しました。

 申し訳ございません。

 その可能性を残したのは意図的なのです。

 我欲を抑えきれなかったのです」


「えっと?」


「どうかこのゲームの最中は、私の手足となって働いて頂きたいのです」


「ああ。

 つまりシーちゃんは私と遊びたかったのね♪

 そういう事ならもちろん大歓迎よ!

 このゲーム中の私はシーちゃんのマスターじゃなくて、ゲームマスターのお手伝いさんをロールすれば良いのね♪」


「はい!嬉しいです!

 ありがとうございます!マスター!」


「ふふ。

 頑張りましょう、ゲームマスター♪」




 神云々もどうせ今はゲームの中の事だし、気にしすぎる必要も無いだろう。

そもそも再現された神の感覚だって、私の情報も参考にしてるかもだ。

違和感の無さは、そこに起因するのかもしれない。


 逆に違う部分を探してみるのも良いかも。

まだ普段の私が持っていない感覚を自覚する事で、神と半神の違いを明確に出来るかも。

それはそれで役立ちそうだ。




 さてさて~♪

皆は何処で何をしてるのかな~♪


 やっぱり最初に気になるのは、ノアちゃんとセレネよね♪

今回はアリアとルイザちゃんを気にするべきな気もするけど、先ずはノアちゃん達がどんな姿になっているのか見てみましょう♪


 ふふふ♪

このゲームの神様も悪くないわね♪

まさに高みの見物ってやつだ。

多分本来のニクスの役目とは全然違うんだろうけど、そこはまあ、ゲームだからね。

たっぷり楽しませてもらいましょう♪




----------------------




「ここは……ダンジョンの最奥でしょうか。

 つまり私は吸血鬼になったのですね。

 ルチアは……いないようですね。

 完全に一人きりのようです。

 少し懐かしい感覚ですね」


 ノアちゃんったら独り言多いわね。

実は早速寂しくなっちゃってるのかしら。


 気持ちはわかるわ。

私も今はハルちゃんすら側に居ないみたいだし。


 別に融合が解けたわけではないのだけど、私と側近達は別々にダイブしたようだ。


 どうやったらそんな事が出来るのかわからないけど、とにかくシーちゃんは凄いって事で。



「なんでしょう。

 どこからか視線を感じます。

 シイナでしょうか。

 いえ、この感覚はアルカですね」


 何でバレたの!?




----------------------




「驚きました。

 この世界では条件を満たさねば覚視は使えないのですが……」


 事前に説明があった事だ。

現実世界で各自が使える能力をそのまま持ち込んでしまえると、いくら何でも参加者同士で差が開きすぎてしまうのだ。


 ゲーム性は二の次とは言え、それでは楽しめない子達も出てくることだろう。


 そもそも、元の力が強すぎては現実と大差無くなってしまうのだ。


 そんなこんなで、このゲーム中は様々な技術や能力が制限されている。

ノアちゃんの覚視もそうだし、レーネの人魚としての念話なんかもそうだ。


 逆に各種族ごとに再現された力を使う事はできる。


 吸血鬼となったノアちゃんの場合は、霧化と吸血くらいかしら。


 まあ、まだレベル一だからね。

その辺は追々覚えて行くのだろう。

何れは覚視だけでなく、同化とかもできるのかも。

面白そうね。私も後で、吸血鬼やってみようかしら。



「何にせよ流石ノアちゃんね♪」


「ですが、これ以上覗くのは止めておきましょう。

 ノアも楽しみづらくなってしまうかもしれません」


 そうね。

折角誰も見ていないのだし、色々試してみたいわよね。


 名残惜しいけど、次行きましょう。

何せ私達以外のプレイヤーが二十八人も、いや商会組がこのゲームには参加していないから今はまだ二十三人か。

とにかくいっぱいいるのだ。

サクサク行かないと、全員見きれないからね。




----------------------




「セレネは人魚なのね。

 早速可愛い子見つけてナンパしてるわよ?

 あの子って、家族の誰でも無いよね?

 NPCってやつかしら」


「はい。

 ある程度の知性も備わっていますので、セレネも十分楽しめるかと」


「後でお仕置きしてもらいましょう。ノアちゃんに」


「録画機能も完備しています。

 神様特権です」


「ナイスよ!シーちゃん!」




----------------------




 その後も私は皆の様子を見て回った。

この世界では、人間、吸血鬼、人魚、エルフ、ドワーフ、機械天使、猫獣人、兎獣人、ドラゴン、勇者、聖女、神と実に十二種もの種族が用意されている。


 獣人はともかく、勇者と聖女まで別カウントなのは、カサ増し感ない?


 いやまあ、ただの人間とは能力値が全然違うから、ゲーム的には別種族扱いでもおかしくはないけども。


 その辺は所謂ユニークジョブってやつなのね。

勇者と聖女、それに神は、一人ずつしか選出されないようになっているようだ。


 そう言えば使徒は?

この感じなら別枠でもおかしくないけど。



「神であるマスターが指名すれば変化します。

 ただしその為にはいくつかの条件を満たす必要があります」


 なるほど。そんな所まで再現されているのね。

つまり、一定の信仰を集める必要があるわけだ。

それに力も必要よね。

その辺は、レベルいくつ以上とかかしら。


 この様子だと、勇者と聖女のパワーアップイベントもありそうね。

二人が私の下へ辿り着ければ、強化してあげられるのかしら。


 ふふふ。

誰が一番最初に私の下に辿り着くかしら?

何だか楽しみになってきたわ♪



「そう言えば、ドラゴンってまだ見てないわね。

 ドラゴンもユニークなの?」


「いえ。単に確率が低めに設定されているだけです。

 所謂、レアキャラと言ったところでしょうか」


 なるへそ。

少し遊び心を加えてみた感じか。

まあ、ランダム設定は別にそれでも良いわよね。

キャラメイクは自分で出来るモードもあるそうだし、ドラゴン体験がしたかったらそっちをやれば良いわけだしね。



「最後にルイザちゃんとアリアの所を見てみましょう。

 ふふ♪二人はどんな姿になっているのかしら♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ