表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/306

第3話 友人と同じ名前の少女

「ぬ?今、声が聞こえたのぅ……翼よ!」


 ルディールは背中に魔法で蝙蝠のような黒い大きな翼を生やし声のした方向に向って飛んでいく。


「あれじゃな?むっ……イノシシに似ておるか?」


 目を向けると一人の女の子が大きな牙をもったイノシシのような獣の群れに囲まれておりその内の一匹が襲い掛かかろうとしていた。


(言葉が通じるかどうかもわからぬし、どちらが悪いかもわからぬが……見捨てる訳にもいくまい……魔法では先ほどの事もあるから危険じゃな…)


 飛んだまま勢いを殺すことなく獣の腹に蹴りをぶち込むと獣は大きく、くの字に体を曲げ吹っ飛ばされ木々に数度激突し絶命した。


(これでしし共に言葉が通じて人の方に言葉が通じんかったら最悪じゃな…)


「しし共よ、お主らの手詰めじゃ。かかって来るならば鍋の具じゃが、去るのなら追わぬぞ?」


 ルディールの圧倒的な気配の前に獣達は本能で勝てないと悟り一匹、一匹と去っていく。


「さっきの鳥といい、今のししにしろ獣達はある程度の言葉を理解しているのかもしれんのう。」


 呆然としている淡い栗色の髪に中世の村娘のような恰好をした少女の方を向き言葉をかける。


「ほれ、そこの娘。災難じゃったな無事か?」


「……」


「むっなんじゃ?もしかして言葉が通じんのか?……それはさすがに勘弁してほしいのう」


「っ!いっいいえ大丈夫です。通じてます!いっ痛!」


 少女の足には深く大きな傷があり自力では歩行が不可能のように思えた。


(怪我をしておるな……ポーション系の回復アイテムでもいいんじゃが、効果が変わっておるかもしれぬから、やめておく方が無難じゃな。それならば)


「娘、うごくなよ?ヒーリング!」


 魔法を唱えると淡い緑の光が少女を包み込み、見る見るうちに傷を治していく。


(装備品の効果に付いている回復魔法なんじゃがしっかり機能しておるか……)


 ルディールのゲーム内でのステ振りでは本来回復魔法は使えないのだが真なる王の指輪に統合された【双子の聖女の指輪】の効果で、ある程度の回復魔法などは使用可能である。


「しかしあの双子の聖女には頭があがらんのう……薄い本でも世話になったしのう……」


「ええと……薄い本ですか?」


「こっちの話じゃ気にするでないわい。それでもう動けそうか?」


 少女は手足を動かして身体に違和感が無いかを確認していく。

 

 「はい、もう大丈夫そうです。助けていただいてありがとうございました。」


 「うむ、感謝してくれればそれでよい」


「ええと……魔法使いの方ですか?格闘家の方ですか?」


 ルディールは胸に手を当て大きく構え自信満々に答える。


「うむ!そうじゃ!迷子の魔法使いじゃ!」


「……」


「なんじゃその顔は……言いたいことがあるならば言うとよいぞ」


 「……村まで案内しましょうか?」


 少女に駆け寄り手を掴み目を輝かせながら。


「たのむ!ぜひ頼む!そしてできたら安い宿屋もお願いじゃ!」


 その必死な様子に少し驚きながらある方角を指さし答える。


「わっわかりました。こっちの方角になります。」


「では案内頼むぞ。して?君の名は。」


「はいっ。ミーナです。ミーナ・ルトゥムと言います」


「ふむ……ルトゥムさんちのミーナか……」


 その名前を聞いた時、数時間前まで一緒に遊んでいたエルフの姿をした友人の顔を思い出す。


(そういえば面白そうなゲームを見つけたから一緒にやろうと誘われておったのう……帰る方法があるならば探さねばなるまいな……まだ夢の中という可能性も捨てきれんしのう)


 急に黙ったルディールをみてミーナが心配そうに声をかける。


「どっどうかしましたか?」


 ルディールは花の咲いたような笑顔になり答える。


「うむ!良い名前じゃなと思っての」


 少女は顔を少し赤らめてお礼を言う。


「あっありがとうございます……魔法使いさんのお名前は?」


「わらわの名はルディール!ルディール・ル・オントじゃ!さぁ!村へいくのじゃ!」


 意気揚々と歩いていくルディールにミーナは申し訳なさそうに声をかける。


「オントさん村はこっちの方角です…それとオントさんが倒した大牙じしはどうしますか?かなり立派なししなので牙とか毛皮とか売れるとおもいますけど……運べないですよね?」


「ふむ……少し待っておれ」


 腰のベルトからアイテムバックを取り外し・大牙じしと呼ばれる魔物に近寄っていく。


「オントさん、それアイテムバックですか?綺麗ですね。」


「容量は大きくはないが持ち主の魔力を引き上げてくれる特別製じゃ!」


 そういいながらアイテムバックに魔物を入れようとするが、何度やっても入る気配がなかった。


「なぜじゃ!アイテムバック持っておったら無限収納できるのがテンプレであろうに!このバックではこのサイズは入らぬのか?」


「テンプレ?……かなりの大物ですからね、このサイズが入るアイテムバックってあるのかな?」


 そう言いながらミーナは文句をいうルディールをなだめる。


「……引きずって行ってもいいんじゃが、ダニとかいそうじゃしのぅ……殺しておいてあれじゃが長時間は触りとうないのう」


「いやいやいや、オントさんが強くてもさすがに村まで引きずって行くのは無理なのでは?失礼ですけどオントさんまだ子供ですよね?オントさんの数倍大きいですよ!」


「たわけ!子供ではないわ!ホレ!」


 ルディールが爪を伸ばし、ししをつまみ軽く持ち上げると驚きの声が上がる。


「オントさん私より小さいのに力持ちなんですね……」


「やはりと言うか獣特有の匂いがあるのう。ならば魔法じゃ!マジカルハンドよ!」


 その魔法を唱えるとボン!っと少し大きな音が鳴りルディールの後ろにデフォルメされた白い大きな手が現れた。


【マジカルハンド】ソロプレイ時に一人では解除できない仕掛けや飛べない職業を高所へ運んだりプレイヤーを支える必須のサポート魔法。ステ振りによっては武器も装備でき本気マジ狩るハンドになったりもする。


 ししを運べ。そう魔法に指示を出し二人は薄暗い森の中を村へ向かって歩いていく。


「オントさん、先ほどから浮いているこの手も魔法ですか?」


「そうじゃ魔法じゃな。お主はこのような魔法は見たことが無いのか?」


 不思議そうにマジカルハンドを見ているミーナが返事をする。


「はい、少なくとも私がいる村では見たことがないですね、王都などの大きな都市に行けば見れるかもしれませんが」


「ふむ。どのような魔法なら見たことがあるんじゃ?」


 ミーナは顎に人差し指をあて少し考えてから答える。


「そうですねー。火とか水とか出たりとかそういう感じの生活魔法とか攻撃魔法ですね。あと神官様が回復魔法をお使いになられますよ」


「なるほどのう……」


 そう言いながらまた少し考える。


(魔法じたいは元からこの世界にあるからそこまで驚かぬのか……しかしわらわが使う魔法とこの世界の魔法は違うのかもしれんしのう。これも一度詳しく調べねばなるまいな)


 心のメモ帳のやる事リストに書き込んでいると、ふとモンスターの出る森の中に少女がいたのが気になってその疑問を投げかけた。


「そういえばお主はなぜ森におったんじゃ?この森はそこまで危険ではないのか?ぱっと見た感じ量産型村娘のように見えるがのう」


「……いま微妙に失礼な事言いませんでしたか?まぁ……内緒です。それよりあそこです!あそこの麓に見える村が私の住む村です!」


(もしやあれか?病弱な両親の為に危険を冒して森まできたとかそんな感じかのう?まぁ今はそれよりも)


「村じゃ!ミーナよ!ゆくぞ!」


「はいっ!」


何か気まずそうにごまかされた所で、森を抜け見下ろした所に大きな村が見えていた。その村に向かって二人は歩いていく。

作者とルディールのあとがきコーナー


「作者よ、次回の更新はいつじゃ?」

「もうちょい先の下書きまではあるから木曜日のお昼か、遅くて金曜」

「もう少しはやく更新せんのか?」

「人差し指でキーボード打ってるからそんなに早く打てない!」

「タイピングするのじゃ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ