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1-10.進展

「なんで昨日はこなかった」



ギルドに顔を出すなり、

ギルド長が現れた。


「短期間に7つもダンジョン踏破してるのにその言い草はないでしょう?

ゴーレムじゃないんだから、いくら異常事態だからって休息も無しに

働き続けるなんて出来ないわ。」


「ぐっ・・・確かに、悪かった」


ギルド長もまさか働くことに関して、

私に正論吐かれるとは思わなかったのだろう。

なんか腑に落ちてない表情で渋々引き下がった。



ふっ!勝った!


なんか隣にいるノアちゃんからジト目で見られてるけど!

まあ、ノアちゃんとの仲直りが本当の目的だったし・・・


とはいえ、飛行魔法を使用してしまった以上、

魔力の回復が必要だったのも事実だ。




それはともかくジト目ノアちゃんも可愛い。


私は脳内のノアちゃんお気に入り場面集にまた一枚追加した。

スマホ欲しいな~

カメラ欲しいな~

爺さん作ってくれないかな~


もうあの爺さん◯ラえもんみたいなもんだよね。

なんか体格も似たようなものだし。

服も青系だし。


残念ながらカメラの仕組みなんて知らない。

ざっくりイメージ伝えたら作ってくれないかしら。

今度ダメ元でお願いしてみよう。



いけない。思考が脱線しすぎた。

今回の暴走の件を話に来たのだ。

あとダンジョン巡りの進捗について。






----------------------






「お前の情報と今回の件を元にするならば、

次に狙われるのは中級以上、

最悪の場合上級難度のダンジョンが

標的となる可能性があるな。」



うへぇ!

いくら私だって限度はある。

上級の暴走召喚なんて手に負えない可能性が高い。



どうしようかしら。

今から中級以上を巡って間に合うの?


暴走の発生した二つのダンジョンに共通するのは

この町に近いことだ。


敵の狙いはこの町?


でもそれなら少し距離を置いた場所で発生させた方が確実じゃない?

町に近いという事は、初期対応が速いということでもある。


遠方から魔物を誘導する手段が無いからかな?


もしかしたら暴走召喚には限度がある?


いくらダンジョンとはいえ、

無限に魔物を生み出せるわけではないだろう。

十分な戦力を町に向けるには

近場である必要があるのかもしれない。



「そうだな。その可能性もある。

一先ずアルカには近場の中~上級に対象を絞って動いてもらおう

他はこちらで手配する。」


「次に可能性が高いのはあそこね」


私は一つの上級ダンジョンにあたりをつける。


「早速行ってくるわ。」


「ああ、頼む。」


言葉少なに私とギルド長は動き出す。



ギルドを出てしばらくすると、

一部始終を見ていたノアちゃんが呟く。


「真面目なアルカはカッコいいですね」


「!?」


ノアちゃんに久しぶりに褒められた!

ニヤケそうになるのを必死に抑えて真面目モードを継続する。


「次も同じことが起きると手に負えない可能性がある。

今は時間が惜しい。急いでいくよ。手を貸してノア!」


「はい!」



正直今のノアちゃんに上級ダンジョンは厳しい。

しかし、この状況で一人町に残すなんて出来るはずがない。


こんな事なら昨日から動いているべきだったとも思わなくは

無いが、いくら私でも魔力は無尽蔵じゃない。


体力は根性でどうにかなっても魔力は無理だ。

飛行魔法まで使ってしまった以上、休むことは必要だった。



ノアちゃんを引き連れて私は急ぐ。

次こそは止めて見せる。





----------------------






そうして、町に近い上級ダンジョンの深部に潜ってきた。

幸いまだ暴走は発生していない。


もうすぐでダンジョンコアのある部屋に辿り着く。


そこまで来て、私達は立ち止まる。

誰かいる!



気配を消して様子を伺う。

今まさにダンジョンコアに細工しようとしている二人の黒尽くめの男が目に入る。

まずい!?



私は迷わず攻撃を加える。

たとえ今回の犯人じゃなくとも、コアに手を出すのは重罪だ。

この時点で悪意があるのは間違いない。



「!?」


黒尽くめの男達は私の攻撃で吹き飛ばされる。


コアに近かったから威力を抑えすぎた。

有効打にはなっていない。



「お前は!?」


起き上がってこちらに向かって構える黒尽くめの男達は

私ではなくノアちゃんを見て驚く。


気になるが今はそれどころじゃない。

続けて攻撃するが今度は当たらない。


速い!

油断していたわけじゃないけど、

こいつら思っていたより強い!


私はバフをかけまくって接近戦に持ち込む。

コアに近いここでは全力の魔法は放てない。


急接近し杖を振りかぶった私にナイフを投げてくる敵。

私は構わず突っ込んで杖を振り抜いた。

今の私にその程度の攻撃は通用しない。


まずは一人!



もう一人に向き直ると、ためらわずに逃げ出した。


その先にはノアちゃんが!

まずい!


「ノアちゃん!」


私の動揺に反してノアちゃんは相手を睨みながら冷静に動く。

掴みかかって来た敵を避けて、いつの間にか抜いていたナイフで斬りつける。


ノアちゃんに切りつけられた男はそのまま逃げ出していった。

残念ながら、傷は浅かったようだ。


「すみません。取り逃がしました」


「そんな事は大丈夫よ!ノアちゃん怪我はない!?」


「大丈夫です」


ノアちゃんは笑顔で答える。


そのまま気絶する男の元に歩いていき、

突然口をこじ開けて手を突っ込み何かを取り出す。


「毒です。自害用に仕込まれていたものです。」


ノアちゃんいったい?

さっきの動きも普段と違った。

何か身に染み込んだ動きがとっさにでたような。


いろいろ気になる事はあるが、

今はとにかくダンジョンから出よう。


男を縛り上げ、コアが無事なのを確認して



私達はダンジョンを後にした。


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