風の声
ふたりが溶け合うスパイスな時間が
恋を愛に変えるなら
ソフトクリームが美味しい刺激という
赤い嘘はくるりとひっくり返って
青い誠に変わるだろうその甘さに
口の中は蕩ける快楽を得るだろう
そこにある
ちいさなしあわせを手に入れたくて
指先に道ゆきを尋ねる春の宵
あくびの出る穏やかなテーブルの上に
ひと目みれば忘れられない無為のときをみる
書いても書いても癒されない乾きだけが
僕にペンを持たせるのか
けっして出さない便箋をそれでも
大切にしている心の隙間に
ヒューヒューという響きの
風が強く吹きつける
遮られる悲しみの発露が
風をより強く吹かせるだろう
恋が愛に変わるのならば
悲しみを絶望に変えるのも
簡単かもしれない
そしてなによりも泣いて
泣いて
泣いて
泣いて
刺激的な罪を雷に撃たせたいと想う
そして世界と溶け合いたいと想う




