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朝起きたら知らない世界でマイキャラでした  作者: 絵狐
四章 知らない悪意
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第67話 足音


「おはよう、わらわも起きるのは早い方じゃがお主もなかなか早いのう」


 ルディールが起きて食堂にむかうとすでにカーディフは起きており、ゆっくりとデスコックが作った朝食を食べていた。


「おはよ。次からリベット村に来たらルディの所に泊めさせてもらっていい?よく眠れるしご飯は美味しいし静かだし。二足歩行の変なワンコはいるけど」


 そう言ってカーディフがその方向をみると、コボルト達が食べ終えた皿を片づけてルディールの朝食を準備した。


「別に良いが、Aランクに上がったのにリベット村に来る事はあるのか?」


「イオード商会と割と良い値で契約してあるからそれなりには来るわよ。冒険者と言うより護衛って感じになってるけどね」


「なるほどのう、わらわがいなくてもスイベルか誰かしら居ると思うから好きな時に泊まって行ったらええわい。村に図書館を作っておるからじきに本も減るからのう」


 カーディフとのんびり話しをしながら朝食を取り終えたが、ソアレはいつまで経っても起きてこなかった。


「ソアレの奴が起きてこぬが大丈夫か?」


「あーそろそろ起こして準備しないとね……ルディ。多少荒くても良いから起こして来てくれる?」


「うむ、良かろう。荒っぽいのは好まぬから面白おかしく起こしてやるかのう」


 ルディールはそう言ってソアレが寝ている部屋に静かに向かった、その光景をカーディフが呆れながら見ていると、少し経った後にかわいらしい悲鳴が聞こえ、ドタバタと騒ぐ音が聞こえたと思ったら静かになり、顔を真っ赤にしたソアレと笑っているルディールが降りてきた。


 そしてカーディフに挨拶をすると何があったのかを聞かれさらに顔を赤くした。


「ルディ……ソアレに何かしたの?」


「やさしく起こしただけじゃぞ?……たぶん」


「……確かにそうですが、ルディールさん私は朝弱いので寝起きにあれは止めてくださいね……起きてる時なら大歓迎ですが……」


 そう言ってまだ顔が赤いソアレを不思議そうにカーディフが見ていた。




 それからソアレ達の準備が終わるまでルディールは自室に戻り、昨夜カーディフに言われた事を思い出し自分のアイテムバッグの中を整理したりして時間を潰していると一階から声がかかったので、ルディールは階段をおりて一階に向かった。


 一階に降りると準備が出来たソアレ達が待っており、ルディールはスイベルに王都に向かうことを伝えた。


「では、スイベルよ。また王都まで行って来るので留守を頼まれてくれるか?」


「はい、分かりました。気をつけて行ってらっしゃいませ、それと」


 ソアレ達の前だったのでルディールに近づき二人には聞こえない様に耳打ちした。


「王都の上空にエアエデンを待機させていますので、何かあったら私達か姉さんをお呼びください」


「わかったのじゃ、何も無いと思うが、エアエデンのレーダーなどで少し王都を見ておいてくれ」


 頭をさげスイベルが離れると、転移魔法で王都のリノセス家まで飛んだ、いつもの部屋に着くとソアレが先ほどの会話が気になった様で聞きにくそうに尋ねてきたので、ルディールはもしもの時の為にスイベルが近場にいると教えた。そしていつもの様にベルを鳴らすとまたセニアが来たがルディールの顔を見ると少し赤くなっていた。


 その事を軽くからかいながらルディールはソアレ達の予定について尋ねた。


「さてと王都に着いたがソアレ達はどうするんじゃ?セニアは学校じゃろう?」


「……はい、私とカーディフはこのまま魔法学校に向かいます。向こうでスティレと合流しますので」


「私も学校なのでソアレ先生達と一緒に行こうと思います。ルディールさんは?」


「わらわは毎度おなじみ図書館じゃな、学校も気にはなるが入れぬしのう」


「間違っていたらすみませんが、学校の図書館は確か受付で申請すれば入れたと思いますよ?」


「……使う人はほぼいないですが食堂も一応は使えますよ」


 セニアがそう教えてくれるとルディールの目が少し輝き学校の図書館も気になったので着いていく事に決めた。


 そしてルディール達はリノセス家の馬車に乗り込み学園まで向かった。学園に向かっているとかなりの人数の学生が徒歩で歩いていたのを見てルディールがまた変な事を言い出した。


「セニアよ、こうあれじゃろ?」


「ルディールさん……その顔の時は変な事しか言いませんがなんでしょうか?」


「徒歩で通学している連中を見下して優越感に浸っておるんじゃろう!毎朝!」


「浸ってませんよ!ルディールさんは私をどういう風に見てるんですか……」


「人生勝ち組」


 ルディールがそう言うとセニアは否定したがソアレとカーディフは大いに納得し、うんうんと頷いた。


 そんな事を話しながら馬車が進んでいくと見た目は小さいが立派な修道院の様な所があり、その前を通るとカーディフの顔色が悪くなった。


「カーディフよ、顔色が悪くなったが大丈夫か?」


「いつもの事なんだけど、さっきの修道院の前を通ると気分が悪くなるのよね。もう大丈夫だけど……」


 その事がきになりルディールは詳しそうなセニアとソアレに尋ねた。


「あそこはどういう所なんじゃ?」


「貴族達がお金を出し合って作った修道院ですね、私も入った事はありますが綺麗な所ですよ」


「……建前はそうですが、最近は人の出入りが激しいのですよね。今でも出入りしてる人達を見ると、隠してはいますがSランク冒険者とかが護衛でいたりしますし……っとあまり見ない方がいいですね。見ていたのを気づかれましたし」


 そうソアレが注意してきたのでルディールがそちらを向くと数人がリノセス家の馬車を見ていたので、優雅に手を振った。


「ルディ、なんで手振ってるのよ……」


「見ただけでお互いに何もしてないんじゃから、手ぐらい振ってもええじゃろ、と言うか少し見ただけなのに分かるものなんじゃな」


「今の人達は【黒点】と呼ばれるSランクのPTですね。冒険者ではありますがお金を払えば何でもするらしいので傭兵に近いかもしれません」


「なるほどの~お金払えばちゃんと仕事するなら頼む方は頼みやすいのう」


「何か違う気がするけどまぁいいか……けどさっきの【黒点】って別に黒くないのに黒点って言うのよね、装備とか白いし」


「あれじゃろ。体の一部分が黒いんじゃろ?」


 ルディールがそう言うと、セニアが顔を赤くしたがカーディフはホクロとか? と聞いていた。


「なんでセニアさんは顔赤いのよ……変わった所にホクロついてるの?」


「カーディフよ言ってやるな……こやつらの心は汚れて真っ黒なんじゃ」


「……ルディールさん、私達は何も言ってませんが?」


 くだらない話をしながらもルディールは先ほどの修道院に心の中で要注意! と書き込んでいるとセニアが通う学校に着いたので皆で馬車を降りた。


 降りるとスティレがいてこちらに気づいた様ですぐにやってきたので、そこでセニアとは一度別れ、ルディールと【火食い鳥】は受付に向かった。


 受付で図書館に入る為の入館証をもらい火食い鳥を待っていると、見慣れた剣士がルディールに気がつきやってきた。


「おー。ルー坊、こんな所で何やってんだ?」


「おお、バルケでは無いか、灯台の街では世話になったのうありがとう、わらわはここの図書館へ行く感じじゃな?お主は?……と言うか女学生に手を出すと捕まるぞ?」


「出すか!礼を言うかバカにするかどっちかにしろよ!俺は剣の指導というか対魔物の指導って感じだな」


「お主が他人に教えるイメージが無いから新鮮じゃな」


「こないだルー坊を探しに行った時にリノセス家と縁ができたからそのツテだな。まー……断ってもよかったがなんとなくな。よし、面倒くさそうなのが来るから先に行くわ。ルー坊またな!」


「うむ、また後でな」


 バルケはそう言って何処かにいくと受付から戻ってきた火食い鳥と合流しまだ時間があったのでルディールの目的の図書館に案内してもらう事になり向かった。


「ルディール殿はバルケ殿と仲が良いのか?」


「そうじゃのう、友人と言ってよいぐらいにはつるんでおるのう」


「へぇー、前にルディの胸ぐら掴んでいたのが嘘みたいね」


「過ぎれば笑い話と言うヤツじゃな。冒険者同士は仲が悪かったりするのか?」


「……良いに超した事はありませんが基本的に仲がいいとは言えませんね、冒険者というのは全員ライバルみたいなものですし、妬みや嫉みもありますから」


「その辺りはどこでもそんなものなんじゃな」


 冒険者の普段の仕事などの話しを聞いていると目的の場所に着いたので、ソアレ達に礼を言って中に入った。

 王都の図書館ほどでは無かったがそれでもかなりの広さがあり、図書館の受付で入館証をみせ、音消しのミサンガを借りルディールはいつもの様に歴史や魔法に関する本を探し、学生達の邪魔にならないように隅で静かに読み始めた。


 それからしばらく本を読んでいると一人の学生がルディールに近づき話しかけて来たが、ルディールはその顔を見て無視をした。


「ルディールさん、こんな所でどうしたんですか?」


「今日はわらわの耳は定休日でお休みだから聞こえない」


「では開くまで隣にいますね」


 そのやり取りの主は大公爵の娘のリージュだったのでルディールは諦め、大きくため息をつきしかたなく対応した。


「で?なんじゃい。サボりか?」


「ちゃんと授業中ですよ、ルディールさんが集中しすぎて気がついて無いようですが、生徒がいっぱいいるでしょう?」


「……邪魔になったりせぬよな?」


「一般人がここにいるのはかなり珍しいので皆見てますが、問題ないですよ」


「お主がここでわらわと話しておるからではないか?」


「それもあると思いますね、私のお友達って少ないので」


「友人では無いのじゃが?」


 しばらく無言で二人とも本を読んでいたが、周りから視線が外れたときにリージュがルディールに謝ってきた。


「ルディールさん、この前は父がすみませんでした」


 そう謝るとルディールはリージュのおでこに軽くデコピンし、リージュが小さく痛っと声を出した。


「別にお主が何かした訳では無いのに謝る事はない、お主の父があんな感じでも国のトップクラスの人間じゃろ?偉い人間が偉そうにしても文句言わんわい。話も聞いておらんかったしのう」


「そうですか……ありがとうございます」


「そうしておとなしくしておれば、普通にご令嬢って感じなのにのう」


「ルディールさんから見て普段の私はどう見えてるのかが気になりますね」


「うんこくさい奴じゃな」


「……うさんくさいの間違いでは?と言うか本人の目の前でいいますか」


「ほれ、さっさと勉強してくるのじゃな」


 そう言ってリージュを追っ払おうとしたが、本人は嫌がらせの様にルディールのすぐ隣で勉強をし、分からない所はルディールに聞いていた


「ルディールさん……結構アホの子かと思いましたが普通に賢いんですね」


「普段なら否定する所じゃが……お主にアホと言われると数倍腹立つのはなんでなんじゃろな?」


「運命の出会いと言うやつですね。……それと話しは変わりますが王女様に何かしましたか?最近、怒ってるというか……何というか」


「貴族と神官が嫌がりそうな事を教えたとは自信を持って言えるのう」


 そう言うとリージュは大きくため息を付き、大体分かりましたと頭を悩ませたが、また一言だけ礼を言った。ルディールは何に対しての礼だったのか分からなかったので聞き返したがはぐらかされてしまった。


 リージュ達の図書館での授業が終わりようやく去っていき、静かになった図書館でルディールは色々と調べたが、この世界とゲームの世界と元の世界の繋がりが有りそうな情報を発見する事は出来ずにいると、いつの間にかお昼になっており、火食い鳥のメンバーが昼食に行こうと誘いに来てくれたのでルディールは学食に向かった。


 学食に着くとミーナ達がテラス席を確保していてくれたので、自分達の食事を取りそこに向かった。

 その途中でボッチのバルケを見かけたので強制的につれていき皆で食事が始まりミーナが話しかけてきた。


「ルーちゃん、調べ物の進展あった?というかバルケさんを無理矢理連れてきたら駄目だよ」


「進展はいまいちじゃな、バルケの目が女学生を狙っておったからのう……と言うか、この集まりは周りから浮いておるのう……」


「狙ってねーよ!」


 ルディールが言うようにその集まりはミーナ、侯爵の娘、公爵の娘、王女、Aランクが2PTと大人数で人目を引く集まりだった。


「王女様はミーナのクラスメイトじゃから分かるが、リージュが居る意味がわからん」


「え?ミーナさんとセニアと王女様はお友達ですからいますよ?」


 ミーナとセニアはなんとも言えない顔をしていたが、王女は、え~リージュが友達ですか? 母に友人は選べと教えられたのでと返すと少しショックを受けていた。


「ルー坊、ミーナちゃんって村娘なのに顔広いよな?あのリージュって言う子はシュラブネル家の娘さんだろ?あと火食い鳥とも知り合いだしな」


「お主とも知り合いじゃし……そういう星の下に生まれたんじゃろうな~」


 そう話しルディールが火食い鳥に授業の事を聞こうとそっちを見ると、カーディフやソアレの顔色がかなり青く震えだし、妙な気配を感じ外を見るとさっきまで晴れ渡っていた空がどんよりと曇り、魔法陣の様な模様が王都を覆うように上空に現れると、目を潰すような強烈な光を発した。


 その瞬間ルディールは自分が持つ最上位の防御魔法を唱えた。


「オーロラ・セブンス・ウォール!」




  ルディールの障壁が間に合ったかどうかは分からないが……その日、王都のほぼ全ての生き物は謎の光によって絶命した。

お昼に投稿予定だったのですが、お昼休憩がなかった!次回の更新はたぶん明日のお昼になると思います。急用が入ったら明後日の朝です。


いつも誤字脱字報告ありがとうございます。

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