ろくでなしの恋
御客様ですか? こんにちは! 自称・四阿の精 シファと申します。どうぞよろしくお願い致しますね。
ああ、どうぞどうぞ!そんなところに立ってらっしゃらなくても良いのですよ。ずずいと此方に御かけ下さいませ。
まだ残暑厳しいようですね。でもなんだか空が高く、青くなった気がしますよ。風に涼しさではなくて、冷たさが混じるからそう思うのかもしれません。
秋ってなんだか、侘びしくさせますよね。私だって……うーん、人の子なのでしょうか?まあ人の形はしてますし、美味しいお茶を淹れられるくらいしか特技はありませ… きゃー!すみません!まだお茶をお出ししてなかったですね! 紅茶、お嫌いじゃないですか? ああ、本当ですか。ふふ、お嫌いだったらきっと此処にが来れないと思います。 不思議な場所でしょう? 決まった来方も特にあるわけじゃないんです。ただ、此処に用がある方だけが来れるっていう場所なんです。 そうですね… なかなかついたことを仰る。
そうです、厄介な御客様も中にはいらっしゃいますよ。追い返してますけども。 此処では私が最強なのです! すごいでしょう? あ、酷い! 別に秘孔を突くわけでもないんですから!
そ、そんなに笑わないでくださいよ。 もう、ほら、お茶を飲まれてくださいませ。冷めちゃいますよ? 熱いといえば熱いので気をつけて召し上がってくださいませね。お茶菓子は… ああ、お夕飯前ですか。確かに食べたらご飯が入らなくなりますね。 はい、承りました。お茶が好きな方… へえ、コーヒーの方がお好きなのですね。私も時々こっそり飲んでるんですよ。 お砂糖もミルクもたーーっぷり入れて! すみません、どうせ味覚がお子様なんですよ。 コーヒーは何がお好きですか? 特に詳しいわけじゃないですけど、私はマンダリンが好きです。 あら、どうしたんですか?またツボにはまってらっしゃる。
………………マンデリンだ。ああ、そうです。うん、マンダリンは北京語ですね!あ、あはははははははは。もうすみません。許してください。こんなんでも此処を任されてる責任者なんです。半沢次長なんです。え、そこまたツボるところですか!? 落ち着いてください! 文章の中に思わず「w」つけそうになるじゃないですかw あ、つけちゃった!これをあざとかわいいとか言うんですよ! いやもう好き放題申し上げますけどもね。
落ち着かれましたか? 良かったよかった。これ以上私も変なことを云わないように気をつけますけども、如何せん…いえ何でもないです。はい。
あのですね、………御客様がいらしてくださって嬉しいです。 御客様はいつだっていらしてくださって嬉しいんですよ? でも、今の御客様は格別に嬉しくて。秋がセンチメンタルを誘ってきたのかもですね。 そりゃ私だってそう思うことありますよ。此処にいてきっと…
私は、上に云われて此処に居ずまいしているだけなんですが。上に「寂しい」って感情を少し取られてるんだと思うんです。じゃなきゃ、こんな生き物すらいない場所に一人で過ごせるわけないじゃないですか。 不思議ですか? 此処、生き物がいないんですよ。鳥の声も聞こえるようで聞こえない、時々波紋をつくるのに、湖には魚一匹だっていない。夏の間は静かなんですよ。だって蝉だって此処には居ませんから。いるといえば私、自称・四阿の精だけなんです。 ……の割に、うまく循環してるのがデタラメな上らしいなぁ。
ごめんなさい、上については何も言えないんです。言おうとしても口から出ないんですよ。ご容赦くださいませね。
話が飛んで飛んで… 忙しい具合ですね。 うーん、まあお茶飲みながら色んなお話しましょう。此処はお話すること全力推奨の場所ですのでっ
何かネタはありますか?なんて伺ってみますっ
ん、え…! ええ!? 恋!? 私の、ですか? ああ、すみません… その辺りの感情っていうのは全部ですね。奪われてると思われるのですよ…
好き、とか。嫌いとか。っていうのはあるのですけど… そういった思いはいっかな… あ、でもないかも。 ええっと、此処って娯楽がないわけでもないのですよ。そこの湖あるじゃないですか。丁度この位置から湖面がいい感じに見えるのですが、これが丁度テレビみたいな役割してくれてるんです。これがみたいな―と思ったら見せてくれるんですけども。半沢直樹とか。 テレビだけじゃなくって… 人の様子を見せてくれるんです。いってみるなら…トレースというのかな?その方の人生を一緒に体験するんです。まあダイジェストでってなっちゃいますけども。全部その方目線でものをみせてくれます。ゲームで言うなればFPSですよ。
これって一つだけ困った事が在るんです。 其処にどうも私の感情が重なるみたいで…心が流れ込んでくるとでも言うのかな? なので其の方が泣いたら一緒に泣いたりすることもあるんです。其の方が好きだと思えば一緒に恋したり…
ああ、でも恋に関しては其処まで、でしょうか。かなり客観的に見ていると自分でも思っちゃいますので。もしかしたら、私は恋に向いてないだけかもですね。あの面白がりの上がってことを考えると。 その時何故見たか、といえば… 恋ってどんな思いなんだろうって思ったからなのですよ。それで上が見せたんじゃないでしょうか?
んっと、視点は女性でした。男女問わず女性から見るものなのですが。 最初は不審がってた方と知り合い、恋をしていくっていうお話なんです。まあ個人情報保護法とかこの辺りでも適用されそうなので、いろいろ変えて申し上げますね。とても仲良くされてて、それはもう此方が恥ずかしいくらいでした。寝ても覚めても…という思いっぷりは病気なんじゃないかってご自分で疑ってらっしゃったのですよ。あ、でも、恋って病気なんですよね。医学的に言うと。えらい人は恋しないって言うのを聞いて思わず納得したのですよー。恋をしない私は偉い人に分類されるんでしょうかね?
でもまあ… 蜜月って濃ければ濃いほど、のちが薄くなるって思いません?ずーっとラブラブっていうのは都市伝説なんだなって女性は思ってたそうです。
あ、そういえば、アイスクリームはお好きですか?私は甘いモノならだいたい何でも食べますけども。其の方はアイスクリームが好きだったのですよね。でも、あまり食べられなくなりました。
なぜかって… 彼女は好きな方の愛情をアイスクリームだと仰っていました。。アイスクリームの愛情とはなんぞや。 よくぞ聞いてくださいました。冷たくて、甘いんだそうです。 その好きになられた方がきまぐれな方で… もともと感情の起伏が激しい方でらっしゃるようなのですよね。女性の方は基本、愛する人のことはすべて愛するをスタンスでやってたのですが… それが男性側の甘えを引き出したというか。もともとすごくわがままな方だったようです。……まあ、女性の方もそこそこ我儘でしたけど。最初の頃は毎日会話してたんです。もちろんメールも毎日。それが二日に一回になって、一週間に一回になって。 一ヶ月に一回になるのにあまり時間がかかりませんでした。
「何故、連絡をくれないの?」といえば仕事が忙しいからと答えられます。そして此方が連絡して欲しい時しかくれるな。メールも控えろと云われるようになったんですよ。女性の方も連絡がないのでかなり酷い物言いのメールをされたりしてましたのですが…
私は暇人なのでわからないのですよね。メールをしていられないほどの忙しさって。話そうという約束もことごとく破られて、何度も泣いて…
お友達に相談すれば口をそろえて「別れろ」となるのですよ。 最初はパフェからソフトクリームに、カップに、そしてひとさじのアイスに変わっていったなぁと。 そんな状態だから… 彼が話してくれるだけで幸せっていうバカみた…ええ、あははは。 えーっと、小さな幸せ見つけて、嬉しいと喜んでるさまはもう胸が痛かったですよ。それでも好きなのだなぁって。愛とは偉大だなって思ったんです。 でもある日転機はおきて、男性のほうが酷かったと反省したのですよね。 そこからひとさじだけではなくなるんです。ただまあ、彼女の方もすっかり幸せ探しが上手になっちゃって… 疑ったのですよね。ちなみに蜜月終了からが一年くらいだったか…な?
うーん、もうちょっとだったかもしれません。二年だったような気もするのですが… 可哀想なので短い方ということで。一途さが胸を打つっていうか、いつか水滴石を穿つとありますが、其れだったのではないかなと思ってます。素直に良かったって、私も思わず泣いてしまいましたよ。それからは前よりずっと多く一緒に話したりしてました。ただ… 女性の方としても納得してないことが有りました。彼がネットゲームにはまりはじめたようです。
彼女との時間がとれるときは…っていうのがどんどん加速していって、いつしか女性との時間よりもゲームで遊ぶことに男性は熱中していたのですよね。それでもきちんと時間を決めて遊んでいたようですけども… 仕事>ネトゲ>彼女 っていう順番をキープするようになりました。彼女の方もそれを薄々感じていましたが、黙っていたんです。なんて言ったって、そのゲームを紹介したのは彼女だったんですから。男性の方は最初、彼女に勧められた時は何やかんやと断っていました。
あるきっかけでそのゲームをするようになりました。彼との会話がそのゲーム一色になり始めたのですよね。
そりゃ彼女の方も良い気分はしないのですよ。恋人らしい会話よりもゲームばかりですから。内心彼からゲームの名前が出る度に、カチンときてたみたいです。かなり勧めたのにって。 そして、大幅にアップデートされることが決まりまして。彼女の方も、お友達さん方とやろうという話が出たので、一緒にしようときめました。
彼はというと、実はその仕様変更を嫌っていて、彼女がまた誘ってもやるつもりなかったそうです。 ……でも、やることにしたんですよね。いつも彼が仲良くしているネットゲームのご友人方が皆様されるそうなので。 それで彼女を誘ったんです。一緒にやろうって。
これもまたあれなのですが… 女性の方は怒り心頭に発するとか、怒髪、天を衝くっていう状況だったのは言うまでも及びませんよね。 だって、自分はついでなのですもん! 彼が心機一転したとき彼女に言ったんです「お前との関係を、お前を大切にする」って。 これは人それぞれかもしれないのですが… これをラッキー!と思うのか、ふざけないでッて思うのか。 彼女の心境はおわかりですか…? そうです。仰るとおりです。彼女は思ったんです。ふざけるなって。
其処まで蔑ろにされて嬉しい訳がないと。 どんな事情であれ彼女は一緒にゲームをするつもりは無くなったんですよ。もう絶対やってやらないって。「大切」である存在を「ついで」に扱うことが許せなかった。 ああ、まだ話は続くんです。それでも表面上は上手くいってました。少なくとも男性の方はそう思ってたようですよ。…彼女の方は違いますけども。前言撤回されたとしても、もう彼女は彼のことを信じられなくなってました。 「大切だ」って言いつつも、あっという間にゲームに走るっていう、いともたやすく行われるえげつない行為をされたわけですから。
え、これは取り方次第だろう… そう、ですね。なんだか流れ込んで来たものはまだ残ってるみたいで… 本当を言えば私もこの男性、あまり好きじゃないのですよね。……大切な人を泣かすなんてことを、何度もされてるのですから。 そして月日が経ちます。彼女のお誕生日になりました。まあ口が悪いのですが、男性の収入が多いとは言えないのですよね。 だから…プレゼントをもらおうとは思ってはなかったようで。というより、この男性、あげるといいながら、プレゼントしなかったことがあって…
ホワイトデーですら何もしなかったんですよ。何故くれないの?っていったら「遅れて渡すのも悪いと思ったんだよ」って物凄く怒りながら仰ってました。
……はっきり申し上げますね?ば、バカじゃないの!?って思わず突っ込みましたよ。 で、彼のほうがどうも仕事があるようなので、特に連絡をしなかったんです。其の前後、彼の仕事はとても忙しいらしくて、声をかけてまた怒らせるのも嫌だって思ったのでしょうね。 誕生日は何もなく一日が経ちました。彼女も仕事してましたしね。仕事仲間がお祝いしてくれたりもしたのですが… 私、誕生日というものがないのですよね。だから毎日誕生日といえるんです。つまり、プレゼントは随時受付中です!
ああ、脱線しましたね。 でもまあ…大切だという人が生まれた日ですから、メールや電話でもするじゃないですかー。
でもまあ… こうやって長とお話してくらいだからわかるでしょう? 何も、なかったんです。 メールも、電話も。何も。
流石に落ち込みますよ。まさか忘れられてるとは思わないですから。正直なところ、誕生日を彼が黙殺するとは思ってなかったようで。
バカ発見器って御存知ですか? 勝手に自分がバカだなって世界に向かって露見するものなのですが。最近はニュースなんかでよく流れてますよね。
でもまあ… それってニュースでやるようなことばかりがバカなこととは限らないんですよ。 彼女はそういう繋がりは鬱陶しくてされないそうです。ちなみに私もその意見に賛成です。此処に来て下さる方との関係を大切にしたいという崇高な志を持っているからですね。えへん。
…ご、ごめんなさい。調子に乗りました。彼の方はネットゲームのお友達との連絡手段として使われているようです。誕生日の翌日の朝、見たのですよね。四時間前までゲームをしてたんだなってわかることが。 あの、お金をかけないでお祝いすることって何かできると思いませんか? 彼という人はとても絵を描くのが上手な方なんです。彼女が彼の近くによるようになったのは絵なのですが…
其れは彼女も同じなのですよね。彼女も趣味で絵を描いていました。 誕生日の日にもプレゼントと絵を、って。其れこそ数カ月前から考えていたんですよ。
これ、好きな漫画にかいてあったのですが。「お金かけずに、手間かけて」って言葉があるんです。その通りだなぁと。お金がかけられないなら手間を、手間を惜しむならお金を、って具合になるんじゃないのかな。 彼はどちらもしませんでした。彼の方はトレース出来ないのですが… 仕事がお辛くて、彼女の誕生日を忘れて、押してでもゲームでストレスを発散するってことをえらんでしまったんでしょうが。 其れを知った瞬間、彼女の中で何かが爆ぜちゃったみたいで。
携帯電話を見ました。すべて保護がかけられてあった彼からのメールを削除しました。 彼関連の画像をすべて消去しました。アドレス帳を開いて、彼のアドレスからのメールはすべてサーバーで削除されるように拒否しました。着信拒否ももちろん。 共有していたデータサイトの管理者パスワードを変更しました。サーバーを借りて其処にすべて移転でき次第、そのサイトは消す段取りを整えました。そして、引っ越し情報誌を開きました。彼女は…結婚したかったんですよね。なのでお金をためてました。其のお金で引越資金は十分あります。 即入居できる気に入った物件は縁があったのかすぐに見つかりました。 そこそこ散らかってますが、思い立てばはやかった。
その日のうちに家を片付け引っ越し会社に査定依頼をしました。できるだけ早くってお願いして、引っ越しはその週中に行われることになりました。
あっという間に、決めてしまったんです。 彼から連絡があったのは、その一週間後くらいでした。丁度彼女の休みの日。
もちろん、連絡っていっても着信拒否した番号が通知されるだけなのですが。 彼女は初めてそこで泣いたのですよね。自分でもなんで泣いたのかはわからないんですよ。まだ好きなのかって自問自答しました。
友達に電話して、ひとしきり泣いて、泣いて、泣いて… 一人でも泣いたんです。
彼と別れを決意して初めて。辛かったんだなぁって。好きだったんだなぁって思いながら。沢山、沢山泣きました。
でも、何故これが一番悲しいかって言ったら――これで彼がわかれようと思うからなんでしょうね。今まで女性のほうが、怒って突き放したら、彼がさらに突き放すって行為に及んでました。彼女の方もそんなことしなけりゃいいのに… そして追いかけなければいいのに。追いかけてしまったんですよ。そうして彼に隙や甘えを確実に作っていったんです。
きっと、それは今回も適用されるだろうと思っての… 本当に終わってしまったという涙でした。PCのメールアカウントですら削除してしまったようですから!彼が何を言っても、彼女には届かないでしょうし。よく怒る人なのできっと怒ってるのではないかなぁ… どう思われますか?
でもこう… 思ってたのですよね、彼女。其れすらも全て乗り越えて来てくれないのは、彼の優しさではなく甘え。形振り構わず、土下座して謝ってくれたら変わるかなって。
でもわからないんですよ。あの時爆ぜてしまった思いは、一週間では元に戻らなかったようです。家まで来ても、もうもぬけの殻。 ただ…まあ、連絡を取るというか、一方的ですが其の方法はあるんです。
でも…今更ですからね。彼としても当日、電話したりメールしなかったのは、別れのフラグ建てで彼女の方からこうさせたかったのかもしれませんね。そうしたらとんだ悪者です。笑っちゃうでしょう? 彼女が泣いたのは… メールで別れを告げられているだろうって。振ったのは此方からでした。彼女はただ別れの言葉を言うのが怖かったんですよ。今迄別れ話が出なかったわけじゃないみたいで。
いつも彼が怒り狂いながら別れるぞ!って脅しました。其の度に彼女は悲しくて悲しくて仕方がなかったんです。彼の怒りが収まればそれはなかったことにされました。
でも彼は言うんですよね。「オレが別れたいっていうのは、其の時は本当に別れたがってる」
別れって、そんなに簡単なものなのでしょうか? 怒りが収まったくらいで別れを取り止めるっていうのはあまり考えられないですよね。
本気で別れたいというより、彼女を何かで黙らせたかったんだと思います。其の度に彼女の心が潰れていくのを知っているにもかかわらず。それって絶対やってはいけないことだと思いませんか? 大切だといった相手を脅迫してるようなものなのですから。
あ、少なくとも、彼女にはそう捉えられたようです。彼のほうが違うみたいなことを言ってたような…… 彼女の心が強く流れすぎて、私はすっかり彼のことを悪者に思えてしまったのも… 此処を思えばしかたのないことですよね? そんなよく繰り広げられる喧嘩は時間と彼の怒りが収まれば解決してくれました。どうなるか。
有耶無耶になるのですよ! そう、いつも有耶無耶にしてしまうんです。いつも有耶無耶になって消えてしまっていました。もうたまらなく嫌だったんでしょうね。彼が重ねてつく小さな嘘も、黙殺されてしまうことも。裏返したようにかける甘い言葉も
。 涙で過ごす日々だというのは目に見えていたようですが、それでもって決断したのですよね。ありがたいことに仕事も忙しくなり始め、気遣ってくれるお友達が毎週家に遊びに来て、彼のことを思い出すなんて出来なかったようです。此処で初めて、彼がメールできないほど、電話出来ないほど忙しい目に合ってたんだなってわかったようなのですが… それでも、と思うのはどうしようもないですよね。 ただある日唐突に、自分があの日泣いた理由がわかったんです。もう彼を愛せないってわかってしまったんだと。それが確実にわかって、胸が痛くて痛くて仕方ないんですよ。 覆水盆に返らずってこれだなと。彼はそれを気付かずにやってしまって、今も反省せず怒っているのだろうか。逆恨みもいいところじゃない。 そう思って泣けてしまったみたいで… 結果別れてよかったんじゃない?って思うのですけどね。 取り敢えずはこんなのを秋に見たのですよね。丁度前の秋だったかな?
ああ、此処は時空が歪んでいるというかフリーダムというか…特に関係していないみたいなのですよ。いつでもであり、どこででもある。其の逆もしかりなのだとかで…
此処の常連さんはすっかり来るコツを掴んでらっしゃるのかな? 思わずへーって。出入りがあまり多くないところなので、余計嬉しいのですよね。 次は… いつ来ていただけるのでしょうね?私でもわからないです。 いらっしゃりたいとき、または此処が必要だと思った時。 またいらっしゃるんじゃないのでしょうか。 私ができることは本当に少ないので… ごめんなさい、来方に関してもわからないんです。私は此処であり、此処は私でもあるので… 逃れたいと思ったことはありませんが。そう… えっと、あれです。 蜘蛛の巣にかかった獲物、みたいなものなのですよ。どうあがいても逃れることが出来ないんです。此処の蜘蛛は凶あ… い、いえ!何でもないですよ!? こう…最強。うん、最強っていうのかな。最強ですよ。ほら、すごくかっこいい。 少なくとも私は逆らえません。ね、かっこいいでしょ? ほ、ほら!かっこいいって仰って!お願い!
んー、この前の秋に見たのが言うならば「ろくでなしの恋」でしょうか。やー、彼女がそう言ってたのでそのまま借りることにしました。御自身と御相手を皮肉った言葉で此のお話は終わりに…
え、続きを? ええっと確かに見られなくは… あ、ああああああああ!!! 思い出した!! 見たのですよ、続きを! 見たのですよ!!!!
よ、よくよく考えたら似てたかもしれないです。 FPS目線だからって自分が見えないわけじゃないんですよ? 鏡とか、そういったところで見ることができるんですけど。 そ、そうか… そう、うん。 彼女は、とても元気そうにされてました。あれから何年経ったかはわからないのですけども… 元気そうで、何より幸せそうでした。腕の中にいる赤ちゃんをあやして、お母さんの顔をしてたんじゃないのかな? 赤ちゃんがいるってことはお父さん… の姿は見られなかったのですよ。でも、母子家庭な雰囲気ではなかったし。最後、幸せいっぱいな顔をして玄関まで行くんです。そして、彼女はいったのですよ。「おかえりなさい」 そこで、終わってしま…… ん、まて。もしか…
いやでもまあそんな都合の良いことが起こるわけないと思うのですが…
え?あ、あはははは。いえ何でもないですよ。彼女は幸せに暮らしましたとさ、でいいじゃないですか! 此の話は此処でおしまいです。
ああ、随分私は長く話していたみたいで… 喉がなんだかいがいがしますね。あとかりん酒でもの… のみませんよ?主成分はバラのジャムってことにしてますし。こうやって冷めた紅茶を飲めば、喉もスッキリ爽やかにいがいがから開放してくれますよ! 紅茶って良い飲み物ですね。 そう思いません? そういえば…世の中には不思議なお茶があるんだよって聞きました。それを飲めば、会いたい人に会えるんだとか。
うちは現実的な紅茶しかおいてませんのでそういうのにはご縁がとんとないのが悲しいですね。ふしぎいっぱい夢いっぱいな場所でこんなトコを切り盛り…ってわけでもないですけど、一応切り盛りしていますしね。 ああ、良い時間に… 時間軸を考えてももうそろそろ戻られ… あ、お迎えが来たようですね。
大丈夫ですよ、其の霧は帰る場所に連れて行ってくれる霧で、いきなりパラレルワールドになって格闘!なんてことはありませんから!
どうぞ、お疲れ様でした。美味しいお夕飯、召し上がってくださいませね。
私は… 御客様をいつでもお待ちしておりますので。どうぞまたいらっしゃってくださいませ。今度はお客さまのお話を聞かせて頂ければと思います。
いやー、こんなに話すことってどれくらい振りかしら…? えっと… え? それは聞いたらダメですよ。 女性と宝探しは謎が多いほうが魅力的でしょう? それに、其の質問はデリカシーに欠けます! もう此処に来られないかも。此の美味しいお茶ももう飲めませんよー?
ふふ、冗談です。 どうぞまたいつでも遊びにいらしてくださいませね。 いつまでも、私は此処でお待ちしておりますから。
蜘蛛が飽きてしまうまで、私は此処に居ます。この四阿がもしかしたらおうちになってるかも。それでもご安心を。ちゃんと客間にはいつでも美味しいお茶を用意しておりますのでっ そこは私の矜持です! それでは、ありがとうございました。 良い、夜をお過ごしくださいませ。(礼)




