表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1011/1419

36-27.悩み

「というわけなの。

 カノンはどうしたら良いと思う?」


 私はムスペルの件をカノンに相談してみる事にした。

うちのパーフェクトお姫様は頼りになるのだ。



「ツムギ達に任せなさい。

 決してアルカが手を出す事だけはしないでね」


「うん……」


 ツムギやイロハと似たような事を言う。

やっぱりそうするしか無いのだろうか。



「政変はどんな国でも起こる事よ。

 ある意味、それが正常でもあるの。

 強大な力を持つアルカが干渉すれば、必ずその国の在り方を歪ませてしまうわ。

 ツムギ達の命に関わる事以外、何一つ関与してはダメよ」


「うん……わかったわ……」


 もうだいぶ干渉しちゃった後だけど……。

でもカノンの言う事は尤もだ。

ここで私が手を出せば、カノンやノアちゃんの努力を踏みにじるようなものなのだ。



「一応、私もツムギと話してみるわ。

 それで何が出来るとも言えないけれど、アルカも少しは気が休まるでしょう?」


「うん。ありがとう。

 ごめんね。こんな話に関わらせて」


「何水臭い事言ってるのよ。

 ツムギ達はもう私の家族でもあるのよ?

 それに、妹分のマノンにだって関係ある事だもの。

 もし教えてくれなかったら、それこそ怒っていたわ」


「ふふ。そうだね。

 よろしくね、カノン」


「ええ!」


 それから少し話をした後、話を終えたカノンは私の部屋を出ようと扉に向かって歩き出した。


 少し気持ちが楽になった気がする。

カノンに話を聞いてもらえて良かった。


 何時までも気にしすぎるのは止めておこう。

きっとツムギ達だって自力で乗り越えてくれるはずだ。


 そもそも、王妃様さえ目覚めれば万事解決する可能性も高いのだ。

あの方にはそれだけの影響力が……ダメだ!このままじゃ王妃様が!



「ねえ!カノン!」


「なに?」


「王妃様が危ないの!

 今は昏睡状態だから無防備なの!

 きっと命を狙われてしまうわ!」


「……今回だけよ。

 見逃してあげるのは」


「ありがとう!」


『まかせろ』


 お願い!ハルちゃん!


 分体を産み出し、王妃様の下へ転移させたハルちゃん。

分体ハルちゃんの見た景色が、私の中にも流れ込んできた。



『まだぶじ』


 今はツムギ達も側についていてくれたようだ。

とは言え四六時中というわけにもいかないだろう。

暫くハルちゃんの分体を側に置いておこう。



『ついでにようだい』

『ちょっとみる』


 ううん。それは止めておきましょう。

命に別状は無いって話だし。



『がってん』


 目覚めるまで、ううん。元気になるまでは見守っていてね。



『まかせろ』


 もし王妃様が暗殺されてしまえば、きっとこの騒動はより大きなものとなっていた筈だ。


 既にツムギにも刺客が送り込まれていた程だ。

ツムギ達も既に想定済みだったのだろう。


 気を回す必要なんて無いのかもしれないけど、これで動きやすくなるのは間違いない。



「アルカ。

 ツムギに伝えてはダメよ。

 その人達の側にだって信頼出来る護衛くらいいるはずよ」


「……うん。わかった。

 干渉するのは最後の最後だけにしておくね」


「そうね。

 それで良いわ。

 ……ごめんね」


「ううん。

 我儘を言ったのは私の方よ。

 ありがとう、カノン」


「ええ」




----------------------




「アルカ?」


 不思議そうに私を見上げるへーちゃん。


 へーちゃんは聡い子だ。

私が考え事をしていたのに気が付いたのだろう。



「大丈夫。なんでもないよ」


 私達は今、自宅近くの森に来ていた。

分体の私がカノンと話をしている間、部屋を出るついでに少し散歩でもと出てきていたのだ。


 私はへーちゃんの手を引いて再び歩き出した。



「へーちゃん」


「アルカ」


「ふふ。へーちゃん」


「アルカ!」


「へーちゃん♪」


「アルカ♪」


 可愛い。


 私達はすっかり仲良しだ。

相変わらずへーちゃんは私の名前以外喋らないけど、感情表現は豊かになってきた。


 それに、よく笑うようにもなってくれた。

きっと私の想いが伝わっているのだろう。

へーちゃんは素直で優しい子だ。



「そろそろ帰ろっか。

 もう少ししたら晩ご飯の時間だし」


「アルカ!」


「ふふ。それ返事なの?

 もう。へーちゃんたら」


「アルカ!」


 肯定するかのように家の方に進路を定めたへーちゃん。

やっぱり言葉は通じているようだ。


 ならどうして他の言葉を喋ってくれないのだろう。

へーちゃんは不思議な子だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ