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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第37話 謁見の準備

クララによって、薄く化粧を施されたレイアはいつもより少し大人っぽく、彼女の儚げで繊細な容姿は清廉な聖女の正装によって、より際立ったものになっていた。

レイアを見たエルフリードは目を見張った。

「エル。どうかしら?」

「似合ってる。すごく綺麗だ・・・。」

「ほう、これは素晴らしい出来じゃ。さすがクララだ。レイアの良さをよく分かっている。」

男性2人に褒められ、レイアも嬉しそうに微笑んだ。


「謁見は今日の夕方になった。王宮で国王と大臣たちに会うことになる。あと、わしとエルの同伴は許可されたぞ。」

ヨハンの言葉にレイアはホッと息をついた。

「エルも・・・、良かった。」

レイアが休んでいる間にヨハンが王宮や神殿に掛け合ってくれたのだろう。


エルフリードがついて来てくれることに安心しつつも、貴族としての教育をきちんと受けていないレイアは王宮を訪れること自体が恐ろしくてたまらなかった。

クララは、そんなレイアの不安を理解していた。

「お嬢様。大丈夫です。貴族の礼儀は私がきちんとお教えしています。それに今回、お嬢様には何の可否もございません。自信をもって堂々となさっていればいいのです。」

クララの励ましにレイアは微笑んで頷いた。


「謁見は夕方からだが、昼過ぎにはここを出ないといけない。2人とも準備は大丈夫か?」

ヨハンの言葉にレイアとエルフリードは緊張した面持ちで頷いた。


              ※

大神殿も大きく荘厳な建物だったが、王宮の大きさはそれをはるかに上回るものだった。

それを馬車の中から見たレイアは緊張がよみがえってしまった。

目を閉じ、手を胸にあて大きく息をはいた。

横に座っていたエルフリードは励ますようにレイアの肩を抱き、安心させるように反対の手をレイアの手に重ねてきた。

レイアは顔をあげエルフリードを見た。

エルフリードが微笑むとレイアにもつられるように笑みが出た。

それを向かいに座っていたヨハンが微笑ましそうに見ていて、彼の視線に気付いたレイアは再び恥ずかしそうにうつむいたのだった。


そうこうしているうちに馬車は王宮内に到着し3人は中へ通された。


待機場所として案内された部屋も豪華な部屋だった。

部屋に入ると3人はソファに座り、謁見で言うべきことを改めて整理することにした。


「まず、最も可能性が高いのはレイアが侯爵家の跡継ぎに指名された場合だ。その場合、レイアはそれを承諾し、婚約者のエルフリードが婿入りし支える。これでいいな。」

ヨハンの言葉に2人は頷いた。

「次に、クルム侯爵家が取り潰しになった場合じゃが、エルがフェルゼンシュタイン公爵が持つ侯爵位の一つを受け継ぎ、レイアがエルの妻になる。」

レイアが不安そうな表情を浮かべた。

「エルのお父さまは、私がエルの妻になることを了承して下さっているの?問題を起こした家の娘なのに・・・。」

エルフリードは笑顔で答えた。

「僕は次男だし、もともと公爵家からは出て行く人間だから結婚も好きにしていいと言われていたんだ。父と母も恋愛結婚だったし、兄さんのお嫁さんも学院で出会った子爵令嬢なんだ。レイアなら大丈夫だよ。」

レイアは少し安心したように笑みを浮かべた。

「それと今の王妃様は僕の父の姉にあたる方で、僕は一応国王の甥になるから付き合いもあるんだ。陛下は優しい方だし、無理なことは言わない方だよ。」

「そうなの!」

初めて聞く事実にレイアは目を丸くした。


その後も細かい打ち合わせをして一息ついたところでドアがノックされた。

「謁見の間の方にご移動いただけますか?」



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