パート3
「行ってきまー!」
「あんた、楽器は?それに演奏会にそのカッコ?」
母親お思しき人が声を。
「え、演奏会?楽器⁈」
「今日、高崎で演奏会じゃなかったの?まだ3時間あるわよ」
「3時間?ココドコ?」
「何寝ぼけてんの。同じ市内でしょ?さっさと制服に着替えて朝ごはん食べなさい!」
仕方なく家に戻って部屋を見渡す。楽器楽器
「って、あれかよ〜!」
まさかのテューバ。あれ持っていくの?よく見ると楽譜も散らかっている。
「寵愛を受ける神の子供、オシリウス」
なんだこの曲のタイトルは。しかも楽譜、ぐちゃぐちゃでよく読めない。とにかくないと困るのだろうから、クシャクシャと集めて、カバンに入れた。
あっこからラインが入る
「起きた〜?まだ早いよう〜www」
「どうせあんた、気になって眠れなかったんでしょう」
「その通り、アァ、早く演奏会おわんないかなぁ。そしたらあたし、告白するんだ!」
「え?だれに?」
「もう、きまってんじゃーん、部長よ部長」
なんと、この女は部長とかいう役職にいる男と付き合うタイプなのだ。生徒会とか部長とか、よくそんな男を選ぶものだ。
制服に着替えて、階下に降りると、朝ごはんが用意されていた。納豆、納豆食べれたっけか。梅干しはダメだ。