第1話 異世界で料理屋
寝る前の妄想がまとまってきたので公開してみました。
初めての小説でつたない文だらけですが楽しんでもらえると嬉しいです。
第一話 飯屋
皿の上に手をかざす。
(豚の肝臓、もやし、ニラ、玉ねぎ……)
その他調味料の食材を頭の中に思い浮かべレシピ通りの調理法を思い出す。
手がうっすら光り、皿の上に出来立ての料理が出現する。
ここまでの工程約15秒。
(最初のころに比べてそこそこ早くなったかな)
「よし!5番テーブルさん、レバニラ上がり!」
すぐさま次のオーダー、カツ丼のレシピを思い浮かべる。
「はーい!!大盛レバニラ定食おまちどーさまっ!ゆっくり食べていってねっ!」
金髪ツインテールに鬼の角、ボロボロのシャツを胸元で縛った上着と短めのホットパンツ、
膝が破れた黒ニーソックスにブラウンのブーツ。そしてエプロン。
顔は幼げだが妙に色気のある恰好の娘が八重歯を覗かせ接客をしている。
彼女は”ニキちゃん”まおう食堂の看板娘だ。
「オウ!相変わらず出てくんのが早ぇーな!イタダキマス!!……か~~~!うんめぇ~~~~っ!!」
大柄の狼獣人の男が美味そうにレバニラと飯を交互に頬張る。
彼は獣の肝臓が好物なようで店に来る度大盛のレバニラ定食を注文する。
まだ名前を聞いたことがないので勝手に”レバニラ狼くん”と心の中で命名している。
「よし!カツ丼特盛と大盛、オークの兄さんとゴブリンの兄さんンとこによろしく!」
オーク&ゴブリン「「ウマイっ!!ウマーイっ!!」」
(初めは面食らったが魔族の人らにも見慣れてきたな。
ゲームとかだと人間見た途端殺しに来るもんだと思ってたけど
こうして美味そうに食ってる所を見ると種族関係なく見ていて気持ちがいい。
料理人一番の醍醐味だな。
まぁ、料理…と言えるのかどうかはアレだけど…)
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絶えず客の注文をこなし、店は閉店時間に差し掛かっていた。
「いつも閉店ギリギリに来ちゃってごめんなさい…今日も美味しかったです」
「いえいえ気にしてませんよ。またのご来店お待ちしてますね」(にこり)
「おまちしてまーす!」(にっこり)
「ありがとうございます。それではご馳走様でした」(にこ)
笑顔でお代の銅貨5枚を受け取り、
やたら禍々しい角の生えた背の高いお姉さんを見送り今日の営業を終了した。
ぐぅ~~~~~…
「りょーへー…おなかすいたぁ…」
「ごめんねニキちゃん、今日も沢山人が来たからあまり休ませてあげられなかった。
ごはん何食べたい?好きなもの何でもいいよ」
「”!”肉~~~っ!!DXファイナルハンバーグステーキランチ特盛ボンバー!!!」
「うい。けどもうランチじゃなくてディナーだよ?」
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俺の名前は”堺 良平”(さかい りょうへい)歳は38だったがこちらでは
肉体が若返って20歳位になっている
元の世界ではフランス外国人部隊の傭兵だったが、戦闘中効き目を負傷してフランス国籍を取得せず退役し日本へ帰国。その後、趣味の料理を生かせるよう自分の店を持ちたくなり
プロの料理人の元で修業を続け見習いを卒業し、ついに自分の店を持つ事になったのだが不運にも事故に巻き込まれ死亡……
俺はこの世界に転生して4年を迎えようとしている。
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「ぷは~~~っおなかいっぱい!ごちそうさまっりょーへー!」
「どういたしまて。厨房の掃除はやっとくからニキちゃんは客席をよろしく。
疲れてるだろうけどもうちょっと頑張ってね」
「あいあいさー!」
店の掃除を終え、シャワーで体を流し就寝の準備をする。
「ニキちゃん歯、ちゃんと磨いた?」
「もうねむいから朝でいい?」
「ちゃんと磨こうね」
俺達は一緒に暮らしている。
ニキちゃんとの出会いは追々話すが、ざっくり言うと空腹で死にかけてる所を助けて
懐かれたのがきっかけだ。
店を開く予定だったのでバイトの子が欲しかったのと
そもそも彼女は家出中らしく、住む所も無いのでってことで一緒に…。
決して下心はない。
店とは別に我が家はマンションの6畳1K(東京での家賃8万くらい)を部屋のブロックごと記憶で生成したモノだ。
記憶生成には”マナ”(いわゆるMP)が必要だ。
一般的な料理などを生成する場合少量で済むが、自身の質量を超えるものを生成すると
一瞬でマナ切れを起こし不足分を体力(HP)を消費してしまうデメリットがあった。
この家を生成したとき1日中動けなくなったのでこの家は失敗が元になって出来ている。
ニキちゃんの家はまだしばらく作れそうにないので一緒に住むことになった。
決して下心はない。
別の家や宿?この店の場所がいけない。
魔界へ繋がるゲート…そしてそこから度々溢れる魔獣が闊歩する森
通称”死の森”にあるのだ。
何故そんな場所にあるのかはまた追々…
一人用のベッドで横になる。
異性と同棲したことなかった俺は最初ソファーで寝たが
やたら懐くニキちゃんは一緒に寝たがるので…
ごそごそ…
スペースが半分空いたベッドにニキちゃんが潜り込んできた。
下心はない()とはいえ、一緒に寝るのは緊張する。
こうして一緒に寝るのは1か月程だが一向に慣れん。いや本当に。何故か?
ニキちゃんは寝る時”全裸”なんだよ!!!!
物を大切にしたがるニキちゃんの服は基本あのボロボロの1着だ。ぱんつも1着で今は洗って干してる。
予備があるらしいが今着てるヤツが完全にダメになったら交換するらしい…
パジャマも生成したが、おふとんが直接肌に触れるのが気持ちいいらしく
一向に着てくれる気配はない…
「うにゃ~~~おやすみりょぉへぇ…♡」
「お、おやすみ…」(ドックンドックン)
ニキちゃんの方を向かないよう背を向けて眠る。
ニキちゃんは鬼とサキュバスのハーフだ。
家出中ということもあり複雑な事情がありそうなので深くは詮索はしなかった。
彼女はハーフだが鬼としての血が濃く、サキュバスらしい直接的なアプローチは一切無いが
無自覚無防備であっけらかんな様子はさながらサキュバスの血なのかもしれない…
(いかんいかん、明日も忙しいんだ。とっとと寝ちまおう)
精神年齢38歳のおっさんは悶々した気持ちを抑え眠りに落ちていった。
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(我が友、リョーヘイ…)
夢の中、重厚で禍々しく響く声が聞こえる。
「ん~…どした?トロ」
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鎧のような漆黒の巨体に大蛇を思わせる半身、赤く鋭い眼光と角の
まさにラスボスを思わせる魔王が姿を現した。
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(今日もおつかれ…。寝てる所を悪いのだがお主の記憶映像の機動紳士マンダム、
見終わったんだが…続編はどれ観るべきか…)
「お、続きが観たいってことは気に入ってくれたようだな。
えーと、次は時系列順でいくか?やっぱりテレビ放映順でいくか…?」
「お任せでよいよ…」
精神世界で話しかけた主の名は”原初の魔王ヴェルトロ”
禍々しいナリだけど友達なのでトロと呼んでる。
俺がこの世界で出会った最初の友達だ。