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番外編 不死鳥の女神アテナ編 1話

またまた番外編です(笑)しかも前回の番外編とはつながってない!!

 6200億年前に遡った話になる。人間という生命が誕生したのは、かなり突然のことだった。名前のない神がこの世に降臨し、人間という生命を作り、「感情」という概念を生んだ。まだありふれた生物が存在していない時代の中、かなり始めのほうに生まれたのかと思うと感じるものもあるが、名前のない神が人間を生んでから文明が築きあがるまでは相当な時間を要することになる。

 とはいえ、6200億年前と言われても果てしなさすぎてピンとこないだろう。実際かなりの時間とはいっても500億年といったところで6200億年と比べると大したことはないように聞こえる。正直、文明がなかった時代に大した歴史も存在していなかった。

 そこから急激に文明が発展した5600億年前、ヨーロッパの中心に巨大王国が誕生した。勢力をもった貴族たちが、国家を持ち、実際に国という概念をもたらしたのは、この時が初めてである。

 王様の名前はウラディアス、初代男性国王である。彼は傲慢で強欲で癇癪を起すと、天罰の魔法を放つような残念な国王で、国民の評価もあまり高くなかったようだ。彼の気まぐれでみんな死んでしまったため、家族もいなく、最後暗殺された時は、同情する者もいないくらいかなしい国王だったのだ。

 その後、王位は国民全員に渡されることとなり、そこから王位が絞られるまで20年を要した。当時は国民に王位が渡ったことに彼ら自身も前向きだったため、決まるのにかなり時間がかかった。

 激戦ののち決まった国王の名前はアリシア。だが彼女が国王になる結果に至ったのは彼女の力だけではなく、むしろ支えあったのことだったであろう。




時は王選の始まりにさかのぼる。アリシアという無苗字の商人の娘がいた。彼女は16歳に見ないくらい背が小さいので、近所ではとてもかわいいということで評判も良く、家の八百屋の売り上げもかなり好調といったところだった。


「母さん、今日は何とってくればいい?」


「そうね、トウモロコシとか在庫が少なかった気がするわね。あと来季のキュウリとトマトのストックがなくなってきたから、植えといて。」


「了解。種はどこ?」


「たしか屋根裏だったかしら……、多分2階にあると思う。」


「いちいち種を屋根裏にしまったら面倒だと思うんだけど…………。」


アリシアの家は同時に畑を持っていて、そこで育てた野菜を八百屋で売っているような感じだ。今、母とアリシアがいるここが八百屋で、町を少し出たところに、実家と、目の前に大きな畑がある。そこでは店で売ってそうな野菜はたいてい育てているが、それだけたくさんの土地を使い、たくさんの野菜を育てているのでアリシア達だけじゃかなりきつく、畑の管理と手入れをしてくれる人を雇おうか検討しているらしい。

とはいえ、今のところは父と母と娘のアリシアのみで何とか成り立っているので急ぐことでもないが。


「――ほんとに屋根裏にしまってあるんだけど………。」


母は仕事熱心で、生まれてからずっとアリシアを全力でかわいがってくれたが、効率や計算を考えるのが苦手ならしくて、すぐドジをしてしまう。そういうところは娘であるアリシアがフォローしてあげなくてはならない。

父はそれに比べてダラダラしていることが多く、実力も頭もかなりいいのだが、それを弄んで遊んでばっかの人生を過ごしているようだ。まさしく母と正反対といったところか。


「私はどっちを目指すべきなのだろう……?」


正直彼女自身はどっちも目指したくないとは思う。だが両者とも尊敬すべき点がないわけだはなく、結論からいえば、彼らのいいところだけ真似ていくのがいちばんうまい生き方だろう。

そうこう独り言をつぶやきながら歩いていると、


「お、アリシアじゃないか。ここで会うとはなかなか珍しいな。今日はいいことがありそうだね。」


「おお、アテナじゃん。なんでここにいるの?」


アテナは小さい頃から仲のいい友達である。彼女は王騎士の娘であるため、剣術をずっと習わされており、色々な武器を使えたりもするらしい。彼女は家柄も家柄なので、あまりこういった田舎のほうには来ないから、少し驚いていたところだ。


 「郊外の見回りに、ね。アリシアは家の仕事か何かかい?」


 「そうだよ。今日は来季の植えこみもあるから、結構忙しいんだよね。」


 「そうか、それは残念だ。今から帰ろうとしていたところだから、少し遊べると思ったのに。」


 「―――――。」


 アテナは、心底残念そうにこちらをちらちら見てきた。鈍感なアリシアでもさすがに察してしまった。思わずため息が出る。


「………じゃあ、仕事ちょっとサボって遊んじゃう?」


「そう言ってくれて嬉しいよ。仕事より私を優先してくれるなんてね。私もこういった田舎で遊ぶのは初めてだからね。」


「きっと面白いよ!じゃあ、川のほうに行こうか。」


その後、種を植えてトウモロコシを無事に持って帰ってこれたのは、午後の8時を回って母に全力で怒られ、アリシアは川で遊びすぎたことを後悔したのだった。

                                            (続)



時間があったらまた番外編もやりたいと思います。次回は本編やりまーすww

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