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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-31.帰宅

『や!!』


『ダメですよ、セーレ。

 ちゃんとお礼を言って今日はお別れしましょう。

 またアルカ様にも来ていただきますから』


『やっ!!!』


 私にしがみついて離すまいとするセーレ。


 日も暮れてきたので帰ろうとしたのだけど、すっかり私に懐いたセーレは断固として反対した。

可愛い。


 レーネからしたら真剣に言い聞かせているのだとわかるけど、どうしてもそんな可愛らしいやり取りに、頬が緩むのを抑えられない。



『アルカ様!

 笑ってる場合ではありません!

 アルカ様からも言い聞かせて下さいませ!』


『ごめんごめん。

 セーレ。

 私も悲しいけど、今日はお別れしましょう。

 またすぐに遊びに来るから。

 今度来る時は、いっぱい良いものを持ってきてあげるわ』


『ぃやっ!!

 あーか!いーのー!!』


 赤いの?

アルカが良いの?

もう。可愛いこと言ってくれちゃって。

このまま誘拐しちゃおうかしら。



『アルカ様!!』


 冗談だって。

そっちも伝わってるでしょ?



『変な事ばかり考えないで下さいませ!』


 無茶言わないでよ……。



『あーかぁー!』


 半泣きのセーレがよりきつく抱きしめてきた。

これはテコでも諦めそうにない。

いっそ疲れて眠ってしまうまで遊び倒してみようかしら。



『仕方ありませんね。

 その手でいきましょう』


『レーネは先に帰っても良いわよ?

 ここにいる私は分体だもの。

 後で回収すれば問題ないわ』


『なりません』


 あ、はい。

そろそろ夕食の時間だからと気を遣ったつもりだったけど、今のレーネが私とセーレから目を離す事は無いのだろう。



『その!……すみません……アルカ様……。

 私も本当に疑っているわけでは……』


『大丈夫よ。

 私だってレーネの事はよくわかっているわ。

 パスが無くてもね』


 単にレーネは姉として責任を持っているだけだ。

幼く愛しい妹を誰かに任せて目を離す事なんて出来るわけがないのだ。


 それは例え私相手だろうと変わらない。

きっとハルちゃんと内緒話をしていた時も、完全に目の届かない所まで行っていたわけでは無いはずだ。


 両親の下へ確実に送り届けるまでは、自分で側に付いていたいのだろう。


 こんな可愛い妹が出来たら当然よね。

気持ちはよくわかるわ。



『……ありがとうございます』


 いえいえ~♪


 それから家族に少し遅れる事を伝えて、また三人で遊び始めた。


 セーレも私達の目論見を薄々察していたのか、中々寝ないで頑張っていたけれど、それでも四ヶ月児に過ぎない体ではそう長くは続かなかった。


 眠りに落ちてすっかり大人しくなったセーレをレーネのご両親にお返しして、私とレーネもようやく自宅に転移した。



 セーレ、次会った時に怒るかな?

その時はまた、目一杯遊んであげよう。

きっとそれで、機嫌を治してくれるはずだ。



「レーネ。

 今日はありがとう。

 すっごく楽しかった。

 お陰様で、良い気分転換になったわ」


「はい!こちらこそ!

 今日はありがとうございました!

 アルカ様のお陰で、セーレも、私も楽しめました!」


 よかった。

レーネの機嫌も治ったようだ。



「その……すみません。

 先程は失礼な事を……」


「ううん。気にしてないよ」


 そもそも私の日頃の行いのせいだし。



「レーネも、私に言える事なら何でも言ってね」


 ハルちゃんに何かを断られたのかもだけど。

私が聞いたらまた違う判断をするかもしれない。

ハルちゃんはスパルタだからね。



「いえ。お気になさらず。

 ハルは私の頼みを聞いて下さいました。

 もし私の機嫌が悪いように見えたのでしたら、それは全てアルカ様が原因です」


「はい……ごめんなさい……」


 心当たりが多すぎてどれだかわかんない……。



「本当に。まったくもうです。

 そういう所ですよ、アルカ様」


 なんでそこで嬉しそう?

ダメだ……見当もつかない……。



「もう忘れて下さいませ。

 それより夕食へ向かいましょう。

 既に皆様終えられているかもしれませんが」


「もうレーネ以外、みんな済ませちゃった」


「アルカ様?

 まさかアルカ様も?」


「その……ごめん……へーちゃんと一緒に……」


 そもそも食事は本体の私しか食べる必要もない。

分体達も食べられないわけじゃないけど、食べてもあまり意味がない。


 魔力体に過ぎない分体では、自らの糧とする事は出来ないのだ。


 それはそれとして、味は感じられるから無限に食事を楽しめたりも出来るのだけど。

何か感覚バグりそうだから、流石に無限にはやらないけどね。


 精々家族との食事の席を欠かさないようにしてる程度だ。

今は本体がへーちゃんの側を離れないし、へーちゃんが人見知りするから、食事の席には分体が参加している。


 だからまあ、当然レーネとも分体の私が一緒に食事をすればいいわけだ。

問題は、一人で三人前も食べる事になるって所だけど。


 稼ぎもないくせに、人の三倍食べるのは流石に気が引けるけど、そんな理由でレーネを一人にするのも心苦しい。



「そうでしたね。

 折角ですから、お言葉に甘えさせて頂きましょう。

 もう暫し、お付き合い下さいませ」


 私の手を引いて食堂に向かうレーネ。

何にせよレーネが嬉しそうだから良しとしよう。うん。


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