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存滅の柱   作者: 茶谷 創懐(くらふと)
第二話 「転機の白光」
4/9

幻の決心

亜空幻の住むマンションの軒先。

新緑に満ちた葉は、日光を透過し明るく輝いていた。

葉の黄緑が道路に反射し、陽炎に揺れていた。

亜空幻はリビングでアイスを食べていた。

爽涼と透き通った青いソーダ氷のなかに、とろーりとした練乳が入っている。

「オーロラはとっても素敵だった。でもその後の白い光、なんなのよ! 

 もし知っていたなら、教えてくれてもよかったじゃない。

 でも、飛君のおかげで貴重なオーロラが観られたんだもん。感謝しなきゃ」

楕円テーブルには青い水たまりがいくつにも出来ていた。

アイスタイムを終えると、電子ゲームをやり始めた。

「JKコロシアム オン スクール」

女子高生の日常を舞台にした格闘ロールプレイングゲームだ。

好きな女子高生を育成することもでき、通信対戦も出来る。

いつか、飛君とやりたい。そう思っていた。

テーブルの上には、これまでに幻が描いたイラストが無造作に置いてあった。

男子高校生の制服を着た、女子高生が壁倒立しているイラスト。

イケメンのコビトが組体操しているイラストなど

どれも個性的なものばかりであった。


亜空幻の家は大都会にあり、そこから徒歩十分ほどで巨大なショッピングセンターに行ける。

そこで今夜、脚光を浴びているイラストレーターによる講座が開かれるので、事前予約を済ませていた。


「突然、世界が終わることさえも、普遍的なことへと変わってしまった。

 だから毎日を有意義に全力で楽しまなきゃ」


以前、ブラックホールが地球の軌道上に出現したらどうなるか教えてくれた時の

飛君の言葉が幻の頭に脳内再生された。

幻は覚悟を決めた。

雨上がりの蒼穹のように、幻の心は透き通っていた。

もう迷いはない。


「私は飛君と、たとえ世界の終末だって生き抜くの!」


幻は前から好きだった飛君へLINEした。

「今夜、ひま? ひまだったらでいいんだけど、新光樹ショッピングセンターに

 七時に来てくれない。デートしよ」

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