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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第13話 王都からの招集

レイアを部屋に送り届けた後、トーマスはクララの部屋へ向かった。

「念のためお前の部屋に鍵をかけておくぞ。私は今晩お嬢様の部屋を見張っているから馬鹿な真似はするなよ。」

そう言い残し、部屋の外から鍵をかけられた。

クララとレイアが接触しないよう、トーマスは徹夜する覚悟をしているのだろう。


クララはレイアに会いに行くのを諦め、自分のベッドに腰かけた。

そして首から下げた無骨なロザリオを取り出し、それを握りしめ祈りを捧げた。。

「あなた・・・レイアード。お願い、レイア様を守って。どうか・・・。」


翌朝、朝食を取った後トーマスに促され、慌ただしく出発することになった。

馬車に荷物を詰め終わると、レイアはクララに抱きついた。

「クララと離れ離れになるのは初めてだから不安だけど、用事が終わったらすぐに戻ってくるわ。エルにも謝罪しておいてね。」

冴えない表情のクララにレイアは努めて明るい声で話しかけた。


「レイア様。どうか、これを・・・。」

クララは目にうっすら涙を浮かべながら、自分の首にかけていたロザリオを取り出しレイアの首にかけた。

「これ、旦那さんの形見の・・・?」

それはクララの亡き夫レイアードの形見のロザリオだった。

クララがロザリオを握りしめながら、いつも教会で熱心に祈っているのをレイアは何度も目にしていた。

「私はお嬢様をお預かりしてから、毎日欠かさずこのロザリオにお嬢様をお守りくださいとお祈りしていたんです。道中も、王都でもこれを私と思って連れて行って下さい。」


ようやく笑みの出たクララに、レイアも笑顔でロザリオを受け取った。

「旅の間だけ借りるわね。帰ってきたらクララに返すわ。じゃあ、行ってきます。」

最後にもう一度クララに抱きついてから、レイアは馬車に乗った。

そして、クララの姿が見えなくなるまで、馬車の小窓から手を振り続けたのだった。


               ※

手を振り終わり、座り直したレイアにトーマスが話しかけてきた。

「お嬢様。私は話をすると馬車酔いするため、申し訳ございませんが移動中の会話は最低限にさせていただきます。長い道中ですので、お嬢様もぜひ馬車の中でお休みになって下さい。私も仮眠を取らせていただきます。」

そう言うと、トーマスは目を閉じ本当に眠り込んでしまった。


王都の貴族の生活は分からないけど、執事というものはこんなに自由に振舞うものなのかしら?


レイアは唖然と目を閉じるトーマスを眺めた。

昨夜ゆっくり眠ったため全く眠くない。

小窓から外の景色を眺める意外することもなく、ため息をついて小窓に目を向けたのだった。



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