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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第4話 契約の後

その後、父と兄夫婦の葬儀を取り行い、ルイスは新たなクルム侯爵に就任した。

侯爵家の資産も引き継ぎ、借金はそれで支払うことが出来た。

悪魔は約束を守ったのだ。


その後、アルベルトからの接触はないまま1年が過ぎ、ルイスとエマの間に2人目の娘ソフィアが生まれた。

クルム侯爵家では祓魔の能力を強く受け継いだ者は銀の髪に青い目の者が多かった。

レイアはルイスに似て銀髪碧眼だったが、妹のソフィアはエマに似て金髪に緑の目をしていた。


あの日以降、ルイスもエマもレイアを腫れ物のように扱っていた。

いずれ悪魔に取られる娘だ。

愛情をかければかけるだけ、離れがたくなる。


愛する妻によく似た新しい娘が誕生したことで、ルイスの中で新しい感情が生まれた。

一緒に育てれば、妹から姉への信愛の情が生まれるかもしれない。

レイアが悪魔に捧げられた時、姉が急にいなくなったことでソフィアも父の愚行を知ることになるかもしれない。


それならば、いっそ・・・。


ソフィアが生まれてしばらくすると、ルイスはレイアを乳母のクララと一緒に侯爵領の中でも辺境にある村へと送ろうと決意した。


レイアを見ると、自分の犯した罪と毎日向き合うことになる。

それならば自分の目の届かないところに彼女をやってしまえばいい。

実のところは体のいい厄介払いだったが、表向きは身体の弱い長女を空気の良い田舎で静養させるということにすればいい。


最初のころはレイアを田舎にやることを渋っていたエマも、生まれたばかりのソフィアを育てるうちにレイアのことは諦めたようだった。


ルイスは乳母のクララを呼びつけた。

レイアのことは自分の子のように可愛がっているようだし、レイアを託すには最適な人物だ。

悪魔との取り引きでレイアを彼に捧げることになっていると告げると、クララは目を見開いて固まった。

「レイアはどうせ悪魔の生贄になる身だ。生きていれば何でもいい。教育などもいらない。あと、レイアが物心がついても悪魔のことは絶対に話すな。逃げられては困るからな。おまえが俺の言いつけを破ったら両親や弟たちがどうなるか・・・わかってるな?」

ルイスに耳元でささやかれ、クララはブンブンと首を振った。


両親と弟たちを盾に取られているのだ。

彼女の実家の男爵家はかなり貧しい上に借金もある。

それを援助してもらう代わりにクララが田舎でレイアに付き添うという契約だ。

万が一レイアを死なせたり逃がしたりすれば、自分はもとより両親や弟たちの命も危ないだろう。

ルイスの冷酷さは屋敷に勤めている中で、身をもって知っている。

乳母として赤ん坊の頃から面倒をみているレイアは可愛いが、家族の命を盾に取られては、ルイスの命令に逆らうという選択肢はクララにはなかった。




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