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朝起きたら知らない世界でマイキャラでした  作者: 絵狐
五章 知らない大雪
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第95話 雪山

 ルディール達は朝食を取り、城へ向かう準備が終わると何処かで見ていたかのように、馬車が宿の前に止まった。


「ミューラッカの奴どこかで見ておったのか?」


「その可能性もありますわね、それはそうとルディール様はミューラッカ様には、いつも通りの話し方なんですのね?お偉い様には余所行きモードで話していますのに」


「最初は余所行きモードで話しておたんじゃが、いきなり攻撃されたから別に良いかな~っと思ってのう後でミューラッカに聞いてみるか」


 などと話し、馬車に乗り氷の城へ向かうとすでにミューラッカ達は準備が終わっていたので、先ほどの話もありルディールは丁寧に話しかけた。


「ミューラッカ様、おはようございます」


「気持ち悪いな……ルディール、私を馬鹿にしているのか?」


「いや、お主。この国の元締めじゃろ?昨日は殺気だっておったが、冷静に考えたら失礼かなっと思ってのう」


「その元締めと、その娘を同じように投げ飛ばした奴が言う台詞か。他の国なら面倒だがこの国は強者に従えという風潮がある。そこまで気にするものではない」


「後で国際問題になったらセニアに助けてもらうかのう」


「無理ですよ!」


 それからルディールは雪山に行くメンバーをミューラッカに説明し、ミューラッカもルディール達に連れて行くメンバーを教えた。


 そのメンバーの中にはノーティアもおりルディールを見るとかなり怯えていたが特に気にせず他の見た事ある騎士に話しかけた。


「おっ?お主も参加するのか?給料は減らなかったか?」


「はっはっは。おかげさまで夏のボーナスはカットですよ。魔法使い殿、親分を説得してくれませんかね?」


「ミューラッカよ、言われておるぞ」


「アバランチの隊長よ。給料分の仕事はしないとな」


 これは手厳しいと大きく笑いルディールは少し話を続けた。


「わらわ達も五人でそちらも五人なんじゃな?護衛とかいらぬのか?」


「そうですね。数が多いと戦闘になった時にミューラッカ様の攻撃に巻き込まれますからね。巻き込まれても死なずにノーティア様の護衛を出来る人物が集まっていますよ」


「……それだけ危険な子守してボーナスカットはありえんのう」


「そうでしょう?魔法使い殿のご助力よろしくおねがいしますよ」


 そう話している内に出発の準備が整うと八本足の巨馬が引く馬車に乗り込んだ。馬車の中はルディール達が五人乗っても十分に広く、テーブルや椅子などもありくつろげる空間になっていた。


「ほー、スレイプニールか。あれじゃったら雪の上ぐらい楽勝じゃろうな」


「なんだ、知っていたのか。軍用で使っている馬だ。この国は雪が多いからな重宝しているよ」


 誰に言った言葉では無かったが予想外の人物から返事が返ってき、ルディールは少し呆れながら話かけた。

 

「……なんでお主がこっちの馬車に乗っておるんじゃ、周りが気を使うじゃろ」


「ああ、気にするな」


「いや、気にするじゃろ、わらわの友人達もどう反応していいか困っておるんじゃが?」


 ルディールの言葉通り、スナップとスイベルはメイドらしく待機していたが、ミーナとセニアは吹雪の国の実質のトップが馬車の中でルディールと親しげに話しているのかなり戸惑っていた。


 するとミーナ達の方を向き、お前達の名前は? と尋ねたのでミーナは噛みながら応え、セニアは公爵家の令嬢らしく丁寧に対応した。


「ミーナは弟子兼友人で残りも友人という感じじゃのう」


「ほー。ノーティアと一戦やってみるか?ルディールの弟子だろう?」


「ありがたいお言葉ですが!お断りさせてください!無理です!」


 ミーナがそう言うとミューラッカは軽く笑いそれは残念とだけ言ったが、ルディールはノーティアの強さが気になりその事を尋ねた。


「娘さんの強さはどんなものなんじゃ?女王なんじゃろ。お主ほどは無いと思うが、もうすぐ追い付くとかそんなレベルか?」


「弱い。ある程度は戦えるがまだまだだ。周りは流石は私の娘などとおだててはいるがな、冒険者の評価で言うならAランク辺りだと聞くがBの下くらいに思っておけば良い」


「個人でBじゃろ?ならばそれなりに戦えるのではないか?」


「温室育ちだからな。昨日お前が投げた時もそうだが、あの程度の脅しで動きが止まっていてはな……私が娘ぐらいの時はSランク相当だったぞ」


 ミーナはルーちゃんの目が赤い時は本当に怖いのでと言うと、ミューラッカは殺気も出てない脅しで固まっていてはなと笑った。


 少し実演しミーナ達に少し殺意のこもった青白い殺気を飛ばしたが、ミーナもセニアもルディールで体験したり地味に死線をくぐったりしているので、普通に耐え話しかける事が出来た。


 その事にミューラッカはかなり驚いたが素直にミーナ達を褒めた。


「ほぅ、凄いな。私の娘は今ので漏らすぞ?流石はルディールの弟子と友人と言う事か」


「褒められたのは嬉しいけど、こう何か気分的に複雑というかなんというか……」


「ミーナ、奇遇だね。私もだよ」


「純粋だった娘達は、世間の荒波に揉まれて図太くしたたかになっていくんじゃな。ルディール先生はとても悲しい」


「「言い方!」」


 そういうとミューラッカは穏やかに少しだけ笑いルディール達のやり取りを見ていた。


 しばらく馬車は進み、雪山にさしかかりスレイプニールがゆっくりと昇り始めた。


 ルディール達は馬車から外を見ると吹雪で辺りの様子が確認しにくく少し心配したが、ミューラッカがここは吹雪の国だからこれぐらいは日常茶飯事だといい、馬車は力強く進んで行った。


 馬車の中には前を走る馬車と無線の様な物が繋がっており、アバランチの隊長から連絡が入った。


「前方にイエティが数頭います。ミューラッカ様どうしますか?」


「イエティ程度ならお前達でも問題ないだろう、倒して進め」


 ミューラッカがそう命令したので一度馬車は止まり、前方の馬車からアバランチの隊長が降りて戦闘態勢をとった。


「イエティ程度など娘にやらせればいいものを……」


「イエティとはどの程度の強さなんじゃ?」


 ルディールがそう聞くとミューラッカは少し考えてから炎毛猿程度と考えておけば良いと教えてくれた。


 そうしている内に数頭の大きな真っ白な毛に覆われた熊の様な猿の様な魔獣が現れたので、ルディールも少し気になり戦闘に参加する事にし馬車から飛び出した。


「隊長殿。助太刀するぞ」


「魔法使い殿か、そこまで強い相手ではないがよろしく頼みます」


 ルディールが返事をするとイエティが、うなり出したのでその声に耳を傾けた。


「隊長殿少し待ってもらえるか?」

 

 ルディールがそう言ったのでアバランチ隊長は意味が分からなかったが、仲間達に指示をだし攻撃を待った。


 するとルディールはイエティ達に近寄り会話をするように話しだし、隊長達から見ても会話が成立している様だった。


 それから少しして隊長の元にルディールは戻って来て話し始めた。


「隊長殿、持って来た食料は余裕はあったりするか?」


「ああ、遭難した時の事も考え、優に二~三週間は楽にありますが、それがどうかしましたか?」


「数日分で良いから少し分けてくれぬか?イエティ共は雪の影響で食べ物が少ないんじゃと、食料くれたら去って行くというておる」


 ルディールは信じてはもらえないだろうと思っていたが、隊長は軽い感じでいいですよと、言って馬車の中のアイテムボックスの中から三日分ほどの食料をルディールに渡した。


 ルディールはそのままイエティ達に渡し、こういう馬車を見たら襲わぬ方が身の為だと教え別れた。


「隊長殿、えらくあっさり食料をくれたがよかったのか?」


「はい、大丈夫ですよ。雪の中で戦闘するの嫌ですし、ボーナスカットされてますから、手が抜ける所は抜かないとね」


「親分が血気盛んじゃから、子分も相手をぶっ殺したいマンかと思ったら、そうでもないんじゃな」


 そう言うと隊長は豪快に笑い寒いので馬車に戻りましょうといいお互いに馬車に戻ったが、ノーティアだけが不思議そうにルディールを眺めていた。


「かっこつけて外に出るものではないのう、かなり寒いのじゃ」


「ルーちゃんどうだったの?イエティ達と戦ったの?ここからだと雪で見えなかったんだけど……」


 と、ミーナに聞かれたのでルディールは大雪の加減でイエティ達の食べ物もほとんど無かったのでアバランチの隊長に少し食料を分けてもらい、渡すと帰って行ったと伝えた。


「一応は馬車などは襲わぬ様に忠告はしておいたがどうなるかは不明じゃな。守護竜のせい?で色んな所に影響がでておるんじゃな」


「私の魔法で視ていたが、ルディールお前は魔獣共と話せるのか?」


「こういうのは心と心で会話するもんじゃ」


「なるほど、話す気は無いと言う事か」


「前に友人に言った時も似たような反応された様な気がするのう……」


 そう言うと静かにしていたスナップが少しため息を付き、お顔を見れば誰でもわかりますわと静かにいった。


「今のもそうなんじゃが、吹雪の国全体で見れば今の様な事は起こっているのか?」


「ああ、報告には上がっている。辺境の村などすぐには対応出来ない所などは魔物に襲われた、賊がでたという話はあるな。それを含めて守護竜をどうにかしないと国が滅ぶという話だ」


「なるほどのう……」


 等と話ながらスレイプニールが雪をかき分け力強く、急斜面な危険な崖や氷で出来た橋を渡ると巨大なドラゴンでも楽に通れそうな大きな洞窟が見えてきた。


 そこが目的地だったようで、洞窟の入り口にたどり着くとミューラッカはルディール達に馬車から降りるように言った。


「ここから先は歩いてだ、ルディールが居れば魔獣なら追い返せるやも知れぬが、会話にもならない精霊の端くれや魔物も襲ってくるからな」


「馬車で行けそうな感じじゃのに、そうでもないんじゃな」


「私が子供の頃は奥まで馬車で行けたがな、少し距離はあるが歩けない距離ではない」


 アバランチの隊長が先頭を歩き、最後尾に部下がしんがりを勤め、スナップとスイベルがミーナとセニアを護衛し、ルディール達は竜がいる洞窟の最深部を目指した。

次回の更新はきっと明後日。


プロットより面白そうな展開が思いついたけどかえるか迷い所の今日この頃。いつも誤字脱字報告ありがとうございます。

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