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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第43話 神殿での生活

王宮への連絡はヨハンに任せた。

田舎育ちで教養のない自分にはとても王妃などは務まらないため、聖女になり心穏やかに過ごしたいと願っていると伝えてもらった。

レイアが聖女になったことで、周囲の人たちも他の女性を王子に勧めるだろう。


王太子様がお妃を決めるまでどれくらいの期間がかかるか分からないけど、ひとまずこれでヤレヤレね・・・。


それから1か月は朝起きて祈りを捧げた後、日中は神聖力を高めたり効率的に使うための修行の繰り返しだった。

神聖力は悪魔などの悪しき者を攻撃したり滅したりすることが出来るが、それ以外にも力を癒しに変換し病気の快復を促したりもできる。

レイアは神聖力が高いため、毎日時間を決めて神殿を訪れる人々の治療を行った。


レーゲンスブルクでもヨハンと訓練はしていたが力を長時間使うことはなかったため、毎日夜にはくたくたになりベッドに倒れ込むと直ぐに寝てしまうという生活だった。

王太子や侯爵家のことなど考える余裕もなく、すっかりそのことも頭の片隅に追いやられていた。


「シスター・レイア。大神官様がお呼びです。応接室の方へお越しいただけますか?」

神殿内で伝令をしている少年神官がレイアを呼びに来た。

「大神官様が?」

なんだろう?

応接室は神殿の横に建てられた神官の住居や神官の執務室がある棟の中にある。

レイアは不思議に思いながら応接室を訪れた。


コンコン

「大神官様。レイアです。」

「入りなさい。」

セドリックの声が聞こえた。


レイアが扉を開け部屋に入ると、中には大神官以外にフェリクスがソファに向かい合って座っていた。

「!」

レイアは息をのんだ。


「やあ、レイア。1か月ぶりだね。」

フェリクスがにこやかに話しかけてきた。

「・・・ご無沙汰しております。」

レイアはスカートをつまみ膝を折った。

「ああ、畏まらないでくれ。今日は君と話したいと思って来たんだ。大神官、ちょっと席を外してもらえるか?」

フェリクスの言葉にレイアはビクっと身体を震わせた。

「神聖な神殿の敷地内で君に何かするわけないよ。お互い誤解があるようだから、君と腹を割って話たいだけだ。」

その言葉を受けセドリック気づかわしげにレイアを見た後、部屋を出て行った。


「そんなところに立っていないで、そこに座って。」

フェリクスに向かいのソファを勧められ、レイアはおずおずと腰かけた。

手を膝の上で握りしめながら不安そうにフェリクスに視線を向けた。

「君が聖女になったのは私から逃げるためか?」

いきなり直球の質問だった。




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