第1章 時空契約と干渉 第7話 里音
普段は多少妥協してるんですけど、後から見直してちょっと誤字や変換ミスが多かったので修正させていただきます。
後なにげにアクセス数が1000越えてました。って少ねえ………。
あれから魔法学理論の話をされて、理解に至らないまま次の日の同じ時間に待ち合わせをし、フェリスと別れ裕希は帰宅した。帰宅時間は結局7時を超えてしまったため母親の秋に穏やかに怒られた。まああの人が本気で怒ったところをこの16年間見たことがないので、どのあたりが本気でどこからが本気じゃないのかも実際のところ裕機でさえ把握していない。故に実は今回怒られたのも割と本気で怒られていたのかもしれない。
裕希は自分の人間としての駄目っぷリさを母親のせいにして少し落ち着いていると、
「冷静になって初めて気づいたんだが……」
裕希は公園での出来事のことを振り返っていた。はたから見ればただの痛い少女と不登校の男子高校生の会話としか思われないだろう。いや、裕希が不登校かどうかは、はたから見ただけじゃわからないか。フェリスによればあの杖は魔力をあの中へ取り込み増幅させることができるものなのだと、とてつもなくそれっぽいことを言われた。それってつまりファンタジーものとかによく出てくる魔法の杖のことじゃねえか。
家の階段を上ると、「ゆうき」という小学校の修学旅行の時に作った、部屋看板みたいなのがかかっている自分の部屋(自分の部屋についてここまで説明する必要が果たしてあるのだろうか)に入った。今はやっとのことでベットの上に座り落ち着き始めたところなのである。
それにしても、
「俺なんであんなに怒っていたんだろう………?」
冷静になった時だからこそ過去の過ちは深く反省できるものなのである。今はまさにその状態で、あの公園にいたときの妙な心の胸騒ぎについて考えていた。というのもそれは彼女にあの公園に連れて行かれた時からずっと感じてはいたものだった。心の奥に痛く切なく、けれど、尊いものがあるみたいな本当に言葉にしにくい感覚だったのだ。
とはいいつつも悪い気分ではなかった。むしろ良いというか、懐かしいというか、ずっと別れていた人と再会した時の喜びみたいな感覚をイメージされる。なにそれ、もしかしてフェリスとニセコイでも始まるのかな。
そのはずなのに
「助けてって言われただけであそこまで怒りを覚えてしまうってのは明らかに不自然だよな。落ち着いて考えてみればただのナンパ失敗しそうなときの不良だぜ俺……」
明日あったら謝ろう。あの状況は主観的にも客観的にも裕希が悪い。
そんな風に自分自身の過ちを後になって反省する、コミュニケーションが苦手な人が学校でのことで「あの発言はなかったわー」とそれが恥ずかしかったことに家に帰ってから気づくというアレのような状態になっていると
「お兄ちゃんどうしたの?何か重要なこと考えている顔してるよ。」
部屋にかを出してきたのは裕希の双子の妹、伊波里音だ。何か重要なことを考えている(意味深)顔を見て気にかけてくれたのだろうか。さすがは俺の妹、良くできている。まあ自分でも生まれる順番間違ってるだろってたまに落ち込むぐらい里音とのスペックは裕希よりも高いと言えてしまうのだが。
「ちょっとな。きちがいな女の子への対応で疲れてしまってな。」
「がーん!!」
「ってお前のことじゃねえよ……。」
「私じゃない…、ってことはまさか私以外の女に抜け駆けしようとしていたのね!…もう、その人と次あったら、明日区役所から離婚届もらってきちゃうんだから!!」
「なるほど、それは困るな。」
「つっこんで!!私とお兄ちゃんの関係が怪しくなっちゃうから!!」
「まあ結局、そのきちがいな女の子ってのはお前のことではないけどな。下心で俺がロリと話していたわけじゃないし、そもそも俺が話しかけたんじゃねえし。」
「噂に聞くロリコンってやつだね。」
「話を聞こうか!!」
里音との会話は毎回こんなんだから疲れる。これだけ聞いてるとどっちがボケでどっちがツッコミか分からねえな…。
しかしこれでも里音は裕希の身を一番に心配してくれる。いや別に俺を心配してくれる人がほかになっしんぐなわけではなくてね。例えばお母さんとかお父さんとか里音とか里音とか里音とか……。
裕希に心配してくれる友達がいないという事実がばれそうになったことは置いといて、とにかく里音は裕希を一番にしたってくれる、愛すべき妹なのだ。
まず里音は裕希と違って、頭脳明細、成績優秀、そしてよくモテるらしい。ああちなみに良く里音がモテていることに心配などはしていない。なぜなら彼女は絶対に誰とも付き合わないと裕希が勝ってに信じているからだ。うん、だって俺がいるし。ていうか正直里音だったらもし彼氏を連れてきても裕希が先ほど里音が言った離婚届うんたらみたいなことを言えば普通に別れてくれそうな気はする。
それらも含めて裕希に里音に勝てる要素と言ったら本当に運動面ぐらいしかない。(里音は運動全般が壊滅的なので別に裕希が特別運動ができる訳ではない)そんなことがあるので、去年の12月頃、裕希たち兄妹は大変迷ったのだが、それぞれ違う高校に進学することになった。
高校に入学してからというもの、裕希は相変わらずだったのだが、里音は持ち前の小さくてかわいい見た目と美貌でよくモテた。まあそれは自然の摂理みたいなもんだから仕方ないとは理解していたのだが、中学校では「裕希」という里音への告白の抑止力となる存在がそばにいたからよかったのだ。ところが、里音と裕希は高校は
が別々になってしまったためいつもそばにいる男がいなくなったからか、学校内の男子から告白が絶えないという予想外の事態が起きてしまった。でもその懸念は杞憂だったらしく里音は告白したすべての男子に「私には兄がいるので」といって全員断っているらしい。いや、断るときの言葉として不自然すぎはしないかというのは多分気のせいだ。これが告白を断るときの自然なやり取りである。みんなも使ってみてね。
よく、妹は次から次へと振っていくのはめんどくさいとなげいている。そんなぜいたくな悩みがあってたまるかとそのときの裕希はぶれずに毎回ツッコんでいる。
だがそれも、やはり妹が兄を好きすぎるせいだろう。毎日弁当を作ってくれたり、よく一緒に買い物や映画に行ったり、様々な場面で喜びや悲しみを共有してきたりして、時に抱き合ったり、けんかをしてきたりした。何それただのリア充じゃん。
それが伊波家の双子裕希と里音なのだ。
「ほんと、それだけ聞くとただのラブラブ夫婦じゃねえか。」
「ただのじゃないよ。すごいラブラブ夫婦なんだよ!」
「そういうこと言ってんじゃねえ。不本意な付き合いばっかで思い出せば恥ずかしいぐらいだよ。」
「そんな軽い気持ちで私と愛の契約を結んだの?」
「話の道筋が互いにずれている気がするし、そんな契約を結んだ記憶はない。」
「ーー話に一貫性がないねお兄ちゃん……。さっきはつっこまなかったのに。」
何いってんのこの子、さっきのは正論でしょうが。
里音のことは妹としては大好きだ。それは世間に愛すべきものが少なすぎるからという比較的な問題ではなく、いや、それもあるのかなあ。あるかもしれない。だが里音は裕希のことを誰よりも愛してくれている。全力で愛してくれている人を一方が愛せないのはとても悲しいし、優しくかわいらしい彼女を好きになれない理由なんてない。それこそぜいたくってものだ。
だからこそ里音だけは絶対に捨てられない。少なくとも道端の理系ロリなんかには負けないはずだ。
よって
「里音、大事な話がある。」
「?」
裕希はフェリスの事を話すことにした。




