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09-011-03 俺君剣聖、 三才六ヶ月。赤き民、エルドラド(仮)へ! GoGo先遣隊

 ──俺君はニマニマしていた。

 俺君の頭の中で夢のような構想が浮かんでは次々に弾ける。

 俺君、アリムルゥネから貰ったリンゴを齧りながら思うのだ。


 まず、『大福二号』改に荷物を積むだけ積む。まず第一陣である集落民の三分の一の戦士が様子見に廃棄都市の様子を見に行く。そしてこの第一陣には俺君達三人と三匹も同行する。

 廃棄都市の幾つかの建物を住めるように手入れをし、第二陣となる、赤い民の集落に住む残りの民を再建中の街に連れてくる予定だ。もちろんこれには俺君達と、もしかするとストーンゴーレム部隊を引き連れての移動になるかもしれない。


 ──うん。計画を練るだけでもワクワクする。

 剣聖ライエン、すなわち俺君プロデュースによる始めての都市計画!

 うんうん、イイネいいね! 俺君ワクワクしてきたぞ!? ホントだぞ?


 ──短期的には港湾都市レンクールや、滝の水エルフとの交易路を作りたい。しかし、レンクールの大公と同程度の武力を維持しておきたい。俺君が警戒するのは大公自身の野望ではなく、大公を殖民都市の太守に封じている帝国軍だ。戦争などこの世に必ずしも必要なものでは無い。あるのはただの弱いもの虐めだ。帝国軍がこの赤い人の住む大地に食指を向ける前に、なんとしてでも赤い民自身の防衛力強化が必要だ。

 そのためには近々に街の雑事を司る役人と、青年団から衛兵と、食物を作る農作民、そして特産品である銀鉱山で働く工夫……。

 課題は山積みだ。

 だから、帝国が足踏みをしているこの隙に、廃棄都市、すなわち赤い民の拠点の強化が必要なのだッ!


 ──おおお、俺君すこしヒートアップしすぎた。

 ともかく、俺君達は早めに廃棄都市へ拠点化できるように、古代神ナナンやキットたちを手伝って、頑張ろうと思う。


 ◇


 ──そして二日後。

 キットから第一陣の荷物まとめ、食料調達、旅の準備が済んだと報告があった。


「ともだちライエン、おれたちは ライエンに いわれたにもつ 『ダイフクニゴウ』じゅったいに わけて つみこんだ」

「おー! キットありがとう。先遣隊の皆はいつでも出発可能か?」

「ああ、ともだち。だいじょうぶだ」


 キットの腰に真新しい青銅の剣が光る。この立派な品はレンクールの鍛冶街で見繕っていた何本かの内の一本であり俺君からのプレゼントだ。

 この品をキットはどうやら気に入ってくれたらしい。柄になめし皮が編みこむように巻いてある。キットの思い人にでも巻いてもらったのだろうか。その剣はそこが一番見栄えがし暖かかみを感じた。

 

 ──え? 俺君に良い人? 何を言う、俺君剣聖三才六ヶ月! 当然だ、そんな浮いた話は一切無いぜ! 

 

 キット。青年団の団長である戦士だ。

 固い革鎧に剣、そして頭の羽飾り、そして背負う弓と矢筒、顔や腕に赤い顔料で戦化粧である。

 なんでもその化粧をすると、精霊や祖霊が呼吸と共に体の中に入り込み、その人物に加護を与えるそうだ。


 ──赤い民に聞いたところ、鉄鉱石や砂鉄など、鉄に関することは一切知らないと言われた。

 残念。俺君がっかりである。

 だが俺達は彼らに与えるだけではない。メノウやヒスイの二種の宝石を、ゴーレム四十体に引き合う額ではないが、先行投資として取引の形にまとめたのだった。将来、赤い民が栄えたら、その時にまたお宝を頂ければいい。


 ──そういうことである。損して実を取る。きっと果実美味しいです、たぶん。えっへん、俺君はズルイのだ!


 ◇


 酒を初めとする荷物をストーンゴーレム計十体に積むだけ積んだ。まず第一陣である集落民の三分の一の戦士が様子見に廃棄都市の様子を見に行く。そしてこの第一陣には俺君達三人と三匹も同行する。

 廃棄都市の幾つかの建物を住めるように手入れをし、第二陣となる、赤い民の集落に住む残りの民を再建中の街に連れてくる予定だ。もちろんこれには俺君達と、もしかするとストーンゴーレム部隊を引き連れての移動になるかもしれない。


 ──うん。計画を練るだけでもワクワクする。

 剣聖ライエン、すなわち俺君プロデュースによる始めての都市計画!

 うんうん、イイネいいね! 俺君ワクワクしてきたぞ!? ホントだぞ?


 ──短期的には港湾都市レンクールや、滝の水エルフとの交易路を作りたい。しかし、レンクールの大公と同程度の武力を維持しておきたい。俺君が警戒するのは大公自身の野望ではなく、大公を殖民都市の太守に封じている帝国軍だ。帝国軍がこの赤い人の住む大地に食指を向ける前に、なんとしてでも赤い民自身の防衛力強化が必要だ。

 そのためには近々に街の雑事を司る役人と、青年団から衛兵と、食物を作る農作民、そして特産品である銀鉱山で働く工夫……。

 課題は山積みだ。

 だから、帝国が足踏みをしているこの隙に、廃棄都市、すなわち赤い民の拠点の強化が必要なのだッ!


 ──おおお、俺君すこしヒートアップしすぎた。

 ともかく、俺君達は早めに廃棄都市へ拠点化できるように、古代神ナナンやキットたちを手伝って、頑張ろうと思う。


---

 ここで一句。

  里で聞く 鉄を探して 人知らず (ライエン)


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