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第117話 樹都ウェルデニア

次回の更新は日曜日予定。


ネット小説大賞をやっているので新作書くか悩み中だけど、朝起きたら知らない世界を書きたいので多分書かないと思われる今日この頃。


誤字脱字報告誠にありがとうございます。

 森の智者達はルディールから受け取った薬を振りかけると、すぐに世界樹が薄い緑色に輝き始めた。


「大丈夫とは思うんじゃが、こういうの見ると枯れたらどうしようとか考えぬか?」


「いや、考えないでしょ……」


 等と話していると光が隅々まで行き渡り、世界樹を覆っていた苔が剥がれていき、全て剥がれ終わった後に薬をかけた辺りから新しい芽が出て来た。


 ルディールが芽が出たぞ! と言おうとしたが、コピオンがルディールとカーディフの首根っこ掴み世界樹から距離を取った、次の瞬間に至るところから芽が出て急速に成長し、ルディール達がいた辺りを飲み込んだ。


「おぉぅ……コピオン殿よ、ありがとう」


「お爺ちゃんありがとう」


「気にするな、俺もルディールの家で実験してなかったら飲み込まれていたな」


 少し離れた場所で静かに世界樹の成長を見守っていると焼け落ちた時より一回り大きくなった所でとまり、ルディールの家と同じ木の匂いが辺りに漂い始めた。


「この場所が深すぎて上の方は確認出来ぬが、葉も生えたんじゃろうか?」


「行ってみるか?これだけ大きな幹だ、深樹を突き抜けて頭一つ出ている」


「ルディ、行きましょう。見てみたいわ」


 ルディールは背中に翼を生やしシャドーステッチで二人を縛り上まで行こうとしたが、森の智者達から待ったがかかり、自分達が上まで運んで行くと言ってくれたのでその言葉に甘えることにした。


 ルディールが目を瞑り開いた時には、もう世界樹の巨大な枝の上にいた。足下には深樹が広がっており、上には世界樹の葉が青々と広がっている。


「うわっ……深樹の上って初めてきたけどこうなってたんだ……って、ちゃんと世界樹に葉が生えてるわね」


「世界樹を上れば来られるが見晴らしがいいぐらいの場所だ。特に理由がないなら来ない方がいい」


 コピオンがそう言ったのでカーディフが辺りを見渡すと巨大な虫が何十匹も飛んでおり、どれも未登録で脅威度が不明なものばかりだった……


「深樹と言うだけあって魔境じゃな……」


 少しの間世界樹から辺りを見渡し、飛んでいる虫を見てルディールとカーディフが感想を言い合っていると、コピオンが姿勢を正し頭を下げ礼を言った。


「ルディール、ありがとう。元だが森の番人として礼を言わせてもらう」


「どういたしましてじゃな、カーディフも一役買っておるがのう」


 ルディールがそう言うと、大きな手でカーディフの頭をなで、良い孫を持ったなと呟いたのでカーディフも恥ずかしそうではあったが嬉しそうだった。


 ルディール達の話が終わると森の智者達もルディールに跪き、薬を渡した一人が代表してお礼をいった。


「お主達こそ何をいうか、時間さえあれば家の庭の手入れをしてくれておるのに、わらわの方こそやっと日頃の感謝を返せてよかったとおもっておるわい。もしお釣りがあると思うなら、また庭の手入れをしてくれればええわい」


 その言葉に森の智者達はそれ以上は何も言わず大きく頭を下げた。


 そしてルディールが虫を捕まえたり、カーディフとコピオンが世界樹の葉を集めていると遠くに煙が見えた。


「ん?少し遠いが火事か?コピオン殿わかるか?」


 コピオンがその方向を見ると確かに煙りが数カ所から上がっており、その場所に心当たりがあった。


「樹都ウェルデニアのある辺りだが……何があった?あそこの建物は植物だ……簡単に火がつく訳がない」


「感じ的にあまり良い感じはしないわね……」


「どうする?ウェルデニアに行ってみるか?何かあれば手伝った方が良いじゃろうし、無ければ観光すればいいだけじゃしな」


「そうね……気がつかなかったら仕方ないけど、見て見ぬ振りは出来ないわね」


「そうだな……行くか。だが一度俺の家まで戻るぞ。もしもの時の為に装備を調えてからいくのが良いだろう。襲撃されている可能性もあるからな」


「そうじゃな、仮に襲撃されておってもSランクPTもおるしのう」


 そう話しルディール達は森の智者達に頼みコピオンの家の近くまで送ってもらった。


 コピオンの家からならウェルデニアまで割と近かったようで、煙がはっきりと見えた。


「森の智者達よありがとう。ここまでで大丈夫じゃ、お主達もあまり姿を見られるのは好きではあるまい、ここからはわらわの翼で飛んで行く」


 森の智者達は頷きまた頭をさげてから森の中へと消えて行ったので、見届けてからルディール達はコピオンの家の中に入った。


 そしてコピオンはカーディフに矢の詰まった矢筒や弦を渡し、ポーションの類いもルディールとカーディフに投げ渡し、自身に必要な物もものの数秒で用意しあっという間に準備が終わった。


「なんと言うか、流石狩人じゃな……」


 そう言ってコピオンに関心しながらルディールは背中に翼を生やし、カーディフとコピオンをシャドーステッチで縛り空へと上がった。


 空へあがりカーディフとコピオンに風よけの防壁を張りすぐに煙が上がっている方向へ向かって高速で飛ぶとそこまで遠く無かったようで、ウェルデニアの上空にたどり着いた。


 ウェルデニアを見下げると、所々から火の手が上がっておりエルフ達が、必死で消火していた。そしてカーディフが叫んだ。


「ルディ!町の中央!黒点が何かと戦っているわ!」


 ルディールがその場所をみると黒点達が虫と戦っており、それをあざ笑いながら見ている一匹の人型の昆虫がいた。


「思う所はあるが……まずは手助けじゃな、カーディフ、コピオン殿!中央近くの屋根に投げるから着地は任せた!」


「分かったけど!ルディはどうするの!」


「黒点達から虫人間を一度離す!」


 ルディールそう行ってからシャドーステッチをしならせカーディフとコピオンを屋根の上に投げた。


 投げた事に気がついた黒点達と戦っている虫人間の気がそれた瞬間に、ルディールが超高速で接近しながら体に電気を纏い叫び蹴り飛ばした。


「ルディール電キッーク!!」


 ルディールの電撃を纏った蹴りの威力は凄まじく虫人間をウェルデニアの遙か向こうまで吹っ飛ばし、黒点達に態勢を立て直す時間を与えた。


 そして黒点達が少し呆気に取られている間にカーディフとコピオンが近くにいる虫たちを始末した。


(あのでっかいカブト虫と同じぐらいの硬さじゃが、小さい分良い感じに飛んでいったのう……蹴った後に風切り音が聞こえたが何じゃったろうな?)


「黒点達よ、数日ぶりじゃが大丈夫か?」


 ルディールがそう言うと呆気に取られていた黒点達はすぐに正気に戻った。


「角付きか!助かった」


 怪我をしているメンバーがいたのでルディールは回復魔法をかけてやり、近くにいたカーディフ達は全ての虫を駆除してから近くにきた。


 ルディールが何があったのかを尋ねると黒点のリーダーの男が話し始めた。


「俺達がローレットの王女からの依頼でウェルデニアに来ているのは知っているな?」


「うむ、それは知っておるし、お主達も世界樹までいったじゃろ?調べたから知っておると思うが先にあった虫っぽい足跡以外はわらわ達じゃな」


「なるほど、話が早い。魔物が暴れてる原因を探って世界樹まで行ったんだがすぐにウェルデニアが襲撃されたと同行していたガザニアに連絡があって戻ったんだが」


 樹都ウェルデニアに戻って来ると大量の虫が街を襲っており、ウェルデニアの兵士達が虫と戦っていたので黒点や採光も戦闘に加わったと話した。


「そこら辺の虫なら強いがそこまでは危なくなかったんだが……虫の魔神が出て来てからエルフの軍隊はほぼ壊滅だ……」


「採光とか言うのも来ておるんじゃろ?どうなったんじゃ」


「あいつらはSランクだが俺達みたいに戦闘に特化したPTじゃないからな、戦えるがガザニアと一緒に兵士達の回復や火消しに行っている」


 採光の事をほとんど知らないルディールの為にカーディフが隣に来て、採取特化のPTで光さえも採れるって事で採光ってPT名になっていると教えてくれた。


「なるほどのう……まずはこちらの体制を整えるのが先じゃな。魔神の方はすぐにはこちらにはこれまい」


「俺達、Sランクが無理な相手だぞ?さっきの蹴りでそこまでのダメージを与えられたのか?」


 そう聞かれたのでルディールは本家様には遙かに劣るがそれでも十万ワットの電撃を纏った蹴りだから大丈夫だと伝えると、あまり伝わっていなかったが黒点達もルディールと戦闘しているのでその言葉を信じ街を壊している虫たちの駆除に向かった。


 そしてコピオンは倒した虫を観察すると深樹にもいない虫だと二人に伝えた。


「形だけはカマキリに似ているが蟻や蜂に近いな……」


「その虫はさっきわらわが蹴飛ばした奴が召喚した奴じゃな」


(一瞬じゃったがあの見た目なら間違いないのう……虫の魔神イオスディシアンじゃったな……なんでこっちの世界におるんじゃ?クラゲ女やわらわと同じで呼ばれたのか?)


「ルディ、アンタの事は信じてるし無関係だと分かってるけど、迂闊にここで話すのは駄目。何処で聞かれてるか分からないわよ」


 会った事があると魔神の事を話そうになったので、カーディフに礼をいい後で話すと言った。


「一応は加減したが、周りを見ても話を聞いても明らかに敵じゃな……」


「まぁ、変な虫まで放ってるしね。どうする?追撃する迎え撃つ?」


 カーディフがそう聞くとコピオンが、蹴飛ばされた時にルディールの家で作った麻痺毒を塗った矢を放ったと言いすぐには回復しないだろうと話した。


「さすがコピオン殿じゃな~あの風切り音は矢の音じゃったか……」


「あの音が聞こえたか……ルディール誇っていいぞ。カーディフは横にいたが気づいてなかったからな」


 ほんとかどうかは分からないが、カーディフは気付いてました!と叫び三人で行動し、街にいる虫を駆除し火がついた家があれば消火し怪我人いればルディールの回復魔法を唱え回復させた。


 そして一段落ついた頃にルディールの索敵魔法に引っかかる者が空に現れた。


「さすが魔神じゃな、もう動き出したか……顔面に蹴りを入れたんじゃがな」


「カブト虫の時もそうだけど、なんで魔法使いなのに接近するのよ……」


 ルディールが接近しないと蹴れないと伝えると、確かに接近しないと蹴れないけどと言い……諦めたようにため息を付いた。


 三人が迎撃態勢を整えると何故かルディールの足下に砲弾子虫が歩いていた。どこから入って来たのか気になってて辺りを見ると木で出来た城壁の一部が焼けて崩れておりそこから入って来た様だった。


 そしてその砲弾子虫を掴み、死なない様に防壁魔法をかけカーディフに教えた望遠魔法を唱え、少しふらつき飛んでいる虫の魔神をロックオンした。


「こうあれじゃな、相手の射程外からの攻撃は心が躍るのう」


 そう言うとカーディフは呆れたが、コピオンは頷いたので砲弾子虫に一言謝り、力の限り投げた。


 ルディールの本気で投げた砲弾子虫は一筋の光になり、魔神が認識した瞬間には顔面に直撃し大爆発を起こした。


 望遠の魔法で確認すると砲弾子虫は防壁に守られ無事で、森の中に逃げていき、魔神の方は触覚と二、三本の足をなくしダメージを受けた様だった。


「どうなったの?」


「うむ、ダンゴムシは無事じゃったな」


「そうじゃないわよ!魔神の方よ!」


「今はダメージを受けておるが回復しそうな感じじゃな。わらわの蹴りのダメージもあまり無さそうじゃし」


「どう……倒せそう?」


「その様に心配そうな顔をせんでもよいぞ。魔神もピンキリじゃ、全部が全部強いと言う訳ではないわい」


 心配そうにしているカーディフにそう言ったが、ルディールがゲーム中に戦った事のある虫の魔神イオスディシアンは自身を回復させる手段を持ってなく、かなり楽に倒せる魔神だったので蹴りのダメージが回復されてるのを不思議に思い警戒のランクをあげていた。


 そしてイオスディシアンを待ち構えていると、エルフの兵士達を従えガザニアがやってき驚きの声を上げた。


「おお!魔法使い様がローレットからの援軍で来てくださいましたか!しかもコピオン様とお知り合いだったとは!」


 嘘をつくのは良くないが相手が都合の良い感じに勘違いしてくれたので、ルディールもカーディフも何も言わずにいるとガザニアがコピオンに自己紹介を始めた。


「コピオン様初めまして。私は森の番人をしていますガザニアと言います。お見知りおきを」


「そうか、お前達なら安心だな。ここの防衛は俺と魔法使いに任せておけ、お前達は他に回れ」


 そう褒められたガザニアは大きく頭をさげ連れてきた兵士達と供に他の場所へと向かった。


「お爺ちゃん、あのエルフ知ってたの?」


「いや、全くしらんがここにいては邪魔だからな、初めて会う奴はとりあえず褒めておけば動かしやすい」


 カーディフはなんとも言えない顔で祖父を見て、ルディールはさすがコピオン殿じゃの~と褒めているとようやくお互いが目視出来る距離に虫の魔神が現れた。

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