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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第36話 謁見の準備

翌朝、レイアは早々に起こされた。

そして朝食後、神殿内にある聖堂に案内された。


聖堂には荘厳で立派な祭壇があった。

そこに両手で抱えられるくらいの大きな水晶が安置されており、水晶の周りには数人の神官が立っていた。


ヨハンが、そのうち一人だけ異なる神官服を纏う男性に視線を向けた。

年はヨハンより少し下くらいだろうか。

「彼が大神官のセドリックじゃ。」

軽い口調でヨハンに紹介されたが、田舎にいたら大神官など雲の上の人だ。

恐縮するレイアにセドリックは親しげに話しかけてきた。

「クルム侯爵令嬢。この水晶に触れてみて下さい。」


促されるまま手で触れると、水晶はまばゆい光を放った。

「おお!これは凄まじい神聖力だな。さすが、クルム家直系のお嬢様だ。」

セドリックが感嘆の声をあげた。

「これで、聖女の認定は合格じゃろう?」

ヨハンがセドリックに尋ねた。

「ええ、問題ありません。この神聖力なら大聖女にもなれますよ。」


セドリックから聖女の認定を貰うと、ヨハンはレイアを連れてエルフリードとクララのいる部屋へと移動した。


「これで、レイアがわしの弟子だと認定されたから謁見に付き添える。謁見用のドレスなども直ぐに用意できないし、装いも聖女の正装でいいじゃろう。」

そう言ってヨハンが用意してくれたのは、柔らかい白い布地に金糸で繊細な刺繍が施された聖女の正装服だった。

「きれい・・・。」

レーゲンスブルクにいては、このような精緻な造りの服を見る機会はない。


純粋に美しい衣装を着れることを喜ぶレイアをエルフリードが複雑そうな表情で見ていた。

「エル。これ似合わないかな?」

レイアは恐る恐る尋ねた。

その言葉にエルフリードは慌ててそれを否定した。

「いや、違うんだ。レイアはただでさえ綺麗なのに、こんな服を着たら他の男の目が・・・。」

レイアは顔を真っ赤にし、クララは満面の笑顔になった。

「まあ、エルフリード様。他の男性にも可愛い婚約者を自慢してくださいな。クルム侯爵家の跡継ぎとして、王家の方たちに侮られない格好をしなければなりませんしね。」

ヨハンも笑いながら同意した。

「そうだぞ、王宮での謁見じゃからな。色々相談する時間も必要だし、早速着替えたほうがいい。」

「レイア様。着付けやお化粧はクララにお任せください。お嬢様を王国一の聖女に仕上げてみせます。」

そう言って、エルフリードとヨハンに部屋から出るよう促した。

「楽しみにしてる。僕は先生と他の部屋で打ち合わせをしているよ。」

そうして2人は部屋を出て行った。


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