第47話 断りの結果
翌日レイアが午後の奉仕活動を終えた頃、フェリクスが神殿を訪れた。
今日も珍しいお菓子を持参して来てくれていた。
2人でお菓子をつまんだが、緊張で味が分からない。
応接室のソファですぐ隣に座るフェリクスを見上げ、レイアは唾を飲み込んだ。
昨日は絶対殿下に自分の気持ちを伝えると固く決意したものの、いざ本人を目の前にするとなかなか勇気が出なかった。
「あ、あの・・・。フェリクスさま・・・」
「レイア、どうした?」
フェリクスは微笑んで、さりげなくレイアの肩を抱き彼女を引き寄せた。
「!」
レイアは真っ赤になって身体を固くした。
「あの・・・あの・・・私・・・やっぱりお妃にはなれません。フェリクス様が立派な方で、私の事をよく考えて下さっていることも分かりました。でも、私はエルのことが好きなんです。」
口を開けば、一思いに勢いで言いたいことを言い切ることが出来た。
そしてレイアの言葉を聞いて、フェリクスからは表情が消えた。
「君の気持ちはわかった。」
フェリクスは一言そう言うと、ソファから立ち上がった。
「今日はもう帰らせてもらうよ。じゃあ、また。」
固い表情でそれだけ言うと、彼は部屋を出て行った。
フェリクスから”わかった”と言われた時、自分の気持ちを理解してもらえたとホッとした。
最後の”じゃあ、また”という言葉に一抹の不安を感じながらレイアも応接室を後にしたのだった。
フェリクスに気持ちを伝えてから3日後。
レイアは再び応接室に呼び出された。
外部から神殿に自由に出入り出来る人物は王族や特別な地位についている者だけだ。
まさか、またフェリクス様が・・・?
暗い表情で応接室の扉を開けると、そこには意外な人物が座っていた。
「マルクス様?」
フェリクスの弟でソフィアの婚約者だった第2王子だ。
一度会っただけだがレイアとエルフリードの恋を応援してくれている様子だったので悪い印象はなかった。
「レイアもそこに座って。」
向かいのソファを勧められ、レイアは居心地が悪そうにそこに座った。
「兄上の求婚を断ったそうだね?」
マルクスの言葉にレイアはぎこちなく頷いた。
「僕も初めは従弟であり友人でもあるエルの初恋を応援ようと思ってたんだ。彼の長年の行動も間近で見てたしね。でも、事情が変わった。レイア、兄上と結婚してくれ。」




