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好きな人

作者: ウテン

女生徒役ツッコミ→ツッ子(仮名)・女生徒役ボケ→ボケ子(仮名)


ツッコミ「あのさぁ~」

ボケ  「んー?どしたー?」

    (ボケ、後ろを向いたまま黒板を消すジェスチャー)

ツッコミ「あたし、タカシ先輩に告ろうと思うんだよね」

    (ボケ、はっとした様子で振り向きつつ黒板消しを足に落とす)

ボケ  「痛ったァ!」

ツッコミ「大丈夫!?ってゆーかその反応…まさかボケ子も先輩を!?」

ボケ  「(早口で)は!?何言ってんの!?私タカシ先輩なんかどーでもいいし!そもそも私の星座の牡羊座とタカシの星座の天秤座は相性最悪だし!!」

ツッコミ「めちゃめちゃ詳しい!途中から呼び捨て!」

ボケ  「(早口で)そんな事無いよ!家が隣同士で、幼い頃から家族ぐるみの付き合いがあるだけだし!」

ツッコミ「めっちゃ深いじゃん!そっか、ボケ子もタカシ先輩が好きで、しかもそんな深い絆があったなんて……」

ボケ  「……やだよ私、こんなことでツッ子との友情が壊れたら!そんなことになる位なら、今から理科室で爆弾作って、お隣の家ごとタカシの存在を消す!!」

ツッコミ「だだだダメよボケ子!爆薬の量間違ったらアンタの家まで吹っ飛ぶわよ!?」

ボケ  「そ、そっか、それはまずいわ!たたでさえローン返済キツイっていうのに!!」

ツッコミ「ねぇボケ子、ボケ子はいつから先輩が好きなの?」

ボケ  「物心ついた時から一緒に居たから、本当に最近までタカシのこと全然異性として意識してなかったの。でもあの日……」

ツッコミ「やっぱり……何かきっかけがあったのね」

    (ボケ、気まずそうに、コクンとうなづく)

ツッコミ「……私たち、ずーっと親友だよ」

ボケ  「……えっ?私とこれからも友達……しかも親友で居てくれるの?」

ツッコミ「うん、同じ男を好きになったってだけで絆が切れるなら、そもそも親友なんて呼べないよ!」

ボケ  「ツッ子……!」

ツッコミ「だからその代わり、嘘は禁止。何でも話すこと!」

ボケ  「……うん!わかった!」

    (二人、友情を確かめるように見つめ合う)

ツッコミ「話を戻すけど、一体何があったの?先輩を異性として見るようになった日……」

ボケ  「あの日、私の家の風呂釜が壊れて……」

ツッコミ「あ!それ漫画のラッキースケベ展開でよくあるやつ!そうそう壊れないよね風呂釜!?」

ボケ  「それで、タカシの家のお風呂を借りに行ったら、タカシのお父さんが『今、風呂あいてるから入りなさい』って」

ツッコミ「お父さんが家のこと全然分かってないあるある~!」

ボケ  「それで、お風呂のドアを開けたら、中にタカシが……!」

    (ボケ、恥ずかしがって顔を覆う)

ツッコミ「……お互いの……一糸まとわぬ姿を……!?」

    (ボケ、けろっとして)

ボケ  「あ、ううん、それは大丈夫!私ってお風呂は着衣入浴派だから」

ツッコミ「着衣入浴派って何!?そんな派閥初めて聞いたわ!」

ボケ  「常にお風呂に着衣で入ることで突然水に落ちた時の為に特訓しているの!」

ツッコミ「えっ、いやよく分かんないけど、それはセーフだったね。……でも、見たんでしょ……?」

ボケ  「え……?何を??」

ツッコミ「だーかーら、見たんでしょ!?タカシ先輩の……タカシ先輩を!」

ボケ  「何言ってるのツッ子!?」

ツッコミ「正直に言いなさい!タカシ先輩のタカシ先輩はどんなだったの!?(ハァハァしながら)」

ボケ  「ツッ子落ち着いて!私も、タカシのタカシは見てないわ!」

ツッコミ「……どういうこと!?」

ボケ  「だってタカシは……お母さんのブラとパンティー入浴派だったの!」

ツッコミ「新たな派閥!!……って、え……?お母さんの下着……?は……?でも確かあんたそれで先輩を異性として意識したのよね!?」

ボケ  「うん……タカシにも、そんな可愛い一面があるんだなって!ギャップ萌えっていうのかなぁ(照れながら)」

ツッコミ「いやいやいや、何照れてんのか意味わかんないんですけど!?(一瞬で恋が冷めて)えーっと……あっ、着衣入浴派のボケ子とブラパンティー入浴派の先輩って超お似合いじゃない!?」

ボケ  「どうしたの急に!?」

ツッコミ「だって二人とも身に着けているものの種類が違うだけで同じ派閥じゃん!そんな二人が出会うなんて奇跡よ!」

ボケ  「でもツッ子もタカシのこと……!」

ツッコミ「(後ろを向いて)キモッ……!」

ボケ  「え?なんて?」

ツッコミ「あ、何でもない何も言ってない!やっぱり私諦めようかなって!そんな奇跡なかなかないよ!運命だよ!」

ボケ  「(感動しながら)ツッ子……。」

ツッコミ「だから、私にはマジで!ガチで!1ミクロンも気にせず先輩と付き合いなよ!」

ボケ  「ミクロン!?……まぁ、ツッ子がそう言ってくれるなら……。ねぇ、これだけは聞かせて、ツッ子」

ツッコミ「ん?」

ボケ  「まだ告白もしていないのに気が早いけど、私たちの結婚式……来てくれるよね?」

ツッコミ「あー、ちょっとその日は予定が入ってるから無理だわ」

ボケ  「えっ?」

    (暗転)


-完-






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