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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第48話 断りの結果

「なっ!」

驚くレイアにマルクスはこの3日間の王宮での出来事を説明し始めた。


「兄上が王位継承権を放棄すると言い出したんだ。僕に王太子の位を譲ると言って。」

レイアは驚愕した。

「何故・・・?」

「君が求婚を断ったからだ。兄上は王太子の座にいる限り、一刻も早い結婚を周囲から求められる。君が聖女である間は、いかに王族といえど婚姻を強制するわけにはいかないしね。」

「でも、私はエルが好きなので結婚は無理ですとお伝えして・・・。」

「兄上はとても優秀なんだ。ずっと年配の大臣や、高位貴族の重鎮たちも兄上には一目おいている。この国をより豊かにできる良き王になると期待されているんだよ。僕じゃ、そうはいかない。この意味がわかる?」


レイアは首を横に振った。

「大臣も僕もみんな兄上に王位について欲しいんだ。兄上が君と結婚できないなら王位を降りると意思表示したわけだから、周囲の人間はこぞって君を説得しにくるだろうね。」

「そんな・・・。」

レイアは青ざめた。

「影響はエルフリードにも及ぶよ。優秀だった王太子の想い人を奪い、その座から引きずり降ろした者として白い目で見られるだろうし、この国での出世や活躍は難しくなるだろう。それどころか貴族社会で安寧な生活を送ることすら大変になるかもしれない。」

「・・・。」

「兄上は普段は物にも人にも全く執着しない人だけど、そのぶん心から欲しいと思うものが出来た時はそれに対するこだわりは人一倍強いんだ。この国にいる限り、君は兄上から逃げられないよ。さっきも言ったけど、君の大切な人であるエルや乳母などにも影響が出るだろう。」

「そんな!」

呆然とするレイアにマルクスは続けた。

「僕が伝えたかったのはそれだけだ。よく考えてみて。兄上は君を大切にするだろうし、あらゆる事から守ってくれるだろう。悪い話じゃないはずだ。」

無言でうつむくレイアを残しマルクスは静かに部屋を出ていった。


その翌々日には宰相を名乗る50代くらいの男性が訪れた。

それを皮切りに王国の重鎮たちが代わる代わる神殿を訪れ、レイアを説得しに来るようになった。

言うことは皆同じだった。


フェリクスに嫁げ、と。


連日の説得にレイアは次第に精神的に追い詰められるようになっていった。


大切な人たちが私のために不幸になるなんて耐えられない・・・。

エルへの気持ちには蓋をして、大人しくフェリクス様に嫁ぐべきなのかもしれない。


そうしていつしかそのように考えるようになっていった。


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