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6-19.顛末

「アルカ!」



私がギルドに戻るとノアちゃんが飛びついてきた。


「こっちは問題なかった?」


「当然だろ!

わざわざ来てやったんだ。

これくらいなんとも無いぜ!」


「ありがとう。クレア」


「でもお前、ノアに頼ませるのは卑怯だろ!

そんなん断れねえだろうが!」


「だから、ノアちゃん貸してあげたでしょ?

頼んでおいて私が連れて行っちゃったら流石に可愛そうだもの」


「お前なあ・・・」



クレアに呆れた様な目で見られてしまう。


私は転移門を使いクレアを呼び出していた。


これ以上頼りになる助っ人もいないだろう。



「クレアさん!アルカも戻ったことですし、

久しぶりに稽古付けてくれませんか?」



「おう!いいぜ!」



クレアとノアちゃんは揃って訓練場に向かう。

仕方ない。もうしばらく貸してやろう。

だが忘れるな!ノアちゃんは私んだ!





私はギルド長さんに報告に向かう。



「ごめんなさい。結局取り逃がしてしまったわ」



「まあ、仕方がないさ。

アルカ達のお陰で何事も無かったんだ。良しとしよう。

それに、多少は手がかりを掴んだのだろう?」



「まあね。敵の手口は結構わかったんじゃないかしら」



私は見てきた事をギルド長さんに共有していく。



「ダンジョンの支配か。

やったことは、

魔物の召喚、

転移、

声の伝達、

ダンジョンの消滅

ってところか?」



「たぶんそんな所ね。

もしかしたら回復もしていたのかもしれないわ。

手足を捻じ曲げられて泣き叫んでいたのに、

消えた後は普通の声音こわねに戻っていたから」



「エグいことするようになったんだな」



「仕方ないじゃない。

何をしてくるかわからなかったんだもの。

それに結局取り逃がしてしまったのだし、

尋問より始末する事を優先するべきだったわ」



「それこそ言っても仕方がないことさ。

そいつ一人捕まえて終わりとも限らんのだし、

始末したところで大差無かったかもしれん。

ならば捕まえて吐かせた方が良いというものだ」



「いずれにせよ、

ダンジョン内ではかなり色々出来るみたいね。

確実に捕縛するならダンジョンコアを取り上げないと」


「ただ、どこにもそれらしき物を持っていなかったのよね

ダンジョンコアの形状もダンジョンに存在している物とは異なると思うの」



通常、ダンジョンコアは台座に置かれた球体だ。

球体のサイズは人間の頭くらいはある。

あの男が持ち歩いているならば、目立たないはずはない。


小さく出来るのか、体内にでも取り込んでいるのか


まだまだ不明な点は多い。



もしかしたら、あいつは複数のダンジョンコアを所持していたのかもしれない。


仮にダンジョン外でもコアの力を使えるならば、

どこからでもダンジョン内に逃げられるのかもしれない。


やっかいな相手だ。

あまり関わりたくないというのに。







「ギルド本部に敵が潜んでいるのか・・・」


「そっちはどうしたものかしらね。

私が乗り込んでいっても仕方がないし、

なんとか本部内でかたをつけて欲しいのだけど」



敵は私の事を知りすぎていた。

しかし、その情報には偏りがあるようだった。

内容から推察するならば、本部の情報を見たのだと思う。



それに通信のこともある。

私達の知らない方法でなければ、

本部の設備を利用したはずだ。


やはり敵は本部にも関わっているとみて間違いないように思う。



今はギルド本部と事を起こすなと言われているけれど、

こっちから関わろうとしなくても、

結局向こうから狙われる事になってしまった。



「ギルド本部の件は私の方で動いておく。

アルカは関わらない方が良い」


「頼むわ」




結局、敵の目的も正体も掴めてはいない。

あいつは他の町に標的を変えたのだろうか。

まだしつこくこの町を狙うつもりだろうか。




いずれにせよ、

あの様子ならまた私に仕掛けてくるだろう。

しっかり準備して迎え撃つ事にしよう。


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