表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/36

第8話 クララ

「クララ、エルから手紙が来たの。6月の長期休暇にこっちに行きますですって。」

エルフリードからの手紙を胸に、レイアが嬉しそうに話しかけてきた。


「まあ、お嬢様。良かったですね。」

クララは喜びを溢れさせるレイアを見て、微笑ましそうに笑った。


お嬢様は自覚はされてないようだけど、エルフリード様のことがお好きなのね。


赤ん坊のころから乳母としてずっと世話をしてきたのだ。

実の親はこの15年一度もここに現れたことはなく、ほぼクララが親のようなものだ。

些細な表情の変化でもレイアの考えていることがわかった。


                  ※



元々、男爵令嬢だったクララは学院で出会った恋人がいた。

学院を卒業した後、すぐに彼と結婚し妊娠した。

思えば、あの時が人生の絶頂だった。

愛する夫とこれから生まれてくる我が子。

毎日がバラ色だった。


そんな幸福な日々はある日一瞬で崩れ去った。

夫レイアードが落馬事故で、突然亡くなってしまったのだ。

精神的ショックが影響したのか、その直後に生まれた娘は死産だった。


夫と娘の死。

産後の体調不良。

生きる気力を失くしたクララを心配した両親が、侯爵家の娘のための乳母の職を探してきてくれた。


我が子が生きていれば同じくらいの月例の赤ちゃんで、銀色の髪と青い目を持つとても美しい子だった。

レイアという名前も亡き夫レイアードの名を受け継いだようで、子供を失ったばかりのクララにとっては我が子が生き返ってきてくれたような気持ちになった。

それはもう一生懸命愛情を注いでレイアの世話をした。


レイアが2歳半ばになった頃、珍しくクルム侯爵がレイアの部屋にやって来た。


どうしたんだろう?

旦那様がお嬢様の部屋に来るなんて珍しい・・・。


クララが不思議に思った瞬間、ルイスはいきなり話を切り出した。

「クララ。お前の父親が事業に失敗して大きな借金を抱えているのは知ってるか?」

家からの手紙でなんとなくは聞いていた。

クララはビクっと身体を震わせた。

「わ、私はクビになるのでしょうか?」

仕事がなくなることより、可愛いレイアと引き離される恐怖が頭によぎった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ