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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第25話 離れでの生活

なかなか寝付けず眠ったのが遅かったためか、レイアが目覚めた時には日が高くのぼりかけていた。


トーマスが侍女を一人寄こすって言ってたけど・・・。


とりあえず着替えを済ませ、一階の食堂の方へ行ってみた。

テーブルには一人分の食事が用意されており、テーブルの横には若い侍女が一人で所在なさげにたたずんでいた。

「おはよう。あなたが食事を用意してくれたの?」

レイアが扉の外から声をかけると侍女はビクっと身体を震わせ、慌てて頭を下げた。

「お、おはようございます。あの・・・、お食事は少し冷めてしまっていて・・・えっと・・・。」

「大丈夫よ。私が起きたのが遅かったのだから気にしないで。頭を上げてちょうだい。」

侍女はオドオドしながら頭を上げた。

その顔を見てレイアは眉をひそめた。


侍女は20歳を超えたかどうかくらいの若い小柄な女性だった。

くりっとした丸い茶色の目や柔らかそうな茶色の髪の可愛らしい娘だ。

しかし、その愛らしい顔の右の額から頬にかけて赤いただれが出来ていたのだ。


「右の頬はどうしたの?ちゃんと薬は塗ったの?」

レイアは心配そうな表情を浮かべ侍女に近づき、顔を覗き込んだ。

「大丈夫です・・。ちょっと失敗して・・・。」

小さい声で彼女が答えた。


「少しじっとしていて。」

レイアは手のひらを侍女の顔の右側に当て、目を閉じ神聖力を送り込んだ。

すると次第にただれが引いていき、赤みも薄くなっていった。

「あ・・れ?痛みが?」

侍女は不思議そうに自分の顔の右側を触った。

「痛くない?」

「私、少し神聖力が使えるの。病気を完治させるとかではないけど、本人の治癒力を高めて治りを早くする手助けが出来るのよ。」

「ありがとうございます!」

侍女は感極まったように深く頭を下げた。

「そんなかしこまらないで。女の子の顔に傷が残ったら大変だもの。せっかく可愛らしい顔をしているのに。」

レイアの言葉に侍女は驚いたように目を見開いた。

「どうかした?」

「あ、いえ。離れのお客様は気難しいから余計なことを話しかけたり、必要以上の接触は控えるよう言われていたので、意外で・・・。」

それを聞いてレイアは表情を曇らせた。

侍女は慌てて謝ってきた。

「あの、失礼なことを申し上げました。申し訳ございませんでした。」

「あなたに怒っているわけではないの。あなたはそう言われただけなのよね。誰に言われたの?」

「侍女長からです。私はユリアといいますが、昨日までソフィアお嬢様付の侍女だったのです。昨夜お出ししたお茶が熱すぎるとお嬢様からお叱りを受けて・・・。今日から離れのお客様の担当になれと言われたんです。」

「そのやけどはソフィアにやられたの?」

レイアに聞かれ、その時のことを思い出したのかユリアはビクっと身体を震わせ頷いた。



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