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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
36.白猫少女と原初神

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36-22.神パス

 突如挟まれたルネルからのお説教(珍しく口頭のみ)と、家族からの無断外出その他諸々に対するお説教大会が済んで、疲弊しきった体でどうにかこうにか新しいお嫁さん&家族の歓迎会を乗り切った私は、勢いよく自室のベットに倒れ込んだ。



「アルカ?」


 心配気に私の頭を撫でるへーちゃん。

なんて良い子なんでしょう。



『寝てる場合じゃありませんよ、小春先輩。

 私はこの時を待っていたのです。

 それはもう、一日千秋の想いで。

 さあ、気合い入れて下さい』


 心配もせず容赦なく叩き起こそうとするヤチヨ。

なんて鬼なんでしょう。



『大丈夫です。

 先輩は深層に潜って横たわっているだけで良いのです。

 後は私が美味しく調理しますから』


 メインディッシュ役だった!

ヤチヨん!血が欲しいだけだったの!?



『そんなわけ無いじゃないデスカー』


 ひどい!!



『冗談です。

 普通に癒やしてあげると言っているのです。

 へーはまだ人見知りしますから、場所を移しましょう』


 そうね。

ここで皆に出てきてもらうと、へーちゃんが怯えちゃうかもしれないものね。


 それに深層で過ごす分には、へーちゃんに寂しい思いをさせる事も無いし。


 私はヤチヨ、ハルカ、イロハ、ハルちゃんだけを連れて深層へと潜り込んだ。



「え!?なんで!?」


「先輩?

 まさかへーまで血池肉林の宴に混ぜるつもりですか?

 流石に手を出すには早すぎるのでは?」


「違うって!

 私じゃないんだって!」


 深層に潜り込んだ私達の前に、連れ込んだ覚えの無いへーちゃんが現れた。



「アルカ」


 不安気に私を見つめるへーちゃん。



「あ、ごめんね~。

 大きな声出しちゃったね~。

 大丈夫よ~へーちゃん~」


 私が抱きしめて頭を撫でると、へーちゃんも嬉しそうに抱きついた。



「確かにアルカはへーの事除外してたよ。

 多分、自力でついてきたんだと思う」


 ハルカ!

やっぱりあなたは信じてくれるのね!

お母さん信じてたわ!!



『そんな事できるかしら。

 それより、何でハルカも一緒なの?

 今からするつもりだったのって、あれよね?

 ハルカにはまだ手を出さない約束でしょ?』


 イロハとその約束した覚え無いよ!?

それにいきなりおっぱじめなくても良いじゃん!

最初は普通に歓迎会するだけだよ!

ハルカも血を飲んでみるって言ってたでしょ!

あれな雰囲気になったらハルカにはご退場頂くけどさ!!



『それはこく』

『さいごまで』

『さんかしたい』

『そうおもう』


「そうだよ、アルカ。

 私はまだアルカの嫁にはならないけど、それはそれだよ。

 心が娘のままなら何しても大丈夫だよ!」


 ダメだって!

絶対一線超えちゃうやつだって!

私がそう見れなくなっちゃうって!



『何よ。

 私の娘が気に入らないっての?』


 イロハはどうしたいの!?



「アルカ~♪」


 へーちゃん!?力強っ!?

待って!?何で押し倒してくるの!?



「先輩の発情に当てられたのでしょうか」


 してないってば!

どう見てもそれどころじゃないでしょ!

バカなこと言ってないで助けてよ!?



『むちゃ』

『ミーシャ』

『にのまい』


『そうよ。流石にあれは痛いわ』


「そもそも私達の事は眼中に無いみたいだよ?」


「小春先輩は隙が多すぎます」


 見捨てられた!?



「アルカ~アルカ~」


「へーちゃん!!

 待って!落ち着いて!」


「アルカ~♪アルカ~♪」


 ダメだ!聞いてない!!



「へーちゃん、命令よ。

 落ち着きなさい」


「アル、カ……?」


 私を押さえる腕から力を抜き、キョトンとした表情を浮かべるへーちゃん。

どうやら自分に起こった事が理解出来ていないようだ。


 混沌ちゃん謹製の隷属契約は、相手に命令を理解させる必要すら無かったのか。


 使っておいてなんだけど、いくら何でも無茶苦茶過ぎる。

今後は安易に頼らないようにしないと。



『そう言えばその手があったわね。

 ついて来れたのも、神パスのお陰かしら』


『りろんじょう』

『かのう』

『そのていど』


「そもそもついてこようって思考が出来なきゃ無理じゃないかなぁ。

 へーは私達が深層に行く事も、深層がどんなところかも知らなかったと思うんだけど」


「しかもタイミングは認識しようの無い一瞬ですからね。

 小春先輩が移動してからでは遅いはずです。

 という事は、事前に発動していたのではないでしょうか。

 小春先輩がどこかに行くと気付き、付いていくと決めていたのでしょう」


 つまり、今後は私が何処へ行こうと、へーちゃんも自動的についてくるわけね。


 それにしても、どうして突然?

ついていきたいと思ったのも、興奮しだしたのも、いきなりだったよ?

さっきまで、そんな素振りは見せていなかったのに。



『『「「またまた~とぼけちゃって~」」』』


 もう!意地悪してる場合じゃないでしょ!



『かんらく』


『攻略完了ね♪』


「妹に先を越されちゃったな~」


「生後一日でも容赦ありませんね。

 流石は私の小春先輩です」


 そんなわけないでしょ!?

普通に懐いただけだって!



「分体と本体の差に気が付いたのでは?

 今まで謀られていたと察し、二度と騙されまいとしているのやも」


 さっき部屋に戻ってきた時に交代したから!?



『そういう事なら簡単に実験出来るじゃない。

 分体出して、二人でおいでおいで~って』


「そもそも、そこは大して重要じゃないでしょ」


 そうそう!そうよハルカ!言ってやって!



「問題は発情の方だよ」


 違う!!そっちじゃない!!



『へーメラ』

『いると』

『ぱーてぃー』

『はじまらない』


 それも問題ね!

それよりもっと大きな問題あるけど!



「もう混ぜてしまってはどうです?」


 私の側近に!?



『五人は多くないかしら』


「ならイロハ抜ける?」


『……』


「私と」


『……いじわる』


 そこ!イチャイチャしない!!

冗談でもその話題はダメよ!私泣くわよ!



「アルカ~」


 再び縋り付いてきたへーちゃん。

とは言え先程のような力ずくのものではなく、今度はそっと抱きつくような感じだ。


 私はへーちゃんを抱きしめ返して頭を撫でながら、この状況を収める方法を考える。


 へーちゃんは混沌ちゃんが何らかの目的を持って送り込んできた存在だ。

素直に側に置いておくわけにはいかないのだ。


 ルネルと私の分体で見張るつもりだったけど、特殊なパスを介して移動されては、流石のルネルにも止めようがないだろう。


 かと言って命令に頼るのも……。


 とにかく、早く普通の手段で意思の疎通が出来なきゃだ。

言葉が通じない事には、頼む事すら出来やしない。

へーちゃんだって、お願いしたら聞いてくれるのかもだし。


 今は一旦ニクス世界に戻ろう。

深層にいる間にへーちゃんを介して混沌ちゃんに干渉されたら不味い事になる。

ここではルネルも呼び出せない。


 ヤチヨには悪いけど、もう暫く待ってもらうとしよう。



「仕方ありませんね。

 良いですよ。私の事は気にしないで下さい。

 先輩の安全第一です」


 ありがとう!ヤチヨ!



「その代わり、分体で良いので相手して下さい。

 先輩世界のホテルで過ごしましょう。

 当然、二人きりです」


『なら私も』


『ハルも』


「私も勿論良いよね?」


 ……それって明日からの話よね?

私、今日はもう、とっても疲れてるんだけど……。



「大丈夫です。

 私は目一杯先輩を癒やしてさしあげますから」


『仕方ないわね。

 私も甘やかしてあげるわ』


『ハルも』


「私は甘えてあげるね~♪

 アルカ、甘えられるの好きだもんね~♪」



「今日はもうおしまい!

 また明日!すぐ寝るの!!」


『『「「「え~」」」』』


 あれ?へーちゃん?

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