あらすじとかそういう系
夏の日差しが気持ちいい。
蝉の鳴き声を聞きながら、部室で本を読む。
窓から入ってくる風は、ちょうどいい強さで…まるで頬を撫でられているみたいだ。
小刻みに揺れるカーテンを開け、外を眺める。
するとそこには―――――。
「ちょっ、俐々愛!筒こっち向いてるんだけど!」
「惜しい人を亡くしたわ…」
「勝手に殺すな!てかそれなんとかしろーーーー!!」
夏なのに花火片手に遊んでいるバカ二人。
というかあれってどう見ても打ち上げ花火じゃ…。
「このままじゃ死ぬーー!!」
「いやこれ絶対無理、今触ったら私が死ぬわ」
「あ」
ふざけている間にも発射までの時間は進んでいく。
てかあれもう導火線ほぼない…。
ドン。
ひときわ大きい音と共に花火が発射される。
死んだな…。
「うおあああああああ!!!!」
「輝夜!ロープ!」
「助ける気あんのか!てか届いてねえ!」
「あ…」
着弾。
「ぎゃああああああ!!!死ぬ!!!!!」
学校のグラウンドでの出来事とは思えない音がけたたましく鳴る。
窓から体を乗り出し声をかける。
「生きてるの?あれ」
「さあ」
「さあってあなた…」
その時、土煙の中から現れたのは…。
「輝夜!生きてたのね!」
「誰のせいだ誰の!」
「麗華~」
「いや私ずっと部室の中いたし」
「ちょっとこれ何の音?!」
「うわ生徒会長」
「逃げるか」
「ちょ、待ちなさい!」
信じられないが、これが私たちの日常。
おバカ二人の無駄な行動力と探求心。
そして有り余る家の力と権力を使って好き放題に遊ぶ非日常。
それが、私たちの日常だ。