表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朝起きたら知らない世界でマイキャラでした  作者: 絵狐
四章 知らない悪意
76/329

第76話 聖職者


(さてと、この程度じゃとたぶんじゃが王の鎮魂を起こせば先ほどの様に消えるのう、海でやり合ったヒュプノバオナスのアンデッドには遙かに劣るからのう)


 呪いを付与させるような能力はこの聖女達には有ったし、国王の御前で戦った人達並の強さは確かにあった。が、人や生物としての生きる強さの様な物は感じられ無かったので、一人は任せようと思い仲間達を信じて見守った。


「どうするリージュ、Cランク相当なのじゃろ?訓練がてらに戦ってみるか?」


「遠慮します。ルディールさん勝てないの分かってて言ってますよね?」


「いや、こう物語じゃとピンチになると新たな力に目覚めると言うからじゃな」


「私の場合だと無理にピンチにならずとも最初から高ランクの冒険者を雇った方が早いですよ」


 と軽く話しているが、実際は聖女がかなりの勢いで攻撃していたがその全てをルディールは爪を伸ばし弾きいつでも蹴れるし魔法を打てる位置で牽制しながら戦っていた。


 ルディールに攻撃が通用しないと分かると魔法で視界を塞ぎリージュを人質に取ろうとして少しだけ間合いに入ると即座にルディールに顔面に蹴りをねじ込まれ吹っ飛ばされた。


「わらわだけなら構わんが友人に手を出したら潰すぞ?」


「ルディールさん、ツンデレですか?」


「何処でデレたか知りたい所なんじゃが……それを言い出したらお主も大概なんじゃが?」


「私何処かでデレましたか?」


 と言うのでルディールがわらわの背中でと言うと声にならない声を上げ、年相応の少女の顔になり照れていた。


 するとバルケを援護していたソアレとスティレがこちらにやって来た。


「ルディールさん、リージュ様とイチャついている所を悪いですが、そこの聖女もらっていいですか?」


 その言葉にリージュが反応しイチャついてませんよ!と言うとソアレは何もいわずにニヤニヤしてルディールにまた話しかけた。


 話を聞くとそろそろバルケが聖女に対応し始め、自分達の手が空きルディールが遊んでいるのが見えたのでこちらに来たとの事だった。


 カーディフはもしもの事があれば即座に援護できる様にバルケを見させてはいるが、すぐに必要無くなるだろうとの事だった。


「聖女もどきは感じ的にはSランククラスっぽいが大丈夫なのか?」


 ルディールはそう言ってバルケの方を見たが押しつ押されつしていたが、危機的な状況というほどでも無く、その事でスティレが簡単にだが説明してくれた。


「人のように意思や敵意があれば、それでこちらが気圧されたり怯んだりもするが、人でも無く人形でも無い物ならば対応するのは簡単だと私は思っている」


 そう聞くとルディールが蹴り飛ばした聖女が復活したので、カーディフの代わりにルディールがバルケの援護に入りソアレ達、火食い鳥と聖女の戦闘が始まった。


 最初の内はパワーやスピードに翻弄されていたがスティレが言っていた通り、少しずつ反応出来るようになっていった。その事で大神官は聖女達を罵倒したが、罵倒して即座に動きが良くなるわけでも無く段々と聖女達が押されていった。


 その事で大神官は聖女達に支援魔法を複数かけたが時すでに遅くバルケや火食い鳥達はある程度の攻撃パターンは予測できる様になっていたので、パワーやスピードが強化された所で焼け石に水だった。


 そしてバルケが聖女を剣の腹で叩きそのまま壁に向かって叩きつけた。


「よし!勝った!」


 とは言っているがルディールがバルケを見ると致命傷はないが傷が多数あり、先ほどと同じように呪いをもらっていたので、すぐに回復魔法と解呪をかけておいた。


「おう、ルー坊ありがとよ」


「うむ、わらわの蹴りでも立ちよったからまだ来るぞ、と言うかお主ならその大剣でぶった切るかと思ったが切らなかったんじゃな?」


「そうなんだが、そのリージュって子がいるからな、無駄に怖がらせなくていいだろうし、お前もそう言うの駄目っぽいだろ?」


「うむ!煽り耐性は高いがグロ耐性はかなり低いぞ!」


 そう話しているとすぐに聖女が復活してバルケにまた襲いかかって来たがカウンターで蹴りをねじ込みまた同じ場所に蹴り戻した。


 そのバルケの姿をみてリージュがバルケさんってSランククラスの冒険者ですか? と聞いたがバルケは笑いながらそれは無いと言って説明してくれた。


 強者の雰囲気にはその人が歩んだ意思や経験が乗っているからその雰囲気に圧倒されたり殺意を感じると飲み込まれると話した。この聖女達は確かに強いがただ強いだけでそういう強者が持つ雰囲気が全然ないから戦えるとの事。


「それを言い出したら、わらわは一般人なんじゃが?」


「いや、ルー坊は逆に怖いぞ。そういう雰囲気は全然ないが、身体能力は高いわ、怒ると魔力で周りの景色は歪むわ、目は真っ赤になるわ……なんつーか、腹一杯の肉食の獣が横でねてる感じだな」


「うむ、いつも通りよくわからんと言う事がよく分かったわい」


「それ少し見てみたいですね」


「学生が見ると絶対に漏らすと思うからおすすめしない」


 リージュが漏らしませんよ! と言おうとした所でバルケが吹き飛ばした所に火食い鳥達が戦っていた聖女も飛ばされて来てその上に雷が落ちた。


「あー!しんど!なんであんなのと一人で戦えるのよ!そこの剣士は!」


「バルケ殿、今度稽古付けてもらっていいか?」


「……私は裏技で魔力増やしたので前衛さえいれば余裕ですね。高威力の魔法が撃てる撃てる~」


 火食い鳥には少し荷が重かったようだが、PTを組んでいると言うだけあって連携が出来ておりスティレだけなら絶対に無理だがカーディフの罠やソアレの魔法で援護を受けると危ない所はあったが強敵と言うほどでは無かった。


 ルディールの家でソアレがソーマの酒をガブ飲みして魔力の最大値をかなり上昇させているのも勝った理由の一つではあるが。


 そのルディール達の余裕ある態度に大神官は怒り聖女達に立ち上がり攻撃するように命じたが、聖女達に纏わり付く雷が、身体を動かそうとすると放電し自由を奪った。


「……あっもう動けませんよ。ルディールさんの使っている様な捕縛系の魔法があれば便利だな~っと思っていたので、真似てアレンジを加えて有りますので」


「お主、真面目に賢いのう……シャドーステッチを見て真似たんじゃろ?」


「……私は影の魔法は使えませんので、雷で縛って脳が動こうとする電気信号を発したら逆に動かない様にする信号を体に流す様にしました。ずっと保つ物ではありませんが人と似たような生き物には多分有効です」


 そう聞いたルディールは同じように魔法を作ってはいるが炎の鶏を作ったり、水の牛を作ったりしていたので妙な敗北感を覚え次回から魔法を作る時はソアレに相談しようと心に決めながら捕縛されている聖女達に王の鎮魂を使った。


 そうすると先ほどと同じような事が起こり、最後に犠牲になった人の魂が現れルディールに頭を下げて消えて言った。


 大神官は聖女達が消えた事に戸惑い驚き、貴様、何をした! と叫んだがルディールは教えてやる義理も無いので無視した。


「リージュよ、こやつは捕まえて陛下にお渡しすればよいのか?」


「はい、それが一番だと思います。ここでの悪行を吐かさねばなりませんしね」


 そう言って捕獲しようとルディール達が間合いを詰めると、大神官は大きく笑い出しルディールに殴りかかった。


 その威力は年老いた人間ではなく先ほどの聖女達より力強く、防御したルディールを少しだが吹き飛ばした。


「ふん!今ので死んでいれば楽なものを!小賢しいネズミが!」


 大神官はローブを脱ぐと筋肉がせり上がり所々に人の顔の様な痣が出ていた。


「ふん、お前達程度なら聖女でも倒せると思ったが所詮は神殿の飾り。まがい物か……クソの役にもたたん。過去より私達が崇める双子の聖女様達の力で葬ってやるわ!」


「お主の言う双子の聖女とはそこの扉に描かれた人物か?」


「ああそうだ!その聖女様が残した力で私はここまで強くなれたのだよ!この体にある顔は力を奪った人間のなれの果てだ!」


「なるほどのう……その魔法の使い方を間違っておるがな」


 そう言うと、お前に何が分かる? とルディールを鼻で笑い襲いかかってきたが、バルケが大剣で受け流した。


「ルー坊、よほどの時は頼むが、いい感じに暖まってきたからこのおっさん貰うぞ」


 いいぞと言おうとしたが、火食い鳥達も思う所があった様でバルケに譲れと言ったが、お互いに引かず共闘する事になった。


「大神官。負け試合じゃが頑張れよ」


 そう煽るとさらに激高しそれが開戦の合図となりバルケ達に襲いかかった。


「ルディールさん、戦闘前に煽ったら駄目でしょうに……」


「いや逆じゃ。命のやり取りをしておるのに怒って周りが見えておらぬなど話にならぬからのう……そういう意味ではリージュは冒険者に向いてるのかものう」


「言われて怒ることはそんなにありませんが、素直に公爵の娘として生きておきますよ」


「ミーナもそんな事を言っておったのう」


「勧めてる本人が冒険者では無いと言うのが問題ですね」


 リージュを庇いながらバルケ達を観戦していると、ルディールの煽りが聞いたのと元から怒りやすい性格のせいで、パワーもスピードもバルケ達より上だったが周りが見えておらず、かなりの攻撃がヒットしていた。


「チッ!神官って言うだけあって回復魔法は使えるか、うぜぇ!」


 バルケの言葉通り大神官は傷を受けると即座に回復させた、それを見ていたルディールがバルケ達に回復出来ぬようにしてやろうか? と聞いたが面倒なだけでそこまで強い相手じゃないから大丈夫だと言って大神官の腕を切り落とした。


「ふん、この聖堂に来られる程の冒険者という事はあるか……だが腕ぐらい切られた所で痛くもかゆくもない!」


 大神官は切られた腕をくっつけるとすぐにくっつきまた戦闘を開始した。その光景をリージュは心配そうに見ていた。


「ルディールさん、参戦しなくて大丈夫ですか?私なら放っておいてくれたら影に隠れていますから大丈夫ですよ」


「見るのも勉強、信用するのも勉強。見てみい、わらわの友人達はそこまで弱くないわい」


 その言葉通り大神官は確かに強かったが、戦闘経験は少なくバルケ達に比べると死地を通った事もないので、慣れて来ると一方的に攻撃されていた。


「バルケさん!スティレ!大型の魔法行きます!少し間を作ってください!」


 ふん、私相手にそんな事は不可能だ! と言った瞬間にスティレとバルケに両足を切断され、大神官は地面に倒れ込んだ。そしてソアレの周りに魔力が集まり魔法を唱えた。


「では、駄神官様さようなら。ライトニング・ワンダラー」


「こんな狭い所で使う魔法ではないぞ!ソアレ!」


 とルディールは叫んだが発動された雷球は1つでルディールやソアレが前に使ったものよりスピードは速く大神官に直撃した。


 そしてかなりの電撃が大神官にながれ手足は炭化し体は黒焦げになったが、自動回復のような魔法を使っていたようで無くなった手足こそ戻らなかったが胴体は綺麗に治り、人の顔の痣も消えていた。


「はい、流石にあの魔法をそのまま使うと崩壊しそうなので、少し改良した単発で速度が上がってる方を使いました。ちなみにまだ名前は思いつかないのでルディールさんに教えてもらったまんまです」


「そういうのは先に言ってくれると助かるのう……と言うか大神官を殺す気じゃったのか?」


「いえ、魔眼で見ていましたらダメージを受ける度に痣が減っていたので、それが肩代わりしているのが分かったのと、ルディールさんがいたのでもしもの時はどうとでもなると思ったのでぶっ放しました!」


 何か言おうとしたがその前にカーディフがやって来て、新しい魔法を使う時は先に言え!とソアレの頭を掴み変な音が出るまで握った。


 ルディールはとりあえずソアレ達を放って置いて、スティレやリージュと立ち上がれない大神官に話しかけた。


「これにてお主の悪行も閉幕じゃな。どうする?このままここで憲兵が来るのを待つか、国王陛下の元まで連れて行ってやろうか?」


「ばかな!ありえん!私は大神官だぞ!この国で一番、いやこの世界で一番偉い人間だぞ!どうしてこんな!あり得ない」


「うむ、誰もが自分の世界の中では主人公じゃからな、それは一番と思うが……周りを見るとそうでもないものじゃぞ?」


 まだ現実が受け入れられないのか地面を這いながら大神官は周りに当たり散らした。


「大神官、貴方もこの国の中枢的な人物だったと言うのならもう諦め国王陛下から罰を受けてください」


 スティレがそう言うと大神官は歯を食いしばり鬼の様な形相になり唇から血を流した、その人では無い表情にリージュは怯えルディールの背中に隠れた。


「まだだ!まだ終わってない!双子の聖女様!私に力を!」


 大神官は双子の聖女が写る門に向かって叫びルディールと同じ魔法を唱えた、ただし使用方法は大きく違っていたが……


「ライフライブラ!命の天秤よ!この聖堂にある命ある者!命あった者ののろいを私の力に!」


 そう叫ぶとルディールとは違う錆びた天秤が現れ、片方には大神官をのせ、もう片方には地下にあった魔眼や角や出来損ないの聖女達をのせ大きく傾き、きしんだ音をたて壊れたが真っ白な光りが大神官を飲み込んだ。

次回の更新は明後日になります。


誤字脱字報告ありがとうございます、溜まってきたのでそろそろ片付けようと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ