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第18話[涅槃]その執念深さはどこから来くるのか

挿絵(By みてみん)


 美雪ちゃんの身体は、赤い蜘蛛の糸のようなものにからめとられていた。

 きっとそれは、メイの執着が現れたものなのだろう。

 なんとなく、そう直感で分かった。

 目の前には、ヴァジュラのまなこが第三の目として開いたメイがたたずんでいる。

 私の身体も、メイが操るヴァジュラから流れ込んでくる"何か"に、身体が染まっていくのを感じた。

 この後どうなるのか、分からない。

 いや、それ以前に、メイが何をしたいのか、私はまったく分からなかった。どうして――?

「メイ、どうしてメイが、美雪ちゃんにこだわるの?」

 思えばずっと疑問だった。

 気持ちが通じ合っている双子の姉妹だ。

 だから最初は、私の代わりに美雪ちゃんに意地悪しているのだと、そう思った。

 だが今思えばあの美雪ちゃんへの執着は、メイ本人のこだわりだったように思えてくる。

 妹の気持ちは、他の誰よりも分かっていると、私はそう思っていた。

 だが今は全然分からない。もしかして、最初から私は妹の気持ちなんか分かってなかったのだろうか?

「知りたい?」

 メイはそう言って、私に近づいてくる。

 そして私の額に、ヴァジュラの眼をあてがった。

 その瞬間に流れてくるビジョン――。

 それは、当時小学五年生だったころのメイ、そして――

「はい! これあげる!」

 黒いウサギのマスコット。

 それをメイに渡したのは、美雪ちゃんだった。

 美雪ちゃんは黒いウサギのマスコットをメイに渡すと、元気いっぱいに手を振った。

「また会おうね! バイバイ!」

 そういって、立ち去る美雪。

 そんな美雪ちゃんの事をメイは愛おしそうに、いつまでもずっと見続けていた。

「――っ! そうだったんだ……」

 なんで今まで気づかなかったんだろうね。

 メイが言う通り、私って本当にバカだ。

「メイは私よりもずっと前から、美雪ちゃんが好きだったんだね」


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