表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/24

第11話[過去]遠野美雪は愛欲に染まった。

挿絵(By みてみん)


 ずっとこんな関係が続くことを、カンナはきっと望んでいたに違いなかった。

 学校の友達と遊んで、たまに二人きりでデートして、そして親がいない日は私のお家にお泊りしたりして。

 私が撮った思い出の写真もどんどん増えていった。カンナもたくさん絵を描いていた。

 二人だけの思い出がどんどん増えていって、カンナはそれ以上の何かを求めたりはしなかったのだろう。

 でも、私のカンナへの気持ち――、いや、欲望はしだいに我慢できなくなっていった。

 自分で言うのもなんだけど、たぶん私は、他の女の子よりも性的に早熟だったのだろう。

 おっぱいが大きくなるのも他の子たちより早かったし、性への興味は次第に強くなっていった。

 最初はカンナの裸を見ても、別に何も感じなかった。

 綺麗な身体だと思う事はあっても、決して彼女の身体をいやらしい目で見たりなんかしなかった。

 でもカンナが私の家にお泊りして、一緒にベットで寝たあの日から、私の欲求は急速に強まっていった気がする。

 そして夏休みが終わって、また学校で過ごす日常が戻ってきた。

「おはよう、美雪ちゃん」

「あ、う、うん。おはよう」

 私はそっけなくカンナに挨拶を返した。彼女の顔を見ていられなかった。

 いつもよくしゃべる私がそんな感じだったので、カンナは首をかしげていた。

 私は自分の気持ちとどう向き合っていいか分からなくなっていた。

 相変わらず一緒に過ごすことは多かったけど、私は無意識のうちにカンナの顔をなるべく見ないようにしていたと思う。

 カンナを見てしまうと、どんどん自分の気持ちが膨らんでいくのが分かって、いつ爆発するかもわからなかったから。

 ある日の放課後、カンナが不安そうな声で私に尋ねてきた。

「ねぇ、美雪ちゃん、私、何か美雪ちゃんのこと怒らせちゃった?」

 どうやら私の葛藤する姿が、恐らくカンナには別の意味合いに見えたようだった。

「ううん、別に」

「だって、違う。最近なんかちょっと違うよ?」

「……ちょっと体調よくないだけだから」

「嘘だよ。ねえ美雪ちゃん、お願いだから本当のこと言って? 私、なにか悪いことしちゃったのかな? だったら謝るから……」

 彼女の甘い声が私の脳に染み込んでくる。

「ズルい」

「え?」

「……ごめんなさい、少しの間でいいから一人にして」

「美雪ちゃん」

 久しぶりに私は一人で家に帰った。

 私はしんと静まり返った家で一人きり。

 布団に入り、自分で自分の身体を慰めていた。

「ズルいよ、カンナ。あんな甘い声で私の事をいつも誘惑してるくせに、私の気持ち分かってくれないなんて」

 指を噛む。

「私、どうすればいいのよ」

 ふと窓越しに外を見る。外はもう真っ暗。

 ふと、窓の外から覗く樹の上になにかがいるような気がした。

(あれ? メイ?)

 カンナが飼っているという黒いウサギ。それが一瞬見えたような気がした。

(気のせいかな……)

 暗闇に目を凝らすが、何もいなかった。

 ふと、メイが私の頬を何度もその小さな舌で舐めてたあの夜の事を思い出す。

(なんかちょっと気持ちよかったな)

 頭の中にじんわりとしたものが溢れてくる。

「そうだ。初めからこうすればよかったんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ