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朝起きたら知らない世界でマイキャラでした  作者: 絵狐
三章 知らない大海
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第45話 灯台の街へ

 ルディールとスナップは中央都市のイオード商会前で商会長達と集合し、海がある灯台の街に向かって出発した。


 道中で護衛の冒険者の顔合わせがあり、ルディールが会話をしていたが、スナップはミーナとの会話を思い出していた。




「ルーちゃんが、何処か遠くへ行きそうな気がして……」


「どうしてそう思うんですの?」


「私の実家って冒険者さん達が来る宿で、小さい時からそういう人達を見てると、この人は帰って来るとか帰って来ないが、なんとなく分かるんですよ……お父さんもそういうのが分かるから、少し前に手紙が来てて似たような事を言ってたから……」


 そう話すミーナの顔はいつもの様な明るさは無く、とても不安げな様子だった。


「よく分かりませんが分かりましたわ。今回の冒険でルディール様が何処かに行きそうになったら、顔面にロケットパンチ叩き込んで引きずって帰ってきますわ」


「スナップさん!暴力は駄目ですよ!」


「話が伝わらない奴に無理して伝える必要はありませんわ!殴った方が時短ですわ」


「……ルーちゃんごめん。相談する人を間違ったと思う」




(と、冗談半分で話は終わらせましたが……わたくしも思う所はありますわね。ですがルディール様が元の世界に帰りたいと思われていたら、どうするのが一番いいんでしょうね?)


 とスナップが周りの声が聞こえないほど考え込んでいると、頬につつく感触があり現実に引き戻された。


「背中とかにゼンマイを巻く所でもあるんじゃろか?」


「そこまで、アナログではございませんわ!それとどうして頬をつつくんですの!」


「お主が呼んでも返事せんからじゃろ、ソアレも心配しておるぞ?」


「…スナップさん大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫ですわ。少し考え事をしていましたわ」


「では、もう一回じゃな。ソアレがいるPTは【焼き鳥】で剣士がリーダーのスティレで、そこのレンジャーがカーディフ・テイラーじゃな」


「だれがテイラーか勝手に名前変えんな!カーディフ・シアイスよ!しかも【火食い鳥】よ!」


「ありがとうございますわ。ではスティレ様、カーディフ様、よろしくお願いしますわ。」


 お互いに紹介も終わり、イオード商会の荷馬車と行商達と灯台の街へ向かって出発した。ルディールとスナップは商会長がいる馬車に乗り世間話をしていた。


「灯台の街へは何日ぐらいかかるものじゃ?上からは見た事はあるが、行った事は無いのでのう」


「そうですね、この速度なら二日もあれば着きますね、途中で魔物等の襲撃が無ければの話ですが、街道がある程度整備されていますから、盗賊などは出ないと思いますよ。出た所でBランクPTを雇っていますから問題ないとは思います」


「やはりランクで値段は全然ちがうのか?」


「ええ、Bランクからは高額になりますね、街から街へ行く程度ならほとんど戦闘もないのでCランクでもいいのですが、私もできるだけ現物を見て仕入れたいですし、ケチって襲われて荷物奪われるぐらいならいいのですが、殺されでもしたら大変では済まないですからね」


「まぁ、そうじゃわな」


「今回はオントさんも行くという事なのでPTは一つにしていますがね」


「なるほどのう、ちゃんと索敵しておくわい。向こうで何か仕入れるのか?」


 ルディールがそう聞くと、商会長はもちろんといい灯台の街では野菜や嗜好品を売り、帰りは魚や工芸品などを買って帰ると教えてくれた。


 やはり海が近いので魚の料理なども多く美味しいですよとも教えて、ルディールの目は輝いていた。


「それと、ルディールさんに教えて頂いたミーナさんの実家の料理ですが、王都の竜の顎に負けていませんね……あの値段で勝ってるのは凄いですよ」


「じゃよな?ミーナの父親に言っても信じてくれんでのう、わらわの舌がおかしいのかと思ったわい」


「中央都市に戻った時に親しい商人の仲間達にも穴場として紹介しておきましたから、さらに流行りますよ」


 ミーナの両親、過労死せんじゃろかとルディールが心配になっていると、商会長が奥さんの誕生日に竜鱗華草を渡したのろけ話をされルディールも返答に困った。


「さてと、【火食い鳥】のメンバーとも顔なじみじゃし、護衛の仕事でもするかのう」


「この辺りはまだ平和ですので、ゆっくりされても大丈夫ですよ」


 商会長はそう言ってくれたが、ルディールは意地悪そうに笑い、人ののろけ話など聞きたくないわと言いスナップを誘い外にでた。


(わたくしが見てもいつもと変わらない気がしますわ、気をつけるにこした事はありませんが、気にしすぎも駄目ですわね)


 と頭を悩ませているとルディールが話かけてきた。


「恥ずかしいかも知れぬが、トイレ行きたい時はちゃんと言った方がよいぞ?やばいと思った時は……手遅れじゃぞ?」


「違いますわ!」


 それから、カーディフが屋根の上で見張りをする荷馬車に入るとソアレが出迎えてくれた。


「……ルディールさん、スナップさんいらっしゃいです。どうかしましたか?」


「商会長ののろけ話を聞くのが嫌になったのと護衛のお手伝いじゃな」


「……そうですか、ありがとうございます」


「お主は外で見張らんでよいのか?」


「……ええ、私もそう思うのですが」


 と、ソアレが言うとカーディフが荷台の上から頭だけ出して話しかけてきた。


「ソアレは新しい魔法を覚えたんでしょ?この辺りはと言うか、灯台の街くらいなら安全だから練習しときなさいよ」


 そう言ってカーディフはまた定位置に戻って行った。


「雷の触覚か、少しは慣れたか?」


「……少しは慣れましたが、まだ人が多い所で使うと少し酔いますね、あとまだ戦闘には使えませんね」


「その辺りは、その内慣れて行くと思うぞ、今だと範囲を広げたり狭めたりして色々遊んでみたらええわい」


「……わかりました。やってみます」


「では、お主の代わりに護衛してくるかのう、荷馬車の上にカーディフとおるからスナップはここにいたら良いぞ」


「わかりましたわ」


 それからルディールはカーディフがいる大きい荷馬車の上にあがった。


「ん?交代って、あんたか」


「ソアレが特訓しておるからのう、護衛のお手伝いじゃな。それはそうと荷馬車なのにかなり重厚に作られておるんじゃな」


「まぁ、矢とか魔法とか飛んで来たら布だと防げないし、この馬だとこれぐらいの大きさだと軽いわよ」


「そういえば平屋くらいじゃと運べるんじゃったな」


「で?あんた名前は?」


「ルディール・ル・オントじゃな。今回は偽名ではないぞ?」


「へぇ~って、あんた熱でもあんの?また変な偽名いうかと思ったんだけど?」


「うむ、正直言うとそろそろネタ切れじゃな。R3フラワーチルドレンと名乗っても良かったんじゃがな」


「ソアレもそうだけど、魔法使いは変なのが多いわね、なんて呼んだらいいの?」


「花子でよいぞ」


「じゃあ、ルディね」


「人の話聞いてないじゃろ?まぁなんでも良いわい。スティレは?」


 そう聞くとスティレは一番前の荷馬車の運転手の横に乗って護衛していると言い、見ても分かる様にこの辺りは拓けてるし、警戒しすぎなくても大丈夫だと教えてくれた。


「私は半分、耳長族で目が良いからかなり遠くでも見えるのよ」


「なんじゃい、お主アンデッドの類いか?体に継ぎ接ぎでもあるのか?」


「だれが、縦に半分って言ったのよ!混血って事よ!」


「ほーなるほどのう」


「って……あんた全然驚かないのね」


「うむ、耳長族とか言われても太古の森にいるぐらいしか、知らないしのう」


 そうルディールが言うと、カーディフが呆れながら説明してくれた、太古の森奥に集落があってカーディフの母は耳長族で父は人間で駆け落ちして自分が生まれたと教えてくれた。


「今日はのろけ話が多いのじゃ……と言うか、わらわにそれを教えてよかったのか?」


「ん?あー……ソアレがあんたに懐いてるのと、あんた角付きだから人間より私達に近いかなと思ってね」


「その耳長族と言うのはエルフの事か?」


「場所によったらそう呼んでる人もいるわね、どっちでも通じるから好きな方でいいわよ」


「あれじゃな、サケとシャケの様な感じじゃな」


「そんな感じなんだけど、何かちがう……」


 少し仲良くなったカーディフと話をし無事に何事も無くその日は野営となった。


「夜の護衛だが、ルディール殿も数に入れていいのか?」


 野営で火に薪をくべながらスティレがそう聞いてきた。


「夜はわらわの専売特許じゃからな、数に入れないと言う選択肢はないのじゃ」


「分かった、では先に私とカーディフが警護に当たろう後半を任せてかまわないか?」


 と、スティレが言ってきたがルディールが先に行くと言い、スティレもそれを受け入れ、ルディールとソアレとスナップが警護をしスティレ達は先に仮眠をとった。


 三人になり、火を見ているとソアレが話かけて来た。


「……私達は魔法使いで、もうすぐ満月で魔力が上がってますから、索敵範囲を広げられますね」


「うむ、そうじゃな。ちょいと変な気配が少しあるが、動きがかなり遅いのう」


「……ルディールさんの使う索敵魔法は私が教えてもらった雷の触覚とは違うのです?」


「うむ、わらわのは闇の触覚じゃな、影を察知して相手を見つけると言った方がわかりやすいのう。まぁ影が出ない所じゃと察知出来ぬデメリットもあるがのう」


「……なるほど、それで先ほどは専売特許と言ったんですね」


「そういう事じゃ、っと先ほどの遅いのが来たがなんじゃ?」


 そう言うとソアレの索敵にも引っかかったようでそれが何か教えてくれた。


「……この感じだと低位のアンデッドですね」


 そう言うと今まで静かにしていたスナップが反応した。


「商人達も寝ておるし、ドンパチやる事もあるまい」


 ルディールはそう言うと、真なる王の指輪に眠る王の鎮魂に力を込めた。すると索敵に引っかかっていたアンデッド達が静かに消えていった。


「……ルディールさん何をしたんですか?」


「死んでまで働くのは嫌じゃろ?黄泉の国まで有給で旅行に行ってもらっただけじゃな」


 そう話すとスナップが喜び、人間お休みは大事ですわ!と言って喜んでいた。


「……底がないですね」


「蓋の閉め忘れじゃろ。と言うか褒めても何もでぬぞ」


「……残念です、おやつぐらいは出るかと思ったのですが」


 と、ソアレが気を抜ける事をいったので、デスコックに作ってもらったクッキーをあげ、それから朝まで数回ほどアンデッドが出たが、ルディールに浄化されて眠りについた。


 ルディールとスナップが朝まで警護する方が楽だったので、ソアレを先に寝かせ、スティレとカーディフを起こさずに朝を迎えるとカーディフに怒られた。


「ちょっとルディ!あんた、ちゃんと起こしなさいよ!」


「涎をたらして気持ちよさそうに寝ている奴を起こすわけないじゃろ……」


 そう言うとカーディフは顔を真っ赤にして頬に残っている後をゴシゴシと拭いた、スティレも隠れて拭いていた。


「……お主ら本当にBランクか?」


「うっさい!」


 灯台の街を目指して、二日目の朝を迎えた。

次回の更新は明日になるとおもいます。

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