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朝起きたら知らない世界でマイキャラでした  作者: 絵狐
五章 知らない大雪
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第97話 母と娘

 ルディール達はノーティアの案内でミーナやミューラッカも向かっている洞窟の最深部へ向かっているとノーティアがルディールに話しかけて来た。


「ルディール様はどうやってお母様と仲良くなられたのですか?あれほど機嫌が良さそうなのは見た事がないので……」


「う~ん……余所様の家のことに首を突っ込むのはどうかと思うが……ノーティアはミューラッカが嫌いか……というより苦手か?」


 ルディールがそう言うと少し困った顔をして静かに話し始めた。


「どうなんでしょうか……そうですね……どちらかと言えば苦手なんでしょうね。私は少し前までは片方の親がアイスブロック出身なので村に住んでいました」

 

 そう切り出し話し始めると、一通り幼少の時より自分は王族という話しは聞かされており、学校の入学できる歳になると氷城に移り王族として教育を受けていると話した。


「さすがに少し前まで村娘だった自分がいきなり女王ですし、ミューラッカ様とどう接していいかが全く分かりません、私が生まれてから氷城に行くまで会った事もないですしね」


「なんというか凄い国じゃな……副隊長に聞いたがノーティアは女王として勉強中じゃろ?正式にはいつ女王になるんじゃ?」


「今でも女王ですが……ミューラッカ様が二十歳の時はすでに女王として全てやっていたと聞きました。スノーベインは若く力のある世代が国を引っ張って行くのが伝統ですので……」


「国的にはその辺どうなんじゃ?ミューラッカまではいかぬとも、やはり強さは必要なのか?」


「ミューラッカ様が突出しすぎなだけで、歴代の女王達の中には魔力がなかった女王達もいると聞きます。ですから戦うだけが力では無いのでミューラッカ様の様に歴代最強にはならなくて良いと思います」


 ルディールはしばらくノーティアの話を聞き少し考えてから意見を述べた。


「なるほどのう。そこにいるセニアもそうじゃが……わらわの知り合いのは妙に色々考え過ぎるというのが悪い癖じゃな、と言うか賢すぎるのも原因じゃと思うぞ」


 セニアはいきなり話を振られキョトンとしていると、スナップに少しからかわれていたがルディールはそのまま話を続けた。


「お主は女王じゃろうがまだ子供じゃぞ?わがままも言っても許されるし、自分からミューラッカに当たって言っても良いとは思うがのう……」


「そうでしょうか?」


「わらわがお主の様にその歳で女王とかになったらもっと、わがままに色々すると思うがのう。馬鹿な子ほど可愛いと言う言葉あるからそういう意味で、わらわはミューラッカに気に入られたのかもしれんぞ?」


 ルディールがそう言うと、スナップとセニアがジト目になり、わがままを言った王女を投げ飛ばした魔法使いが知り合いにいますが?という様な顔をしていた。


「肉親でも難しいものですね」


「毎日見る顔じゃから難しいんじゃぞ。まぁノーティアが割り切れるなら女王の事は仕事と割り切って生きて行くのも一つの手じゃな、お主も、ミューラッカも会ったばかりじゃから、なんとも言えんが似てる所はあるから仲良く出来るとは思うがのう」


 どういう所が似てますか?と聞かれたのでいきなり周りを気にせず他人に迷惑をかける所と言うと 、目をパチパチと動かしてから少しだけ笑いそうですねと言った、話した事で少し気分が晴れ目的地へと急いだ。





「にがさんよ」


 そう言ってミューラッカがヒョウジキを氷らせ指を弾くと大氷蛇と共に二匹の魔物は静かに崩れ落ちていった。


 そして戦闘が終わると、アバランチの副隊長がミューラッカに話かけた。


「あーもったいない。ミューラッカ様、ノーティア様が心配なのは分かりますが魔石や素材がとれませんよ?」


「お前の給料で賄おうか?」


 そう話す二人にスイベルがスナップとの会話を伝えると、少しだけミューラッカの表情が柔らかくなりスイベルにノーティア達はそのまま守護竜の所に向かうように伝える様に言ったので、スイベルも頷きスナップに伝え、ミューラッカ達も目的地へと急いだ。


 そしてスイベルはミーナの隣に行き、ルディール達の無事を伝えるとスイベルに抱きつきその無事を喜んだ。


「よかったよかったね!スイベルさん、皆に何かあったらどうしようかと思ったよ」


「はい、そうですね。ルディール様が巻き込まれた瞬間に皆様に障壁を張ったので、皆様無事なようです」


「流石、ルーちゃんだ……なんであんなに冷静に動けるんだろうね?」


「いえ、姉さんに聞きましたが向こうではかなり慌てて皆様の名前を叫んでいたようですよ」


「へぇ~そうなんだって、スイベルさんそれバラさない方が、かっこよかったのでは?」


「そういう所も含めてルディール様の魅力ですよ、さてミーナ様は私の後ろにいてください、姉さんほど強くはありませんが何かあればお守りしますので」


「おっお願いします。援護は自信ないけどしますので……」


 二人がそう話しミューラッカが先頭を歩き進んでいたが、その表情は少しだけ暗かった様なのでミーナが話しかけた。


「ミューラッカ様、顔色が優れないようですが大丈夫ですか?」


「ああ、少し娘の事を考えていてな」


「ノーティア様も無事で良かったですね」


 ミーナがそう言うと、ミューラッカの表情が少し暗くなり、どうなんだろうな?心配はしているが、それと同じくらい死んでいても良かったとは思っているよ。と言ったがミーナはその顔を見ながらそれは嘘ですよと言った。


「……どうしてそう思う?ルディールの弟子よ」


 腕を組み少し悩んでからミーナは答えた。


「えっとですね……私が親を心配させた時と同じ顔をミューラッカ様がしてますからね、こうなんていうのかな?う~ん、心配させたのを怒るみたいな感じですか?すみません説明が難しいです……」


 その言葉にミューラッカは思う所があったのか、少し考えてからまた話しかけた。


「そうか……お前の両親はどうお前と接している?恥ずかしい話だが親をするのは初めてでな」


「全然参考にならないと思いますけど、私の実家は田舎なので悪い事したら両親は基本的に鉄拳制裁ですよ……女の子なのに……」


「ふむ、それもいいかも知れないな。言葉で語るより早いし私向きか……」


 ミューラッカも娘と同じ様に他人に話した事で、少し気分が軽くなりミーナに礼をいい軽く冗談を交えた世間話をしながら奥へと急いだ。






「ルディール様、すみません……この分かれ道はどっちに行けば良いか全く分かりません」


 ルディール達は奥へ奥へとノーティアの案内で進んで行ったが、途中で魔力の濃度が不明な場所がありちょうどそこが分かれ道になっていた。


「謝る必要はないじゃろ、間違っておれば戻ればええ訳じゃな。と言うかセニア!お主の出番じゃ!」


「えっ?私ですか?」


「お主ラッキーガールじゃろ?」


 ルディールの無茶ぶりに呆れ前に出ると、少しセニアの様子がおかしくなりルディールは心配になり尋ねた。


「ん?セニア大丈夫か?」


「えっあ?大丈夫ですけど……ここは左ですね」


「ん?お主……目の色が変わっておるぞ。」


 その言葉にセニアは驚いたので、ルディールは鏡をだしそのその瞳を見せた。


「あっ……これソアレ先生と同じ瞳なので魔眼が開眼しています。それで景色が変わったんですね」


「おお!魔眼か!それで魔力の流れが見えて方向が分かったんじゃな」


「はい、ですが……ソアレ先生が言うように人の魔力などは見えないので、まだ初歩中の初歩だと思いますよ」


 自信なさげにそう言ったが、セニアのおかげで方角が分かったので皆がセニアを褒めたのでかなり恥ずかしがっていた。


「セニア様は魔眼持ちだったのですね、凄いです」


「ノーティア様、ありがとうございます。ノーティア様の転移魔法もとても素晴らしいですよ」


 その権力者の娘達の会話をルディールが眺めていると、また変な事を言い出した。


「なんかこうあれじゃな、権力者同士で会話すると丁寧な感じじゃから、裏で腸が煮えくりかえっておるように聞こえるのう。私の方が凄いぞ!ムキーみたいな」


「ルディール様……良い雰囲気をぶち壊しですわよ。でもそう言われれば見えなくも無いから不思議ですけど」


 ルディールとスナップの会話が二人に聞こえたらしく、そんな事は無いですよ!ルディールさんの偏見ですよと怒られてた。


「でも、何が原因で開眼したんでしょうね?」


「そっそれは分かりません、ソアレ先生も不意に開眼したと言っていましたので」


「う~ん、よくある感じじゃと雪崩に巻き込まれて死にかけたから開眼したとかか?」


 冗談半分にそういうとノーティアが、死者の国から戻って来た人は魔力が上がったりする事もあるので、本当にそうかも知れませんよと教えてくれた。


「前々からソアレ先生と魔眼を使える様に特訓していたのと、今回の旅がきっかけで見える様になったんだと思いますよ」

 

 セニアがそう言い、ルディール達も納得出来たので少し心配だったが先を急いだ。


 方向は合っていた様で途中からは魔力の濃薄がでてきたので、またノーティアの案内で進み始めた。


 進んで行くとはぐれる前と同じように、フロストジャックなどの低位の魔物が時折、襲ってきたが、スノードラゴンの様な上位の魔物が出て来る事は無かったので、地形的な危険はあったが比較的楽に進む事ができた。


「セニアよ、開眼したばかりじゃが大丈夫か?」


「はい、確かに今までと見える物は違うので少し戸惑いますが、ルディールさんやスナップさんが守ってくれているので大丈夫でしょ」


 ルディール達の心配は杞憂だったようでセニアは開眼したばかりだったが本当に問題はなく、戦闘中も隠れている魔物がいれば教えてくれるほどだった。


 しばらく戦闘をしたり氷の橋をわたったりしていると、大きな空洞の様な場所にでたので辺りを見渡すと、そこにはミーナやミューラッカ達がおり何かと戦い終わった後だった。


 そしてルディール達が声をかけると、ミーナたちは気づきルディール達の方にミーナが走ってきた。


 そしてルディールと一緒にいたセニアに思いっきり飛びつきお互いに再会を喜んだ。


「お主もスイベルも皆が無事で良かったわい」


「ミーナ、無事でよかったよってちょっと痛いよ」


「ルーちゃんもセニアも無事で良かったよ~」


 そしてスナップとスイベルもお互いが無事だとは分かってはいたが、顔を見て安心し再会を喜んだ。


「無事なのは分かっていますが顔を見ると安心しますわね」


「ええ、姉さんも無事で良かったです……しかし姉さんはいつも冷静ですね」


「わたくしが冷静というよりはルディール様や貴方がいるから冷静になれるんですわ。一人だとパニくってますわよ」


 ルディールが少し泣いているミーナの頭を撫でているとミューラッカとノーティアが近づきお互いに少しだけ話をしていたのが見えた。


「ミューラッカ様、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」


「ああ、あまり心配させるなよ」


 そう言って手を上げるとノーティアは叩かれると思い体を縮こまらせ目を瞑ったが、その手はノーティアの頭の上の軽く降りていき、一度だけ撫で離れていった。


 ノーティアはその行動の意味は分からなかったが不器用な親子の距離はほんの少しだけ近くなった様な気がした。

次回の更新は多分明日です。


今まで本は紙の方が好きでしたが、電子書籍を買ってみると便利よすぎて焦っています。場所とらない!

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