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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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23/80

第23話 レーゲンスブルクにて

そうして嗚咽が治まってきた頃、クララはポツリポツリと事のあらましを話し出した。


クルム侯爵が悪魔と契約をしたこと

代償はレイアであること

少し前にレイアが王都に呼び戻されたこと


「なんだって!じゃあ、レイアは悪魔の生贄にされるため王都に呼ばれたってことなのか?」

エルフリードの言葉にクララは無言で頷いた。

「レイアは自分が生贄だと知っていたのか?」

クララは首を横に振った。

「どうしてクララはそれを止めなかったんだ。知っていたならレイアを逃がしてあげることも出来ただろう!」

強い口調でなじるようにクララに詰め寄るエルフリードをヨハンが遮った。


「侯爵に脅されていたのか?」

ヨハンの言葉にクララは泣きながら頷いた。

「ここでお嬢様を逃がしても、相手は悪魔だから逃げられるはずはない。両親と弟がどうなってもいいのかと脅されて・・・。」

ヨハンとエルフリードは息をのんだ。

「なんと卑劣な・・・。」


「先生。どうかお嬢様を救ってあげて下さい!何も悪いことなどしていないのにあんまりです!」

クララは普段の穏やかな様子からは想像もできないほど強い口調で叫んだ。

「レイアはいつ王都に発った?」

「昨日の早朝です。」

「ほぼ2日前か・・・。よし、我々も王都に行くぞ。」

それを聞いてエルフリードは不安そうに尋ねた。

「急いで追い付けば間に合いますか?」

「おそらく・・・いや、ほぼ確実に悪魔との取り引きは6月6日の真夜中に行われるじゃろう。悪魔の力が活性化される日が周期的にあるのだが、次はその日だ。旅で何か起こって遅れる可能性もあるし、余裕をもって少し早めにレイアを呼び寄せたのではないか?」

ヨハンは確信したように断言した。


「私たちが行って、何かできるのですか?」

クララの言葉にヨハンは眉をひそめた。

「それについては、悪魔の格にもよるし確かなことは言えん。ただ、現在の大神官はわしが昔から親しくしていた者だ。話を通せば、聖騎士や神官を融通してもらえるじゃろう。」

不安そうなクララにヨハンはさらに続けた。

「クララの家族も保護するよう神殿に伝える。そこは安心しなさい。」

ヨハンの言葉にクララは涙をこぼしながら頷いた。



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