第34話 悪魔が去った後
聖騎士団が去った後、聖堂に残ったのはレイアとエルフリード、クララ、ヨハンの4人だけだった。
ずっと会いたいと思っていたのに、実際に会えるとかける言葉が思いつかない。
レイアは安堵の涙を浮かべ、エルフリードの胸に顔を押し付けた。
「レイア。お前は被害者だが、関係者でもある。今後、聖騎士団からいろいろ話を聞かれるじゃろう。エルフリードもクララも今は大神殿に滞在しているから、一緒に神殿に来なさい。」
ヨハンがそう声をかけてきた。
レイアはエルフリードの胸から顔をあげた。
「先生。私、どうなるのでしょうか?」
「クルム侯爵家がどうなるかは今後、神殿と王家で相談して決められるだろうから、今は何とも言えん。悪魔召喚は重罪だから、お家取り潰しの可能性も否定できない。しかし、クルム家の歴史的価値を考えると、お前を新侯爵として家を存続させる可能性の方が高いと思っておる。」
ヨハンの言葉にレイアは不安そうに身体を震わせた。
そんなレイアをエルフリードは優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。レイア。そうなったら僕が君を支えるから。それに、クララも先生もいるだろう。」
「クララは取引の事を知っていたことは追及されるじゃろうが、家族を盾に脅されていたことは考慮されるし、罪に問われることは無いじゃろう。」
ヨハンもエルフリードの言葉に頷いている。
「クララ・・・」
レイアはエルフリードの腕の中からクララの方に顔を向けた。
「お嬢様。申し訳ありません。私、知っていたのに・・・。知っていたのに王都に行くのを止められなかった・・・。」
泣きながら詫びるクララにレイアは微笑んだ。
「クララ、顔を上げて。ご家族の命を盾に脅されていたのでしょう?クララの気持ちはこのロザリオから伝わってきたわ。私、嬉しかったの。実の両親から血がつながっているとは思えない扱いを受けて心が凍りそうになった時、このロザリオが私の心を守ってくれたのよ。」
「お嬢様!」
クララは顔をくしゃくしゃにしてエルフリードの腕の上からレイアを抱きしめた。
ヨハンも静かにその様子を見つめたいた。
しばらくしてレイアが顔をあげた。
「大神殿に行きましょう。」




