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幕間1 餅つき

ここで突然だがオッサンの家に伝わる家訓がいくつかある、その一つについて紹介しよう、


「男は稼がなければクズ」


なかなか辛辣な家訓だが何の歴史も重みもないオッサンのパパが考えた家訓である。要約すると

「男たる者、どんなに偉そうで、賢そうにしても、家族を満足させる稼ぎが無ければ、そいつはゴミ屑以下の存在である。」

という男尊女卑バリバリの時代錯誤も甚だしい家訓である。

そしてオッサンのパパも朝6時に出社し夜は25時に帰宅する、正月以外は休み無く働くスーパー社畜星人であった。

今では考えられないが、昭和の時代のサラリーマン世代では良くある?事例であった。

そんな家庭で育ったオッサンはパパとのコミュニケーションは殆どなく、遊んだ思い出も殆ど無い。

そしてパパ程では無いが自身の子供に対しても土日祝日以外は殆ど顔を合わす事の無い生活を送っていた。


そんなオッサンが楽しみにしてるイベントが整形外科を受診した次の週1月16日に迫っていたのである。

それは普段家でゴロゴロ過ごすダサいオッサンが愛息子4歳に父親の格好良さを知らしめる機会となり得るイベント、息子の幼稚園で開催される


[餅つき大会]


であった。

勿論、最近の家庭にある炊飯器のようや餅つき機では無い、昔ながらの杵と臼を使った餅つきである。


オッサンは前もって有給休暇を申請しその日に備えて、動画投稿サイトで餅つき動画を何度も閲覧し、その日に備えていたのであった。


しかし

餅つきとヘルニア言わずもがな相性最悪である。


前日まで悩んだ末にオッサンは情けなくも餅つき大会への参加を断念し、あいも変わらず仕事に埋没したのであった。


このヘルニアという病気、勿論足腰に対する痛みも辛いが、このように日常の楽しみも味わうことが出来なくなり精神的にもダメージが蓄積される

病気なのである。

このときのオッサンはまだその事実に気づいてはいなかった。

ヘルニアの治療薬として、抗鬱剤を処方されるケースがある。

このような精神的ダメージが続くと、余計な事、良からぬ事を考えてしまう、人間とは脆い存在である。

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