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HOLY DARK QUEST  作者: 広陵
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プロローグ

バンはベン叔父さんの家で食事を済ませると、いつもの丘へ向かった。


今日は雲一つない満点の星だ。


俺の趣味は天体観測だ。

とは言え望遠鏡なんて高価なものは持っていないし、

やることと言えば丘に寝転んでぼんやり星空を見上げるだけだ。


そんなゆっくりとした時間が、一日の疲れを和らげてくれる。

俺はこの時間がたまらなく好きだ。


バンは叔父さんの家からくすねてきた魔界人参を一本齧ると、

いつもの丘に寝転び、星空を見上げた。


そよ風が草原を揺らし、心地よく頬を撫でる。

満点の星空は大地を明るく照らし、鮮やかに彩る。


ここは魔界だ。

闇が充満し、百鬼夜行の悪が蔓延る。

怪物達が食事に血のソースを塗りたくり、

魔王が恐怖と絶望で全てを支配する。


…だったのは随分昔の話だそうで、今の魔界は平和そのものだ。

この話も本当かどうかは分からない。

魔界の住人は話に尾ひれをつけて大げさに話すのが大好きなのだ。


俺は物心ついた頃から親の顔を知らず、モツキ村の皆に拾われて育てられた。

どうやら俺は竜人族という、普段は人の姿でここぞという時に自分の意志で竜に変身できる種族らしいが

闇の力を使う必要があるらしく、生まれてこの方闇の力なんて使ったことがないので

一度も変身をしたことが無かった。


変身するまでもなく、平和なのだ。


でも竜の戦士というのも憧れるな。

アラクネ族の商人のおっちゃんがこの間くれた新聞には

竜人族の戦士が特集されていてとても格好良かった。


もし村に恐ろしい奴が現れたら?

その時は俺がパッと変身して、ガッとやっつけてやるのだ。

村は俺が守ってやる。絶対にだ。


そんな妄想をしながら星空を眺めていると、空にきらりと光りながら動く物体を見つけた。

流れ星なんて珍しい。

そう思いながらぼんやり眺めていると、

流れ星はあっという間に大きくなってきてこちらに向かってきているではないか。


嘘だろ!?

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