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目覚めたら死んでから10年経っていた、まずは国に帰ろう  作者: しろねこ。


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構築された体

朝食の後、一応シュナイに見てもらったが、医療的には異常は見つからなかったらしい。


「特に変わったところはないですな。しかしこの頃のエリック様をまた診られるとは、懐かしい」

頭を撫でられた。


家族以外でエリックに対してこんな風に接することが出来る、数少ない人物だ。


「シュナイ医師にもお世話になりました。子ども達も診てもらえ、感謝しています。あなたの腕なら信頼できる」


「子ども達か。わしにとっても孫みたいなもので成長が嬉しいですよ。わしはすっかり独身を謳歌してしまいましたから」

シュナイは独身だ。


王族専属の医師として、身を粉にして働いてきたため。婚期をすっかり逃してしまった。


その為エリック含め、王族の子ども達が皆可愛いらしい。


「皆とてもいい子だし、健やかに成長してくれていて嬉しいよ。エリック様を含めてな」

また頭を撫でられる。


「そのような魔法については詳しくないが、何か心配なことがあったら言ってください。いつでも診ますので、無茶をしないように」


「ありがとうございます」

改めてたくさんの人に支えてもらってることに感謝した。










ミューズの呼びかけに応じ、リリュシーヌが来てくれた。


応接室に通し、話しをしていく。


「お久しぶりですね、エリック様。レナンを身を挺して守ってくれたこと、本当に感謝しています」

深々とリリュシーヌは頭を下げた。


「いいえ、夫として当たり前のことをしただけです。ただ、泣かせないと約束したのに、憔悴するほど傷つけてしまったことはすみません」

レナンと婚約する時に泣かせないと宣言したのに、それを破ってしまった。


そちらに関しては申し訳なく思う。


「仕方ありません、それはレナンもわかってくれているはずです。レナンが助からなければ、リアムは生きてないのですから。あなたも」


「……やはり何か知っているのですね」

核心の言葉だ。


リリュシーヌはゆっくりと紅茶を飲む。


「わかりますか。さすがエリック様ですね」


「二人で話したいと言われれば、誰でも勘づくでしょう。レナンに聞かせたくないと言うのなら、尚更」

今部屋にはエリックとリリュシーヌ、特別に二コラもいる。


二コラも関係ある話なのだと言われた。


「十年前、エリック様の体が花弁のように散って、消えたと聞きました。そこには魔力の存在もあったと」

リリュシーヌが確認のために聞いてくる。


「そうらしいですね。俺は知りませんが」

キュアとレナンの証言だ。


「一度だけ私もその光景を見たことがあります」

リリュシーヌの金の瞳が、エリックを見た。


「レナンの力ですか?」

話の流れとおおよその検討でそう言った、理屈はわからないがそうなのだろう。


「えぇ。レナンは小さい頃は魔法が使えたのですよ。ミューズのように色々なものを」

ミューズも知らないくらい小さな頃だ。


「ある時、レナンが大事に思っていた小鳥が死んでしまったの。初めて死というものを見て、とても悲しんでましたわ。泣いて泣いて、大変でしたの」

顔を真っ赤にして泣きじゃくっていたレナンを、リリュシーヌは思い出す。


「そしたらその小鳥が花弁のようになって、どこかに行ってしまいましたわ。その後倒れてしまったレナンの事をディエスにお願いして、私はそれを追いかけてみたのです」

飛行魔法まで使って、どこまで行くかを必死で追いかけた。


何が起きたのか、リリュシーヌも知りたかったのだ。


「着いたのは山の中の木の上。そこにあった小鳥の卵に入り込みました」

リリュシーヌはその卵を持ち帰り、孵化を試みた。


上手く育てられるかわからないから、レナンには知らせずこっそりと。


「驚いたわ。レナンが買っていた小鳥と似たような姿をしていたのだもの」

野鳥にはあり得ない、青い色の鳥。


山中の鳥から生まれる品種ではない。


「原理はわからないけれど、生き返らせたんだと思いましたわ。その小鳥はレナンを知っていたかのように、あっという間にレナンに懐きました」

それだけではない。


孵化してある程度大きくなってからレナンに渡したのだが、その翌日急速に成長したのだ。


「多分レナンの近くにいたからじゃないかしら。あっという間に元の大きさに戻りました」

今のエリックと同じだ。


「それで、その小鳥はどうなったのです?」

ここから先、自分はどうなるのか。


二コラも息を飲んで聞いている。





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