パート4
「うわっ、マジで部長とか?あたしはないわぁ」
スマホ握りながら朝ごはん。行儀悪い。が、それが女子高生てものだろう?お母さんも何も言わない。
しかも思ったことをそのまま打ってしまった。
「さっちならそう言うと思ったケド、ほらあたし、夢、嫁だからwww」
要するにこうだ、この女は働かずに稼ぎの良い旦那と結婚し、遊んで暮らしたいのだ。甘い。家事を舐めてはいけない。子供も大変だ。40代の主婦を見ろ、みんな、「今、ようやく遊べるかも?」なんて言っている。
あー、ヤダヤダ。
しかし困ったことに、あのオシリウスとか言うの、全然知らない曲だ。いきなり吹けるものなのだろうか。そんなはずはない。
あとなんだ、さっちって。この体の名前か?まさか幸子なんて名前じゃないだろうな。なんか薄そうな名前。
「さちの、また携帯持ってご飯食べて、やめなさい、取り上げるわよ!ってもともと私のだけどねぇ、その携帯。ああ、いやねぇ学生って、思いのままに行かなくて、オホホ」
この母親も、どこかおかしなところがある。だからテューバなんか吹く娘がいるのだ。しかし名前、さちのと言うのか。沙知、だろうか。幸子じゃなくてよかった。
「嫁とか草。あっこ、もしかして海外でガイジンとケッコンとかしちゃうかもよ?」
まぁ、そう言うこともあるだろう。
「さちの、マー君来たわよ」
母親が玄関で叫ぶ。だれマー君て、オレの嫁?