【漫才】突然なんだけど
A:(ボケ)「突然なんだけどさ……」
B:(ツッコミ)「おう、どうした突然?」
A「……っていうのやめない?」
B「は?」
A「だから、漫才を『突然なんだけど』ってセリフから始めるのやめない?」
B「なんで?」
A「じゃあ聞くけど、お前日常会話を『突然なんだけど』ってセリフから始めたことある?」
B「ないなぁ。急にそんなこと言ったら相手がびっくりしちゃうしなぁ」
A「だろ?だったら漫才でそれ言うのもおかしくね?」
B「でも漫才は日常の会話じゃないしな。『突然なんだけど』って言われても別にびっくりしないしな」
A「じゃあ聞くけど、もし総理大臣が会見で『突然ですけども』って言ってきたらどう思う?びっくりするだろ?何か尋常じゃない事態が発生したんじゃねぇかと思うだろ!?日常会話じゃなくても言われたらびっくりするだろ!?」
B「びっくりするな。総理大臣だからな。日本の行政のトップのお言葉だからな。でも、漫才師は総理大臣じゃないからな。尋常じゃない事態の報告なんてしねぇからな?」
A「でもお前、俺が『突然なんだけどさ』って言った時びっくりしてたじゃん!『どうした突然?』って言ってきたじゃん!俺総理大臣じゃねぇのに!尋常じゃない事態が発生したんだと思ってたんじゃん!俺総理大臣じゃねぇのに!」
B「あれはああやって答えるのがデフォルトなんだよ。How are you? って聞かれたらI`m fineって答えるのと同じくらいデフォルトなんだよ」
A「ここ日本なんですけどw」
B(ツッコミ→ボケ)「お前それ、アメリカでも同じこと言えんの?」
A(ボケ→ツッコミ)「言わねぇよ!ここが日本だからこそ言ってんだよ!…………もうええわ!」
B「それ、やめない?」
A「……は?」
B「漫才を『もうええわ』で締めるのやめない?」
A「なんで?」
B「じゃあ聞くけど、お前日常の会話を『もうええわ』ってセリフで締めたことある?」
A「ないなぁ。急にそんなこと言ったら相手がびっくりしちゃうしなぁ」
B「だろ?だったら漫才でそれ言うのもおかしくね?」
A「でも漫才は日常の会話じゃないしな。『突然なんだけど』って言われても別にびっくりしないしな」
B「じゃあ聞くけど、もし最高裁判所長官が判決の最後に『もうええわ』って言ってきたらどう思う?びっくりするだろ?何か尋常じゃない事態が発生したんじゃねぇかと思うだろ!?日常会話じゃなくても言われたらびっくりするだろ!?」
A「びっくりするな。最高裁判所長官だからな。日本の司法のトップのお言葉だからな……
何か尋常じゃない事態が発生したんじゃねぇかと思う……と言うか、話の流れから察するに尋常じゃねぇ事態を発生させたの俺だよな?何故か俺、裁判にかけられてたもんな!?公平公正を期する裁判官のトップをもブチ切れさせるレベルの大犯罪を犯しちまってたよな!?」
B「お、お前……一体どんなことやらかしたんだよ!?……いい加減にしろ!」
A(ツッコミ→ボケ)「それやめない?」
B(ボケ→ツッコミ)「……は?」
A「漫才を『いい加減にしろ』で締めるのやめない?」
B「なんで?」
A「じゃあ聞くけど、お前日常の会話を『いい加減にしろ』ってセリフで締めたことある?」
B「ないなぁ。急にそんなこと言ったら相手がびっくりしちゃうしなぁ」
A「だろ?だったら漫才でそれ言うのもおかしくね?」
B「でも漫才は日常の会話じゃないしな。『いい加減にしろ』って言われても別にびっくりしないしな」
A「じゃあ聞くけど、もし俺が人生の最期に『いい加減にしろ』って言いながら国会を爆破させたらどう思う?びっくりするだろ?何か尋常じゃない事態が発生したんじゃねぇかと思うだろ!?日常会話じゃなくても言われたらびっくりするだろ!?」
B「びっくりするな。国会だからな。日本の立法府のトップだからな。そこが爆破されてるんだもんな……『いい加減にしろ』ってセリフじゃなく、お前のクレイジーな行動にびっくりするな。何か尋常じゃない事態が発生したんじゃねぇかと[思う]どころか、尋常じゃない事態が間違いなく発生してるな。そりゃあそんなことすれば総理大臣も緊急記者会見の冒頭に『突然ですけども』って前置きするだろうし、最高裁判所長官も裁判中ブチ切れて『もうええわ』って言うだろうな」
A「…………」
B「おい、どうした急に黙り込んで」
A「この漫才をどうやって締めようか考えてた」
B「締めのセリフ考えて無言になるくらいなら、そんなもん考えなくても『もうええわ』」
A「結局その言葉で締めるんかい!『いい加減にしろ』」
二人「どうもありがとうございましたー」