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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第27話 離れでの生活

ユリアによると、侍女長からレイアとはあまり会話をしないよう言いつけられているそうだ。


やっぱり、私の存在を隠しているみたい・・・。

侍女もユリア一人きりだし。


雑用を手伝ったりしながらおしゃべりをしたが、用事が終わるとユリアは本館に戻る準備を始めた。

「侍女長に離れでの仕事が済んだらすぐに本館に戻るように言われてるんです。なんだか、私も見張られてるみたいで・・・。あちらにはレイア様とは挨拶くらいしかしてないって報告しておきます。」


「神聖力のことも黙っておいてね。なんだか、知られるとややこしそうだし。」

ユリアは任せて下さいと言わんばかりに頷いた。

「随分よくなりましたけど、明後日くらいまで額にガーゼを貼っておきます。では、夕食前にまた参りますので。」

そう言ってユリアは本館へと戻って行った。


一人になりレイアは離れの中をウロウロと探索してみたが、特に見るものもなくあっという間に手持ち無沙汰になってしまった。

窓から外をのぞくと、離れの周りに騎士が数人いるのが見えた。


私が逃げないようにしているの?


レイアは直感的にそう感じた。

試しに外に出てみると、すぐさま騎士の一人が駆け寄ってきた。

「お嬢様。中へお戻りください。」

「ずっと家の中だと退屈なの。離れの周りを散策したいのだけど。」

「旦那様からのご命令です。ご理解下さい。」

トーマスと同じような言い草だった。

屈強な男性から脅すように言われ、レイアは諦めて離れの中に戻った。


夕方になるとユリアが再び離れにやって来た。

本館で作られた食事を運んできて配膳をしてくれた。

「侍女長にはお嬢様は無口で、あまり会話を好まれないようですとお伝えしておきました。」

ユリアが仕事をしている間、お昼と同じように横で手伝いながら話をした。


「本館に戻ったら、私専用の個室を与えられたんです。それで、夕方の仕事の時間まで休んでいなさいと言われたので、他の侍女と会ってないんです。まるで、レイア様のことを他の使用人に知られないようにしているような・・・。なんか、変ですよね?」

ユリアはおしゃべりが好きなようで、自分の感想も交えながら色々本館の様子も教えてくれた。

「私も離れの外に出たら、すぐに中に入るように言われたわ。」

二人は顔を見合わせた。


「侍女長からレイア様の世話を1週間するように言われてるんですけど、その後はここから出て行かれる予定なのですか?」

「私も父から1週間後に会わせたい人がいるから、それまでここに滞在するようにと言われたの。本当に1週間でここから出してもらえるのか不安になってるのよ。」


ユリアが気の毒そうな表情を浮かべレイアを見た。

おそらく、問題のある婚約者などに引き合わされるといったことを想像しているのだろう。

レイア自身そう思っているから、そう考えるのは当然のことだ。


「とりあえず、1週間の間すごく暇だから本や刺繍の用意などを差し入れてもらうよう伝えてもらえるかしら?」

「かしこまりました。読みたい本があれば、タイトルをおっしゃっていただけますか?」

ユリアが浴室の準備を終え、本館に戻る時に必要なものを書いたメモを渡した。

「本は明日までに準備できるか分かりませんが、刺繍の用意などは大丈夫ですので明日の朝お持ちしますね。」

そう言って、また本館に戻って行った。


それからレイアはユリアが訪れると彼女と話し、彼女が本館に帰ると刺繍をしたり本を読んだりして過ごした。

ユリアも本館で個室に隔離状態にされているらしく、新しい情報もないまま1週間が過ぎた。



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