【51】幕間 ~チャンスは逃さず~
その後は特に何も起こらなかったので、無事に過ごすことができたわ。
何曲かアクティスと楽しくダンスを踊ったけど、エルムの視線は、うーん正直かなり痛かった。
ダンスの後は私を心配するアクティスがずっと隣にいたから、結局婚活することなんか全然できなくて……
だから、とうとう私のお相手を見つけることはできなかった。
婚活が思う様にできなかったことは残念だっけど、私は気持ちを婚活前向きモードにして。ちゃんと行動を起こしたの。だってこんな大きな婚活パーティ滅多にないもの。チャンスはなんでもモノにしなくちゃね?
私は、あれから雰囲気の良さそうな人を何人かチェックして、ヤトキンに名前と連絡先を確認しておいたのよ。
ちょうどアクティスが例のカードを持っていたから、それをもらってメモにしたの。
アクティスは、こんなことに僕のカードを使わないで欲しいとかなんとかブツブツ文句を言っていたけどね。テストの時にノートを貸したのは誰だっけ?と言ったら黙ってくれた。
歌劇場の件が落ち着いたら、この方たちに連絡をとってみようっと!
そう思ったら、収穫の無かった婚活パーティのがっかり感が薄らいで、希望が見えてきちゃったわ。
*
帰りの馬車の中で、婚活パーティのお土産話を期待していたアメリが、お相手が見つからなかったと聞いて、私以上に凹んでくれた。
「ええ~~っ、フェリカ様、お相手見つからなかったんですかぁ? だってこんなに大きな婚活パーティ、滅多に無いんですよ? そのためにわざわざアルマンまで来たのにぃ…! 張り切って、朝からあんなに磨き込んでおしゃれしてたのにぃ……!」
……アメリの口は今日も全開だったわ。
なので、私は隣に座るアメリの肩を引き寄せて、目力込めて睨んでみた。
「アメリ~?」
もちろんアメリのお喋りは止まらなかったので、諸々アクティスに聞かれるのが堪えられない私は、アメリの可愛い口を手で遮らせてもらったわ。
「フェヒヒャひゃまぁ~、みゃみぶるんでぶまぁ……」(翻訳:なにするんですかぁ)
とアメリはモガモガと抗議していた。
「もう、アメリそれはいいから! だってイロイロと大変だったのよ」
アメリは私の手を引き剥がすと私から逃げるように距離を取って、今度はアクティスの隣の席に座り直して抗議する。
「殿下も! あんなに任せといてって言ってたのにぃ、フェリカ様に出会いが無かったって、どういうことなんですか?」
頬を膨らませたアメリに詰め寄られて、アクティスは困って金髪をガシガシ掻きあげる。
「うーん、僕は丁寧に紹介をしたんだけどさ。ね、フェリカ?」
「アメリ、アクティスはちゃんと紹介をしてくれたのよ? だからアクティスを責めないであげて。パーティで話す人話す人、みんな私よりアクティスのことを知りたがっていたんだから、しょうがないわ」
「え~? なんですかあ、それ?」
アメリの団栗眼が大きくなる。
「そうだったんだ!……そっか、考え及ばなかったよ」
アクティスは申し訳なさそうに身を縮める。
「あっそうだ、ねえフェリカ、あの話を皆にしておいたほうがいいんじゃない?」
「あの話って? フェリカ様、何かあったんですかぁ?」
「そうなのよ。……ねえアクティス、もう夜遅いけど、今から少し時間をもらえる?」
「もちろん構わないよ。明日の千秋楽は夜公演だしね。それに歌劇場の事件と関係があるのかもしれないしさ」
私はその意見に頷いた。
そして窓を開けて、快適な乗り心地を追及しながら馭者を務めるジオツキーと、馬車の後部で大胸筋を鍛えていたブロデインに声をかけた。
「アクティスを送る前に、一度宿へ行ってちょうだい。皆に話しておきたいことがあるの」
「お嬢、何かあったか?」
ブロディンがすぐに訊き返す。
「ええ、パーティ会場で……ちょっとね」
「かしこまりました。後程、ゆっくり聞かせてください」
ジオツキーは、いつもの落ち着いた口調でそういうと、馬車の方向を宿へ続く道に改めた。
読者のあなた様!
いつもお読みくださり本当にありがとうございます!
あき伽耶、あなた様に足を向けては寝ていませんw
【第22話】幕間に引き続きまして、本【第51話】幕間でもちょっとばかりお喋りをさせてくださいね。ここが、読者様とゆっくりお話できるところなんです(某チェーン店を思い出しますねw)
毎日投稿を続けていると、この物語に関心を持って連載を読んでくださっている方が、少しずつ増えている!( ノД`) なろう読者層の実情非会員さんが多い(私も立派な非会員でした!)に習い、やはり非会員さんが多いようですが※、物語を描き初めてまだ日も浅い私にはこの感触は嬉しい限りです<(_ _)> ※週間ユニークが参考になります。小さな数字ですが私には嬉しい(*^^*)
さて、物語はかなり進んでもうじき8合目です! この先はクライマックスへ突入していきます。ここまで伴走してくださった読者の皆さま、どうか最後までご一緒いただけましたら嬉しいです。
そして最終回までに、前作の「王女なのに婚活に苦労してまして。~このたび、ワケアリ侯爵邸にて出張お見合い奮闘します!~(釣書姫シリーズ①)」の第19話最終回のエンディング馬車のシーンだけでいいのでお読みくださいますと、本作の最終回もより楽しめますよ! とお知らせしちゃいます。
あき伽耶、前作読まなくても大丈夫って案内してたじゃん!と言われそうですが、もちろん大丈夫です! でもチラ見しておいていただくと面白味が増すと思いますので、お時間ある方は最終回までに是非(^^)/
私も物語が楽しくなるよう、毎日全力で原稿に手を加えつつ投稿していますので、どうか皆さまも引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします(^▽^)/
それでは、おしゃべり好きの作者はそろそろ楽屋へ向かいます。
【追伸1】感想ってなかなか手が伸びにくいシロモノですが、非会員様向けにも書き込みOPENにしておきます。好きなシーンとか、一声とか、もしあったら聞かせてくださいね。もちろん書かなくてもOKです♪
【追伸2】会員の方は、押してもいいぞ!と思う時がやってきましたら、ブックマーク、★で是非応援をよろしくお願いいたします! 感想もお気軽にどうぞ。
末筆ですが、いつも応援してくださる書き友さんの皆様、皆様お忙しい中を本当にありがとうございます。励まされています! 感想って、めちゃめちゃエナジードリンクですね。 物語はもう少し続きます、どうか温かく見守ってくださいませ<(_ _)>
次回【第52話】推理――犯人は誰?













